第27話 他のメンバー
『Forever flowers』のメンバーが登場!
急にそんなことを言われて、僕の頭は少しフリーズした。
煌雅「まぁ言いたいことはわかる。だがな、これには他にも理由があるんだ。」
藍人「他の理由?」
煌雅「知ってるかもしれないが、あのグループのメンバーはもれなくお前のファンだ。今回の映画撮影は少し大変でな。アイドル側のメンタルケアも兼ねてるんだ。」
藍人「そこで、僕が教えに行くことでやる気を出させると?」
煌雅「まぁそんなところだ。もちろんギャラは払うし色目をつけておく。どうだ?」
藍人「お金で釣らないでください。そんな事しなくてもやりますよ。」
煌雅「おぉそうか。ありがとな。詳しい日程は後日連絡する。」
こうして、僕はアイドルの皆さんの演技の指導をすることになった。
藍人「.....ってことなんだ。」
大和「お前、ついに女たらしになったのか。父さんはそんな子に育てた覚えはないぞ!」
藍人「どこをどう聞いたら女たらしになるんだよ。」
鈴「でもまさか受けるなんてね。昔の藍人なら考えられないよ。」
藍人「まぁ、栞さんや監督にはお世話になってるし、しっかり給料も払われるらしいから、断る理由もないかなって。」
鈴「ふーん。そうなんだ。」
心美「でも、あなた栞ちゃん以外と話せるの?」
藍人「.......分からない。」
今回、栞さん以外とは初対面なため、少しコミュ障な部分が出るかもしれない。
藍人「早く治したいな。」
鈴「....まぁ、"それ"はそう簡単に治るものじゃないし、少しずつでいいんじゃない?」
藍人「.....そうだね。」
そうして僕は他のメンバー達の前でもオドオドしないよう、覚悟を決めたのだった。
藍人「あわあわあわあわあわあわ。」
栞「あ、藍人さん。大丈夫ですか?」
無理だった。めっちゃ緊張していた。ここまで緊張したのは初めて映画撮影した時以来だ。
藍人「す、すみません。昔から初対面の人と会う時は緊張しがちで。」
栞「そうなんですね。(あれ?でも私と会った時はそんなに緊張してなかったような。)」
そんな会話をしている間に、僕らは現場に到着した。
響「お疲れ様です。お二人共。」
車から出ると、響さんが迎えてくれた。
藍人「どうも。本日はよろしくお願いします。」
響「わざわざ来て頂き、ありがとうございます。他のメンバーは既に来ています。どうぞこちらに。」
そう言って案内された部屋に入ると、
?「ちょっと栞!この前の撮影の件、説明しなさいよ。」
?「そうだよ。私達なんにも聞かされてなかったんだ....け.....ど.....」
栞さんに不満を言おうとしたメンバー達が、僕の顔を見て急にフリーズする。
?「え?藍人さん?」
藍人「ど、どうも。」
栞「今回、私達の演技を見てくれることになったんだって!」
メンバー達「........えーーーーー!?」
それを聞いたメンバーが一斉に僕に押し寄せてきた。
?「は、初めまして!藍人さんに会えるなんて、光栄です!」
?「私達、全員藍人さんのファンで。あ、良かったら写真を何枚か....」
響「はいはい、皆落ち着いて。まだ自己紹介もまだでしょ?」
興奮状態のメンバーを響さんが抑える。
藍人「(いつも栞さんってこんな感じなんだ。)」
そして落ち着いたメンバーが自己紹介を始める。
?「初めまして。七海結衣です。よろしくお願いします!」
?「姫乃美波です。まさか藍人さんに会えるなんて。」
?「星宮奏。よろしく。」
?「桜庭梨乃でーす!よろしくお願いします。」
藍人「皇藍人です。本日はよろしくお願いします。」
そして挨拶が終わると、すぐに映画撮影が始まった。
藍人「......」
煌雅「どうだ、みんなの演技は。」
藍人「.....監督も、僕の演技を見てたら分かるんじゃないですか?」
煌雅「まぁ、そうだな。」
藍人「ま、任されたものは仕方ないです。僕が何とかしてみせますよ。」
だが、僕はこの撮影であんなことに巻き込まれるとは思いもしなかったのだった。
颯太「はぁぁぁ。」
智穂「どうしたの颯太。そんなため息ついて。」
颯太「だって、今日は栞さんが休みなんだぞ?凹みもするだろ。」
陽菜「颯太くん。分かるよ。辛いよね!」
颯太「陽菜さん!」
2人がガシッと手を掴む。
海斗「お、いたいた。3人ともー。」
蓮「探したぞ。全く。」
陽菜「おお、2人とも。どうしたの?」
海斗「ふっふっふっ。実はな......」
そして海斗はとあることを伝えた。
颯太「なるほど。面白そうだな。」
智穂「せっかくだから、ド派手にやりましょうよ。」
蓮「今瑠香に計画を頼んでる。俺らも案を出して、いいものにしようぜ。」
海斗「あぁ。たまにはこんなイベントもいいだろ?」
藍人達が知らないところで、颯太達が何やら企んでいるようだった。果たして何をする気なのか。
次回!
演技の本格的指導が始まる。