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11:模擬戦

 お姉さんが対戦相手を連れ出して、地下にある訓練場か? に行き模擬戦をする事に。そしてお相手は、皮系の鎧を金属で補強した品なのでハーフプレートメイルか。そして盾と剣持ちのいで立ちだ。


「坊主。そこの樽から好きな武器を選べ、全て刃を潰してある模擬訓練用だ。合否の判断は俺とアリサで下す」

「わかったよおっちゃん」

「俺はまだ二十台だ、せめてお兄さんと呼べよ」


 それじゃ選ぶから待っててねおっちゃんと言ってガサゴソと選ぶ。坊主と言われた手前、変える気は無い。

 とりあえず戦闘スタイルで三つ選ぶかな。棒が無かったのでそれに見合う短槍とショートソード二本だ。地面は土なのでショートソードは近くに刺しておいた。

「なんだ、3つも使ってみるのか、まあいい、初手は譲るから思いっきり掛かって来い」

「本当に良いの? 危なかったら地面に伏せてね、五十cm程度開けておくから」


 対面してバトンを回すようにどんどん加速させてぶん回す。頭上じゃないけど大車輪?

 今限界の最高速かなと判断したので自身もその場で回転して投げる勢いをつける。

 そして手から離す直前に横方向への回転力を加えておっちゃん? に投げつけ、側に刺していたショートソードの二刀流へと武器を変更した。左手の方は逆手に持っているが。

 投げた槍はと言うと、縦方向への回転に横方向への回転を加えた事から乱回転へと変わり相当な速度が乗り、はっきり言ってとんでもない凶器になっていた。

 下手に受けようものならそこを軸にして回転し、直撃を受けかねないので本来は受けるべきでは無いが、事も無げに後ろへ受け流して回避した。

 先ずは剣で受け、そこから回り込んで来る所を盾で受け流したのだ。どんな動体視力してるんだか。


「おいおい。俺を殺す気かよ、少しでも流しそこなったら下手すると死んでるぞ」

「最初に言ったじゃないですか、危なそうなら地面から五十cm開けるから伏せて下さいって」

「あの速度で伏せる時間があるか!」

 イラついたのか怒鳴って来たのだ。

「あー、すみませんでした」

 伏せる時間を考えてなかったわ……それはすぽりと抜け落ちてました、ごめんなさい。

「それじゃ、こっちからも仕掛けさせてもらうぞ」


 走り込み剣先ギリギリが当たる程度の袈裟斬り、剣を引きながら盾で右手に持つ剣を跳ね上げ、盾を引き戻しながらの脚を狙った切り込みと連続的な動きをされ防戦一方に追い込まれた。

 バックステップに縮地を使い、一度仕切り直しから再度縮地使用の最接近。連続攻撃へ移行されては不利なために一気に決着をつける事にしたのだ。

 左手で体の中心への突き、右手で頭への斬撃を行う。それを無理な体制での防御をしていた、突きを左手で持つ盾で受け止め、斬撃を剣で受け止めてのつばぜり合いだ。体制が悪い事からはっきり言って力がこもっていない。


「本気でやばいな、攻勢に回られたら俺死んじゃいそうよ。そろそろ止めてくれないかなアリサ」

「あなたが弱音を吐くなんて初めて見たわ。はい、それじゃそこまでよ」

 バックステップで距離を取り頭を下げる。

「ありがとうございました。それにしても見事な連続攻撃でしたね、あのままだとジリ貧でした」

「それを受け切ってる君も相当だよ、文句なく合格だね。それでランクだけどどうしようか、最低でも俺クラスはある訳だからBランクからスタートかな?」

「その辺りの説明は今からなのよ、Bランクまでならどのランクでも良いのね?」

「それで良いよ。メリットデメリットも知ってからじゃないと、後から悩まれても駄目だしね」

「それなら人事担当へは私の方からしておくわ」

「それじゃよろしく~。坊主と言って悪かったな、九歳と聞いたけど立派なハンターだったよ。それじゃ元気でな」

「バイバイお兄さん」


 最後ぐらい。いや、言い直してくれたから此方も言い直してあげた。

 詳しい話をするから別室に行くわよと案内された先だが、中央の奥へ行く通路を通った個室だった、それもめっちゃ狭い2畳程度にテーブル一つと椅子が四脚だけだ。


「前後して悪いわね。本来なら此方の説明が先なの、模擬戦楽しみにしていそうだったし、入るのは決まってたからね」

「どっちでも良いよ。お姉さんの言う通り、入るのは決定事項だし、お姉さんは言わなかったけど、税金面の事も絡んでない?」

 完全フリーでお金を稼いでいたら納税しないよね。納税するタイミングも無いし、その人たちが増えると国としては困る訳だ。当然ながら懲罰対象になりそうだよね。

「本当に記憶を無くしているのか疑わしいほど賢いのね。そう、今まではご両親が納税する事で子供たちの分も納めていたの。

 それが独り立ちするとなれば収入に対して税を納める必要があるの。今回は魔物ハンターギルドに登録して、これからの活動で獲得した色々な物をギルドに売った際に自動で差し引かれるわ」

 ん? そうなると兄二人は実家に売ってると言ってたよな? そうすると脱税になるのか?

「ちょっと待って。それじゃ素材は魔物ハンターギルドに卸す事が必須なの? 元兄二人も登録してるけど実家の雑貨店に売ってそうだったけど」

「ああ、それは家族だけの特権ね。ご家族が商売をされていて、そちらに売ればご家族の利益になるのは分かるわよね。

 その分雑貨店の方から納税されるから納税額は増えもしないし減りもしないの。

 この枠から外れる事になるから、売却は今後ギルドへね。ただ、自分で使う分には売らなくて良いわよ。素材をそのまま持ち込んで加工して使うのも良し、食材がドロップした時は自分で調理して食べてもよしね」

 ちょっと穴がありそうだな、聞いとくか。


「他の国へ持ち込んで売ったらどうなるの? 他の国に税金を納める事になるよね」

「また微妙な事を聞くのね。あからさまに特定の国でしか取れない素材を売ったら問題になるかも知れないわね、今の所前例が無いわ」

 なるほど。黙認してるのか。そもそも取れない素材を売ってくれたら相手は喜びそうだよな。それならお咎めどころか、売ってくれてありがとうと感謝されそうだ。


「見つかったらやばいですが暗黙の了解です。ですね」

「そこはほら、言わぬが花よ。

 次ね。ランクだけど一番下がFランク、そこから順番に上がって行きAランク、そこからSランク、SS、SSS、最後に飛んでRランク、レジェンドと言われてるわね。

 FEDランクは初心者。CBAランクは中堅ね、言い変えればベテラン。S、SS、SSSランクは最高峰と言われているわ。Rは伝説的な快挙をした人だけ、今は一人としていないわ。

 そしてこれからがメリットとデメリットね。

 Bランク以下には強制依頼を出せないから通常時には受けずに済むわ、基本的にとも言うわね。

 緊急的に対応が必要な脅威が発見された場合に限定される訳だけど、相手の脅威度が高い場合には低ランク化するから初心者でも強制依頼は来ない、とも言えない」


「変な言い回しだね、突発的でなお危険であればランク関係なし、通常時なら人が足りないからと言った場合でも強制されない、って事?」

「・・・纏めるのがうまいわね、それで良いわ。

 そんな事態と言うのは魔物が群れで町を襲った場合、そして高ランクと言えども対処が難しい魔物が来た場合、前者は数の脅威、後者は少数の脅威ね、当然複合もありえるわね。

 そしてメリットはAランク以上になれば、自身の身分に関係なく貴族御用達のお店を利用できるわ、具体的にはミスリル以上の貴重な金属を使った武器や防具の購入許可、それに準じたオークションへの参加資格などね」

 最初の強制依頼は指名依頼の強制って事だな。貴族とかから目を付けられた場合がかなり厄介か。

 聞く事が増えたな。これからの安全面を考えるなら聞かないと言う選択肢が0だ。


「……一つ戻って追加質問です。

 ランクによって通常時の強制依頼で理不尽な内容でも強制されるの? 脅威度に合わない金銭で依頼されたり、本来の適正ランクを隠されて強制されたり。

 そもそも排除する為に何度も何度も繰り返して連続強制依頼を受けさせられたり。

 嫌な奴がいるから罠に嵌めるのに最適だな、無理やり強制させて殺せば良いか、なんて事にならないかな?」

「……犯罪組織に睨まれ、その後ろ盾が貴族だった。あり得るわね……」

「上げるデメリットが高そうだよね。それで、ランクって強制的に上がっていくの?」

 この返答次第ではFランクになる必要があるな。そして売却を何処かの商人と契約して専属に買い取りしてもらう必要がありそうだ。

「それは無いわよ。上げても良いとギルドが判断した場合は本人の意思を確認するように義務化されているの、それで拒否すれば良いわ」

 なら安心か。Bランクで開始して大丈夫だな。


「そうなると武具の強度が頭打ちか、素材持ち込んで作ってもらう以外の選択肢が無くなるのは痛手だねぇ。とりあえず今回はBランクでお願いします。上げるか上げないかは十分に活動して決めます」

「それなら発行は明日ね、それまでに人事担当が身分証を準備します。これに記入してね、そう言えば文字書ける?」


 書けるので大丈夫と話すと羊皮紙と羽根ペンと墨を準備された。

 名前、出身地、年齢、性別、得意な戦闘方法、スキルとなっている。

 先の四つは良いが後者二つは接近戦、槍術、剣術、盾術を書いて渡した。


「それでアリサお姉さん。今日は何時まで?」

「アリサは止めて、特に外でわね。

 夕方までね。日によっては夜勤もあるの、そういう意味では丁度良かったわ、それで家を飛び出して来たのよね。身の回りの品が足りてないなら買ってらっしゃい」

 まぁ確かに、何も持たずにさようならしたから武器と戦利品しか持ってなかったな。

「確かに、唯一の一張羅になっちゃったか。そう言えばお昼も食べてなかったな、軽く食事もして来るよ」


「それならここから東に行くと右手にあるわよ。そうね、一揃え買って銅貨五枚から六枚ね。

 飲食ならギルド内にあるわよ、安いから利用しなさい」


 なるほど、安く済ませる為に混雑してたのね。



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