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第3話 アイドルの裏側

栞の裏側が少し明らかに!

藍人「(いやいやいやいや。え?嘘?)」

聞き間違えじゃあなければ彼女は今、僕の事をかっこいいと言っていた。い、いや気のせいかもしれない。うん。きっとそうだろう。

栞「ほんと推せるわーこの人!演技も出来て、バラエティもできて、それでいて優しい。

こんな完璧超人がいたなんて。」

藍人「........」

聞き間違えじゃなかった。彼女はどうやら僕のことを推してくれているらしい。

というか、めっちゃ独り言多いな。これも彼女の裏の顔なのか。

栞「しかもこの人同い年なのよね。

同い年でここまで差が出来るなんて!ちょっとショックだけど、それはそれで彼の演技が素晴らしいことの証明になる!

てか、今度の番組どうしよー!!このままじゃテレビの前で厄介オタクになるかもーーー!」

藍人「(それは勘弁して欲しいなぁ。僕もタダでさえ同級生の女子と話した経験が少ないのに。)」

このままでは、番組が没になるだけでなく僕の俳優としての仕事も激減する未来が見える。

何とかしなくては.....




栞「はぁ。今日は疲れたなぁ。」

私の名前は夢咲栞。とあるアイドルグループのリーダーである。最近高校に入学し、楽しい学校ライフを過ごせている!

......なんてことがあるはずは無く

生徒達

「栞さん!今日一緒に帰ろうよ。」

「いや、私達と遊びに行くのよ!」

「いやいや、ここは我々親衛隊が自宅までお送りします。」

栞「い、いやぁちょっと。」

私は最近、アイドルとしてだけでなく様々な番組に出れるようになってきた。それ自体は嬉しいのだが、その影響で学校ではいつも私の周りを誰かが囲っている。こんなんじゃ楽しい学校生活なんて遅れるはずないじゃない!

栞「ごめん。ちょっとお手洗いに。」

そう言って私はその場を後にし、皆に気づかれないように玄関へ向かった。

栞「はぁはぁ。ここまで来れば、もう大丈夫だよね。」

私はそのまま帰ろうと、玄関で靴を履き替えようとした時、後ろから声をかけられた。

総司「栞さん?」

そこには、同じく帰るつもりである月下総司くんがいた。

総司「そんなに息を切らしてどうしたんですか?」

栞「い、いやね。また囲まれちゃったから逃げてきたの。」

総司「あぁ。そういう事ですか。アイドルも大変ですね。」

彼は私に特別執着がある訳ではないさそうだ。アイドルとかあまり知らないのか?

栞「月下くんは、皆と違って私を追ったりしないよね?」

総司「まぁ、そもそも僕アイドルにそこまで興味無いですし。あと、本人が嫌がってるなら逆に追いかけるのが迷惑になるじゃないですか。」

栞「そう....」

この子は私を特別扱いしない。追い回したりしない。趣味も合うし、いい人だ。

栞「ねぇ、今度から総司くんって呼んでもいい?」

総司「?いいですけど」

栞「ありがとう!じゃあ、私帰るね!」

総司「え?大丈夫なんですか?皆から怪しまれません?」

栞「上手く言っといてよ!」

総司「んな無茶な!」

彼なら、信頼出来る。いい友達になれそうだ!




藍人「いや、勘弁して欲しいんだが。」

何故か帰ろうとした時に栞さんとばったり会って他の人の説得を頼まれた。

生徒達「栞さーん!」「どこ行ったんだろ?」

と、そんなふうに思ってたら栞さんをおってきた生徒達が来た。

生徒「おい!ここに栞さんは来なかったか?」

藍人「いや、見てないですね。」

僕は知らないフリをする。面倒事には巻き込まれたくないからだ。

生徒達「帰ってしまったのか?クソー!」「もっとお話したかったのに!」

藍人「じゃあ僕はこれで。」

簡単に騙されてくれて良かった。

にしてもあの時、

『上手く言っといてよ!』

あの時の笑顔は彼女の素なのだろうか。



あれから1週間が達、監督から連絡が入ってきた。

監督「よお、急に連絡してすまねえな。」

藍人「いえ。それでどうしました?」

監督「あぁ、前から言ってた番組の予定が決まったから伝えに来た。明後日の8時に事務所に来てくれ。」

藍人「わかりました。」

監督「じゃあ、よろしく。」

そう言って電話が切れた。明後日か。というか朝早いな。準備をしておかないと。

藍人母「藍人ーそろそろ出なさーい。」

藍人「あぁ、わかった。」

僕はそう言って学校への支度をした。



藍人「ふう。やっぱりここは落ち着くな。」

昼休み、僕はいつものように屋上で昼食とっていた。やはりここはいい。静かだし、誰にも邪魔されない。

栞「あ、総司くんここにいたんだ。探したよ。」

藍人「.....」

前言撤回だ。今度は足音がしなかった。いつの間に後ろにいたのだろうか。

栞「隣いい?」

藍人「え、ええ。」

そう言って彼女 は隣に座った。こんなところ見られた多分僕は殺されると思う。

栞「総司くんもよくここに来るの?」

藍人「まぁ、そうですね。」

栞「私もそうなんだ。ここは景色もいいし風が気持ちいいからね。」

藍人「そうですね。」

言葉が詰まる。やばい、どんな会話したらいいんだろう。

栞「私ね、新しく始まる番組の第1ゲストになったんだ。」

すると栞さんがあの番組について話し出した。

栞「今回もう1人ゲストがいるの。知ってる?皇藍人っていう俳優さん。監督のお気に入りなんだって。」

藍人「そ、そうなんだ。」

話してる相手がその藍人とは思わないだろうな。

栞「私、藍人さんのことすごく推してて、あの人の出てるドラマはほとんど見てるんだ!

まぁ、こんなことバレたら炎上しちゃいそうだけど。」

今この場で共に昼食をとってる時点で、バレたら炎上しそうだが。

藍人「なら、なんで僕には言うんですか?」

栞「ん?だって君は誰にも言わないでしょ?」

藍人「...随分信頼されてるようですね。」

栞「信頼っていうか?女の勘ってやつ?」

大丈夫だろうかこの子。そのうちなんでも勘で済ませたりしないだろうか。

キーンコーンカーンコーン

と、その時昼休みの終わりを伝えるチャイムが鳴った。

栞「あれ、もう終わりか。」

栞さんが名残惜しそうに言う。

栞「じゃあ、私先に行くね。またね、総司くん。」

そう言って彼女は去っていった。全く、ファンからの意見を聞いてみたいとは思っていたが、まさかアイドルのファンから聞くことになるとは。

藍人「....責任重大だな。」

今回の番組は旅行の企画。見てくれている視聴者に向けてもだろうが、旅行してる本人にも楽しんで貰わなければ。彼女の期待に応える為にもより一層頑張らないとな。

次回!

ついに番組へ!前編と後編に分けます!

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