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第4話 番組収録 1日目

ついに番組編開幕!

昼休みが終わり、僕は教室へ戻った。

?「よぉ、総司。」

その時、僕の後ろから声をかけるやつがいた。

藍人「颯太か、何か用?」

颯太「いや、お前と昼飯食べようと思ってたのにすぐどこか行ったからな。どこ行ってたんだ?」

藍人「...別にどこでもいいでしょ。」

久遠颯太(くおんそうた)。僕が入学した時に一番最初に声をかけてくれた奴だ。明るく、優しい奴なためクラスでも人気だ。まぁ、ひとつ言うならば。

颯太「まぁいいけどさ。栞さんとご飯食べてたとかだったら普通にキレるからな。」

藍人「それではないから安心しな。」

.....こいつも栞さんのファンなんだよな。

いやさ、違うじゃん。普通こういう時は

『可愛いとは思うけど、熱中はしてない。』

って言うやつが近寄るじゃん。

藍人「颯太ってなんで栞さんのファンになったの?」

颯太「ん?それはお前、可愛いし性格もいいアイドルがいたら好きなるだろ。」

藍人「そう言うものなのか。」

颯太「逆に、お前はなんで好きにならないんだって感じだぞ?他の男子も栞さんの(とりこ)になってるのに。」

藍人「別に、アイドルに興味がないってだけだよ。」

本心だが、今まで色んな芸能人や俳優、女優と仕事をしてきたから別に何も思わないというのもある。まぁそんなことは口が裂けても言えないが。

颯太「まぁいいや。それより知ってるか?栞さん新しい番組の第1ゲストになったんだよ。」

藍人「ん?ああ、そういえばそんなCMを見たような。」

颯太「その番組でさ、栞さんと一緒にゲストとして出る俳優がいるんだよ。しかも男の。」

藍人「へぇ。そうなんだ。」

颯太「....妬ましい。その枠変わってやりたい。」

藍人「.....(その俳優が目の前にいるんだよなぁ。

まぁ、変装してるから分からないだろうけど。)」

見てる奴らが思ってるより、僕へのプレッシャーはすごいのだった。










そうして迎えた、撮影日。ここまでの期間、僕なりに考えを巡らせていたが

藍人「(...何も思いつかない。)」

駄目であった。ほんとに何も思いつかない。どうしたものか。

監督「よぉ。偉くソワソワしてるな。緊張してんのか?」

監督がからかい混じりで聞いてくる。

藍人「別に緊張はしていませんよ。ただ、何を話せばいいのかなって。」

監督「ああ、そういう事か。別に変に考えず、ただ2人で旅行に来ているって思っとけばいいんだよ。この番組は素を求めてるからな。」

藍人「はぁ。まぁわかりましたよ。」

そんな会話をしている時、

スタッフ「栞ちゃん到着しましたー。」

そんな声が聞こえる。

監督「お、来たか。しっかり挨拶しろよ?」

藍人「わかってますよ。」

僕はスタッフやマネージャーに囲まれている栞さんへ近寄る。

藍人「初めまして、皇藍人と申します。本日からよろしくお願いいたします。」

栞「あ、はい。えっと、よろしくお願いします。」

緊張してるなぁ。自分で言うのはあれだが、目の前に推しがいるというのは嬉しいのだろうが、同じくらい緊張もあるのだろう。

監督「おーい、そろそろ説明するぞー。」

藍人「はーい。じゃあ栞さん。先に行ってますね。」

栞「は、はい。」

藍人「(大丈夫かなぁ。)」





栞さんも来た時、監督が説明し始める

監督「今回はお前ら2人に1泊2日の旅行をしてもらう。と言っても、別にお前ら2人が一緒に回る必要は無い。自分の好きなようにやればいい。同じところは宿泊施設とかご飯を食べるタイミングくらいだと思う。」

思っていたより自由度が高くて少し驚いてる。監督は2人が旅行した時にどう行動するかが撮りたいらしい。それに面白さがあるとは思わないが。

監督「というわけで、今から行くぞー。」

藍人「今からですか?」

監督「おう。予定は空いてるだろ?」

藍人「まぁそうですけど。」

監督「栞ちゃんもごめんね。忙しいだろうに。」

栞「いえいえ全然、お気になさらず(藍人くんと一緒に仕事できるならどんな予定も断ってやるわ。)」

監督「そう言ってくれるとありがたい。じゃあ行こうか。」

そう言って僕らは車に乗せられる。

藍人「ちなみに、どこに行くんですか?」

監督「ん?ああ言ってなかったか。お前らの旅行先は、草津だ。」

藍人「草津ですか。ちなみになんでですか?」

監督「距離が近くて交通費が安いから!」

藍人「ええ...」

栞「ふふ、監督さん面白いですね。」

監督「そうかい?まぁ藍人とは長い付き合いだからな。」

栞「もし良かったら、藍人さんの話聞かせてください!」

監督「ん?まぁいいけど、藍人はいいのか?」

藍人「別に知られて変なものもないし、いいですよ。」

そうして僕らは僕と監督についての話をしながら草津へ向かったのだった。







そして到着。

監督「よし、何とか午後になる前につけたな。じゃあ早速始めるぞー。」

栞「はーい。藍人さん。行きましょう。」

藍人「ああ、そうだね。」

緊張がとけたようで何よりだ。

スタッフ「始まったら、とりあえず自己紹介をお願いします。その後に企画説明をして自由にって感じです。」

藍人「わかりました。」

栞「了解です。」

スタッフ「じゃあ始めまーす。」

こうして番組が始まった。言われた流れの通り、自己紹介をして企画説明を受けた。

栞「自由にって言われましたけど、どうします?一応最初は一緒に回ります?」

藍人「そうですね。そうしましょうか。」

スタッフ「じゃあ2人とも行ってらっしゃーい。」

その言葉と共に僕らは歩き出した。

藍人「(さて、ここからが本題だ。しっかり話せよ、僕。)」

栞「藍人さんは旅行好きですか?」

藍人「んー、まあまあですかね。インドア派なのであまり外にはでないんですが、観光地を巡るのは面白いと思っているので。」

栞「そうなんですね。(分かります!分かります!私もインドア派なので!でも外に出たくなるって気持ちも分かる!)」

藍人「栞さんはインドア派ですか?アウトドア派ですか?」

栞「私もインドア派ですかね。最近は特にそうですね。」

藍人「ああ、確かに。外暑いですもんね。(大丈夫?変って思われてない?)」

栞「そうなんですよー。日焼けとかも気をつけなきゃ行けないので大変です。(共感してくれた!嬉しい!)」

そんな風にお互いに色々と思いながら僕らは草津を観光地した。






栞「あ、ちょっと。タ、タンマです!」

藍人「ん?どうしました?(これで5回目だけど。)」

栞「い、いやぁ。お慈悲とか頂けないかなぁと。」

藍人「なんで対人ゲーム選んだんですか。」

栞「だ、だって。まさかここまでやられるとは思ってなかったんです!」

藍人「そうですか。」

そう言って僕は栞さんのキャラを倒す。

栞「ああああああ!」

藍人「これで僕の5連勝ですね。」

栞「うう、意地悪です。」





栞「温泉まんじゅう、美味しいです。」

藍人「良かったですね。」

栞「藍人さんもひとついかがです?」

藍人「え?いいんですか?」

栞「もちろんですよ!」

藍人「じ、じゃあ一つだけ。」

そう言ってまんじゅうを口に運ぶ。

藍人「うん!甘くて美味しいです!」

栞「!!そ、そうですか。(何その笑顔可愛すぎ!私、もう死んでもいいわ。)」

周りの人「(カップルかな?)」




時間も遅くなり、辺りが暗くなったので、僕たちは宿泊施設へ向かった。

栞「じゃあ、また夕食の時に。」

藍人「はい。では」

そう言ってた僕らはそれぞれの部屋へ向かった。

藍人「ここかな。」

部屋に入って荷物を置いて、僕はベットに横になる。

藍人「(大丈夫だっただろうか。)」

僕なりに頑張ったつもりだが、変に思われてないだろうか。まああまり考え過ぎるのも良くないか。今日は少し疲れたし、温泉にでも行こう。






栞「ふぅ。」

部屋に着いた私はベットで疲れをとっていた。

栞「にしても......これほんとに仕事!?ただのサービスじゃない!」

藍人さんの意外な一面とか見れたし、すごい話しやすかったし!ほんとやばい!

栞「私今日死ぬの?それくらい幸せなんだけど。」

仕事でここまで楽しいのは初めてだ。この後は夕食まで撮影なしって言ってたし、温泉にでも行こうかな。






僕が温泉に行くと、監督も入っていた。

藍人「監督、いたんですか。」

監督「そりゃ俺だって折角の草津の湯を堪能したいさ。」

藍人「まぁそれもそうですね。」

監督「どうだ?この番組は。」

藍人「........まぁ、いいんじゃないですか?」

監督「はっ、反抗期め。」

正直、まだ初日だが満足感が高い。最初はアイドルと旅行なんてどうなる事やらと思っていたが、意外と楽しく観光できている。

藍人「......なんで監督はこんな番組やろうとおもったんです?」

監督「.........」

藍人「言いにくいならいいんですよ?」

監督「いや、話すか。」

そう言って監督は話し始めた。

監督「昔、俺がまだ見習いとかの時だった。その頃のとある俳優が中々に多忙でな。休みの暇がほとんどなくて、ストレスが溜まる一方だった。ある日、その俳優が引退したと聞いた。そのせいで番組の視聴率は落ち、俺の師匠も引退した。だから、自分のためにも俺の事務所に所属してる奴には疲れをとって欲しいんだよ。」

そんな事があったとは。普段の監督からは絶対に出ないような言葉だ。これが監督の裏の顔ってことか。

藍人「大丈夫ですよ。監督。」

監督「?」

藍人「僕は自分が辛かったらしっかり言います。休みを要求しますし、仕事を降りたい時は相談します。安心してください。」

監督「...そうか。」

その言葉を聞いた監督はどこか嬉しそうだった。

監督「よし!今日は飲むか!この後は俺と飲め!」

藍人「僕はまだ未成年ですよ。」

監督「ははっ、そうだったな。」

監督の機嫌も良くなったようで何よりだ。そう思いながら、僕も草津の湯を堪能するのだった。

次回、番組編後半!

果たして無事に終えられるか!

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