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第1章:砂漠の星の踊り子
プロローグ
宇宙は広い。
本当に、途方もなく広い。
その広大な宇宙のどこかに、きっと自分の運命の人がいるはずだ。
そう信じて、今日もダイスケ・カトウは愛船フォーチュン号のコックピットで溜息をついていた。
「はぁ...今度こそ、今度こそは...」
コンソールに映る次の目的地の情報を眺めながら、27歳の賞金稼ぎは心の中で呟く。
砂漠の惑星アリディア。
賞金首のガンマン、「砂嵐のジェイク」がこの星に潜伏しているという情報を得ていた。
賞金は50万クレジット。悪くない額だ。そして何より...
「砂漠の星といえば、エキゾチックな美女がいるって相場が決まってるんだよな!」
一人コックピットで拳を握り締めるダイスケ。
身長175センチ、茶髪で顔立ちはそれなりに整っているが、なぜか今まで彼女ができたことがない。
いや、正確には何度かチャンスはあったのだが、そのたびに不運な出来事が重なって破談になってしまうのだった。
「よし!今度こそ、賞金稼ぎと花嫁探しを両立させてみせる!」
意気込むダイスケの前で、フォーチュン号の航行システムが目的地への到着を告げるアラームを鳴らした。