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第8話 お見舞い 後編

新キャラ登場!

そして明かされる、栞の思い。

翌日、再び学校に行くがそこに栞さんの姿はなかった。そのせいなのだろうが、昨日のように教室が騒がしい。

藍人「(少しは静かに出来ないのか?)」

颯太「よぉ、総司。今日も栞さんがいないんだ!どうにかしろ!」

藍人「昨日も言ったが、僕は神様でもなんでもないんだ。そんなこと言われても困る。」

颯太「じゃあ誰が栞さんを連れてくるんだよ!」

藍人「少なくても、僕では無いな。」

颯太「くそーーー!」

?「うるさいわね。」

その時、颯太の後ろから声をかけられた。

颯太「智穂、お前はわかってくれると思ってたのに!」

彼女の名前は佐久間智穂さくまちほ。颯太と同じ中学で、活発な女子だ。

智穂「まぁそうなる気持ちも分からなくもないけど。」

藍人「(...いや、僕は分からないんだけど?)」

なぜ共感できるのだろうか。

智穂「それより、そろそろ体育祭だけど大丈夫なの?」

颯太「大丈夫って何がだよ。」

智穂「栞さんが出れなくなったら、クラスの士気も下がっちゃうわよ!」

颯太「た、確かに!」

藍人「いや、それは頑張れよ。」

なぜそこがイコールになるのか。全くもって理解が出来ない。

智穂「まぁ、総司は大丈夫そうだけど。」

藍人「まぁ、僕はアイドルに興味ないしな。」

颯太「だとしても、あの栞さんを見て何も思わないのは珍しいやつだよな。」

藍人「そうかな?」

そんな会話をしてると、朝のホームルームのチャイムがなる。

先生「本日、栞から連絡がきて、体調が良くなったから明日には来れそうだそうだ。」

その瞬間、周りの生徒が歓声をあげる

生徒達「うぉぉぉぉぉ!」

颯太「よっしゃーーー」

智穂「嬉しいのはわかるけど、うるさいよ。」

藍人「(全くもってその通りである。)」

先生「静かにしろ!全く、これを話せば静かになると思ったのに。」

その先生の予想は大きく外れ、生徒たちはテンションが上がり授業どころではなかった。

藍人「(はぁ。ここは動物園か?)」

そう思いながら、今日一日を過ごすことになったのだった。






放課後、僕はまた先生に呼び出された。

先生「という訳で、また頼むわ。」

藍人「いや、なんでですか!」

明日には帰ってくるのに、なぜもう一度行かねばならないのだ。

先生「いやな?ちょーど明日提出しないといけない書類があってな。」

藍人「そんな恋愛漫画見たいな展開が...」

先生「確かにそうなんだが、まぁ他に頼めるやつもいないし、許してくれや。」

藍人「わ、わかりましたよ。」

僕は渋々承諾して再び栞さんの家へ向かった。





藍人「また来ることになるとはな。」

僕は再び、栞さんの家に向かった。

栞「あれ?総司くん?また来たの?」

藍人「はい。またプリントがあったので。」

栞「そうだったんだ。わざわざありがとう。昨日のお礼もしたいし、入りなよ。」

そんなこんなで、僕は栞さんの家に入った。

栞「どうぞ。」

藍人「ありがとうございます。だいぶ体調良くなったみたいですね。」

栞「うん、おかげさまでね。」

僕が家に入ると、栞さんはお茶を出してくれた。

藍人「聞きましたよ、明日には復帰するって。」

栞「うん。もう大丈夫だしね。」

藍人「そうですか。」

栞「それにもうすぐ体育祭だもん。私だって運動したいし!」

藍人「運動、好きなんですか?」

栞「まぁね。小学生の頃は水泳やってたんだ。」

藍人「水泳か。(クラスの奴らが聞いたらやばそうだな。)」

水泳の授業の時は、一応気を張っておこう。

藍人「他にもなんかやってたんですか?」

栞「まぁね。結構色んなことやってたよ。そのおかげで今色んな仕事貰えてるわけだし。」

藍人「そうですか」

しばらく沈黙が続いたあと、僕はふと周りを見る。やはり、部屋に親はいない。確か玄関にも靴がなかったような。

藍人「あの、聞いていいか分からないんですが、親御さんは今どこに?」

その言葉を聞いた瞬間、栞さんの表情が少し曇る。

藍人「あ、すみません。言いたくないならいいんです。」

栞「ううん。大丈夫。実はね。」

次の言葉に僕は驚愕する。

栞「私、親から逃げるためににこの家に来たの。」

藍人「逃げるために?(この歳で、一体何が?)」

そうして彼女は話してくれた。




私の親は、昔から私に興味がなかった。テストでいい点数をとっても、運動会で1位になってもなんにも興味を見せなかった。

子供栞「ママ!テストで100点とったよ!」

栞母「ああ、そう。」

子供の頃の私は親に認めて欲しくて色んなことをした。その中で親が唯一興味を見せたのが、アイドルとして活躍する私だった。中学2年生の頃、私がアイドルになって売れた時、親は凄く喜んでくれた。

栞母「よくやったわね栞!」

栞父「ああ、ほんとによくやった!」

中学の栞「えへへ。」

褒めてもらえるのが嬉しくて、私は中学生活を捨ててまでアイドル活動を頑張った。でも、親の目がどんどん私に向けられなくなっていったのに気づいた。そして理解してまった。親が見てるのは私じゃなくてそれによって起きる自分達の利益の方だって。その時、私が今までやってきたことが無駄になった気がして、すごく辛かった。一生に一度の中学生活を捨ててまで頑張ったのに、結局見てるのは私じゃなかった。





栞「幸い、お金には余裕があったから、荷物まとめて家を飛び出してここまで来たの。」

藍人「そうだったんですか....すみません。辛いこと思い出させてしまって。」

栞「ううん。気にしないで。私が勝手に話したことだから。」

そういう栞さんの目には少し涙が出ていた。

藍人「.....その気持ち、分かります。」

栞「え?」

藍人「と言っても、栞さんに比べたら、大したことないかもしれないですけどね。話してくれたお返しに僕も話しますよ。」

栞「総司くんの、過去?」

そう言って僕は自身の過去を少し話すのだった。

次回!

遂に明かされる、皇藍人の過去。

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