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107:授業

 やっと本題へと移るのだった。


「初めての方もいらっしゃいましたのでザックリと説明をします。

 資料をお配りしますが召喚対象に対する魔方陣がそれぞれ書いてあります。これは大枠で魔物の特性です。昆虫型、鳥型、人型、獣型、悪魔型、竜型ですね。

 特に悪魔型と竜型はその性質上、特に必要な魔力が異常に高く、これまで成功例がごく僅かです。

 そこであらましですが、最低必要であろう数値を書いてあります。あくまで最低ですので失敗のリスクが有ります。余裕を持った対象を選ぶようにしてください。それと資料ですが持ち出し禁止です。

 ですが、これは公開されておりますので秘匿しておりません。よって、必要な羊皮紙等を持ち込めば複写してよいとしております。売店でも販売していますので必要な方はご購入を。

 発動方法は至ってシンプルです。特殊な塗料で魔方陣を書き、自身の魔力を注ぎ込むだけです。

 そして、お昼から希望者を発動場所までご案内します。

 注意事項ですが各自必要だと思う品は各自準備をお願いします。料金に含まれますのは教室の使用、資料の閲覧、塗料となります。

 本番用の塗料も準備しております。正書する方はお申し出をお願いしま。、一度しかお渡ししません。以後、必要な方はご自身で用意して下さい。各自資料を受け取り開始して下さい」


 必要な羊皮紙と羽根ペンを買う必要は有るが先ずは魔方陣とやらを見る事にする。

 ぱっと見、何重にも円を書き、その間に文字を等間隔で書いて行くだけ。結構特殊なのか読めない文字も存在する。きっと時空魔術に使用した文字だろうと当たりを付ける。

 俺の候補としては飛べる魔物限定だ。しかも人が乗れるサイズ。その事から鳥型かもしくは竜型のみだが、一応全部書いとくか? 必要に駆られる場面が有るかも知れないし。

 先ほどザックリ出た様だが、猫や犬は獣、獣王国で倒したリザゲートは人型、フロッグは何だろうな。どうでも良いか。


「一人二十枚ばかり羊皮紙とかその他もろもろ買て来るわ」


 書き損じもあるだろうし多めに買っとくのが良いよね。

 

「私たちの分までお願いね」

「了解」


 ただ、羽根ペンて長持ちしないんだよな。結局先を削る羽目になって調整は必要だし、俺は自作してみるかなと買いに行くのだった。

 必要な品を振り分けて以前のドロップ品であるガールダの尾羽を取り出す。鉛筆サイズに慣れているからか細すぎる羽だと握り辛いんだよな、そこで風切り羽根ではなく、より大きい方を取り出したのだ。

 宝物庫からぶんどって来た中にあったオリハルコン製のナイフを取り出して加工する。

 先端を一cm程度斬り摘めると中心が空洞では無かった。

 それならばと万年筆もどきを作ることにする。

 縦に割り下側を削る。小さい丸い球を押し付けたように、そして同じく削った下側に横への溝を掘る。

 本当はハート穴を掘るのだが硬いままで良いと判断したので掘らない。

 後は墨の使用量に関わって来るので先端を極細にして最先部を若干丸めて完成だ。

 その長さ、ざっと60cm程度だ。めっちゃ大きくて目立つわ派手だわで視線を集めるのだった。

 とりあえずは一枚目の前に羊皮紙に十字を書き、そこから十六等分になるように線を引く。

 そこから円を書き込み資料の文字から十六分の一での文字数を確認。そこから書き始めた。

 そして完成した頃<転写Lv1>のスキルをゲットしました。

 後は作業だ。全て書き写し用途と使用MPを表記すれば完成だ。

 使用する塗料の作成すらも書かれていたので別途書き写す。

 使用素材:魔石粉末、ミスリル粉末、エルダートレント樹液、トレント炭粉末の四種類だ。

 この羽根の使用感はばっちりだな、線も細く書ける。減りも無い、高レベルの魔物だったから耐久力ががぜん上なのだろう。


「こんなもんだな。先生、貰える塗料だと大体何枚分ですか?」

「線の細さや図の大きさで変わって来るが概ね三枚から五枚と考えて良い」


 大きさ? 変えて良いのかね?


「今図の大きさとおっしゃいましたよね。小さく書いても問題ないのですか?」

「隣の文字と接触すれば無効となります。あまり小さくするのは得策ではありませんが可能です」

「なるほど、正書用の塗料を下さい」

「もう正書するのかね」

「ええ。転写したの見てみますか?」


 魔方陣の図のみ見せた。


「この線は……なるほど間隔の確認用ですか。良い判断ですね、では塗料です」


 受け取って席に戻るのだが本当に少ないな。どんだけ作り難いのだろうか、粉末化が必要な当たり、結構な人件費が必要そうではあるが。

 今の羽根ペンに付着している墨が混ざっては不味いと、昨日破ってしまった下着でふき取り【クリーン】を掛ければ準備完了。

 今度は中心から書き始める。外から書いていき小さくなり過ぎてダメになりましたじゃ洒落にならないからだ。

 そして昼までに書き上げました。鳥種二枚、竜種四枚だ。塗料が下に張り付く程度残っているが羽根ペンでは底つく程に使いずらくて諦めました。塗料の栓を締めて羽根ペンも乾いては駄目だと収納して終わりです。


 あ、そういえば残りのお金払ってないや。63000リル未払いだな、忘れてたわ。


「そういえばサージ先生、代金が未払いでしたね。63000リル、売却代金からのお支払いをお願いしてよろしいですか?」

「サルーン陛下より既に入金されてます、心配は不要です」

「ありゃ、後で返しておくか」

「そこはお二人でお話しください。さて皆さん、召喚される方はいらっしゃいますか? いらっしゃるのであれば挙手を」


 俺も含めて四人か、内一人はサーシャだな。


「では食堂で食べるもよし、出掛けて食べるもよし、一時間後に集合をお願いします。馬車ではなく歩きですので見学希望の方もどうぞ参加して下さい」


 食堂に行くと居るわ居るわ、別の部屋で魔方陣を書いてた人たちだろう。女性三人に席を確保していてもらう。四人で食事券を購入後に配布先への列に並び、両手に花の状態で席に着き食事を済ませた。


「テリクンは早かったですね。もう書いたのですか」

「書けるだけ書いたよ。鳥が二枚と竜が四枚で六枚だね。だけど今日使えるのは一枚だし、使ってみるか?」

「多くて五枚と言って無かった?」

「それは線の細さ次第だろ。俺は羽根ペンを自作したからな」

「そういえば一人で書きもせずに削っておられましたわよね。あれはガルーダの羽根でしたわ」

「そういう事、とりあえず書くコツが有るからこれ見てくれ」


 線を引いた全種類の魔方陣を見せた。


「御主人はこのようにしておられたのですか。これは見やすく配置が一目瞭然です」

「召喚したいのを話し合って確認すると良いよ。重なっていたら二人で一枚を見ながら書いて、被ってるようなら順番待ちで」

「そうしますわ、そうなるとテリストは午前中が暇ですわね」

「それなんだが、ダンジョンへ行こうと思ってる。俺だけ弱くなってけっこうな差が開いたからな」

「どれほどに下がりましたの?」

「百十八だな、二十か三十は皆から下がってるだろ」

「私が百四十一ね」

「クインと一緒に行けば宜しいですわよ、午前中でもそれなりに上がるのではなくて?」


 魔物図鑑を取り出して見始める。


「余裕をみて二十下程度でいいかね……そうなると攻撃手段が単調な六十二階層のジャイアントワングルホーンで良さそうだな。牛なら倒しやすい」

「突っ込んで来ますものね。回避したら攻撃し放題ですわよ」


 決まった事だし、そろそろ教室に行って待つとするかな。

 




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