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死招きの王妹 共通①
監守星の王妹タナトリシア、彼女は囚人をたくさん消した。
世界から存在そのものを、まっさらに無くした。
「なんで私は忘れない?」
皆の記憶から消したはずなのに、自分だけは消した者を憶えている。
「……もういやだ」
かつて、親しかった友人も消した。
仲がいいと思っていたのは、私が王妹にして監守であるから。
彼女はスパイで、たんなる怯えによる平服であり勘違いだった。
「みんな、みんな死にたくないんだよね」
たくさん人を殺したから悪い人。
だから消せ、罪人を許さない兄はそういうから。
「新たな“死を待つ者”を連れて参りました」
私が消す囚人を運ぶ者、グリンフェスタ=ベイツが美男を連れてきた。
「珍しい」
顔のいい者はどんな罪をも許されるヴィサナスの星へ行けばここに来る事はないはずなのにだ。
「サアラ=リトサキン隊長ヴィサナスへ渡る前に捕えたそうで」
我が姉サアラは捕まえる事が好きで、滅多に星を離れない監獄王の地位を継がずに弟ネクスへと譲った。
死刑が決まった者は、一週間私と対話をする。これにより最終的にどこへ向かうかが決まる。
磨り潰して転生、あるいはすでに存在する人間へ同化、最低はゴミ箱だ。
一万殺せば神様、1000人殺せば英雄、一人殺せば罪人。
我々は神を喜ばせる為に作られ存在を許されており、個性のないものはそれだけで罪である。




