四話 告白
「男なんだ。」
「………へ?はぁ?ちょっと待って、訳わかんないから!!じゃあ何?あんたが男?そんなわけ……」
「いや本当に男なんだよ。これに限っては信じて欲しいとしか…」
「本当に?」
「本当に。」
「いやでもあんた髪長いし、その体つきはどう見ても女でしょ!?」
「そ、それはそうなんだけどな……」
「じゃあどういうこと!?あんたが男って言うなら、わたしも男じゃない!!」
「え?」
何を言ってるんだ。こいつおれ並みに馬鹿か?
「え?じゃなくてっ!あんたがもし男だったらこの世にいる女の人皆男よ!?どう見たってあんたは女だし、同性のわたしから見ても可愛くて羨ましいのよ!?見たことも無いような綺麗な黒髪で、体型なんか胸を見ないふりしたら完璧なのよ!?あんたが男?馬鹿言わないで!」
胸見ないふりしたら完璧だってさ。やったね!
いや、なに喜んでるし。おれ男だろ?……男だよな?
てか胸見ないふりしたらってなんだよ。ああ、そうだよ!貧乳だよおれは!
…言ってて悲しくなってきたな。泣いていいかな…
「ねぇ」
「ちょ、ちょっと待って!ちゃんと説明するから!!」
「わかった。ちゃんと説明して。長くなっても良いから。」
「うん。じゃあ……」
ーーーーーー
「ふーん。そう言うことね。」
「何かどうでも良さそうな反応だな。」
「まぁ、正直まだ信じきれてはいないわね。でも世の中こんなこともあるのねぇ。女の身体の中に男の心ってまた、奇妙ね。」
「少しは信じてくれて良かったよ。絶対信じてくれないって思ってたから。」
「絶対って言う言葉はわたし嫌いなの。この世に100%なんてないって思ってるわ。絶対って言う言葉だけで可能性を潰されるのは嫌なのよ。」
「そっ、そっか。」
「で、あんたこれからどうするの?元の世界に帰るの?」
「いや、当分はこっちにいるよ。帰るって言っても帰り方がわからないからな。それまでは…、それまでは女なのか……」
「そう。ならわたしも付き合ってあげるわ。一人じゃ何かと辛いでしょう?」
「そうか、助かる。正直一人で生きていける自信はないからな。本当に助かるよ。」
「いいわよ、わたしも一人じゃ大変だったし。それよりも、あんたさっきまでの口調はなんだったの?」
「あ、ああ。おれが男ってこと隠した方がいいかと思って。少しだけ妹の口調を真似したんだよ。」
「そう言うことね。ならこれからもそうした方がいいと思うわ。
町とかに入ったら変に目立つし、今から慣れていった方がいいでしょ?」
「それもそうだな。ならこのままの話し方でいいか?妹以外の口調は真似できそうにない。」
「別にいいわよ?妹さんの口調が一番あってる気がするし。それよりも…」
「?なんだ?」
「あんた妹いたのね。その妹さんは?あんたと一緒に来てないの?」
「いや来てない。だから・・・」
「そう。ま、これからまた会えるかも知れないわ。だからそんな顔しないで」
「そう・・・だな」