第20話 夏休みの宿題
夏休みも終わりかー。
あれ?何か忘れてるような....
藍人「うーん。(暇だ。)」
夏祭りが終わり、あの後は特にイベントもなく、夏休みの期間が後1週間になった。
藍人「(たまにはアニメでも見ようかな。)」
そんなことを思っていた時、ピンポーンと家のインターホンが鳴った。
藍人「?誰だ?」
僕が玄関の扉を開けると、そこには知ってる人が5人いた。
栞「どうもー。」
颯太「よう。」
藍人「どうした、皆揃って。」
智穂「いや、それは、その。」
蓮「なんというか、そのな。」
海斗「恥ずかしい話なんだが。」
そして全員が口を揃えて言う。
栞・颯太・智穂・海斗・蓮「宿題手伝ってください!」
藍人「えぇ....」
とりあえず5人を家に上げて、進捗を聞くことにした。
藍人「で、皆どれくらい終わってないの?」
颯太「ワーク全般」
栞・智穂・海斗・蓮「同じく」
藍人「コツコツやったりとかなさらなかったんですかね?」
海斗「何も言えねぇ。」
蓮「俺らは部活が多すぎて。」
栞「私も、仕事が詰まっちゃってて。」
颯太「俺は忘れてた。」
藍人「おい。」
1人おかしい奴がいたな。
藍人「まぁいいや。とりあえず、ちゃっちゃと始めるよ。」
こうして急遽勉強会が始まったのだった。
〜5時間後〜
栞「も、もう。シャーペンを動かせません。」
海斗「まさかこんなに続くとは。」
颯太「し、死ぬ。」
智穂「ご....は....ん....」
蓮「総司、お前は疲れないのか?」
藍人「まぁ、集中力には自信あるからね。」
仕事で長時間の撮影とか結構あったし。
藍人「とりあえず、休憩しようか。ちょうどご飯の時間だしね。」
そうして僕はキッチンへ向かい、料理を作り始める。
栞「そういえば、総司くんのお母さんたちは?」
藍人「今日は仕事で遅くなるって言ってました。姉さんもバイトがあるって。」
海斗「へぇ。総司ってお姉さんいるんだ。」
藍人「まぁ。ところで、皆どれくらい終わったの?」
颯太「あともうちょいで終わりそうだ。」
智穂「私も。明日で終わりそう。」
栞「私も何とか終われそう。」
藍人「なら良かった。」
蓮「いやー、これでも申し訳ない気持ちでいっぱいなんだぞ?」
藍人「それはいいから今度は真面目にコツコツやってよ?」
蓮「は、はい。」
その後、僕は5人分の料理を作りみんなに振舞った。
藍人「できたよー。」
智穂「は....やく....ご....はん。」
颯太「落ち着け智穂。ゾンビみたいになってるぞ。」
海斗「でも、ほんとに美味しそうだな。」
栞「そうでしょう、そうでしょう!」
蓮「なんで栞さんが誇らしげなんです?」
藍人「ほら、冷めないうちに食べな。」
栞「お母さん?」
藍人「違います。」
智穂「いただきまーす!美味しい!」
颯太「相変わらず美味いな。」
海斗「総司くんってこんなに料理出来たんだ。」
蓮「てかこれ、そこら辺の店より美味いな。」
栞「ね!お店とかやんないの?」
藍人「流石にそこまでじゃないですよ。」
それから皆が話しながらご飯を食べていると、僕のスマホに通知が来た。
藍人「.....あちゃー。まじか。」
栞「どうしたの?」
藍人「突然豪雨が来たらしくて、所々で洪水が起きてるから今日は帰れないって親からきまして。」
その時、僕は窓の外を確認した。
藍人「これは、相当ですね。」
颯太「こうなると、俺らも帰れないな。」
海斗「ということは?」
智穂「お泊まりだ!」
藍人「また?まぁ今回はしょうがないか。」
蓮「ならさっさと飯食って風呂入らないとな。」
栞「ふぅー。お風呂ありがとう。」
藍人「いえ、お気になさらず。」
智穂「にしてもあんたいいシャンプー使ってるわね。」
藍人「まぁ一応美容には気を使ってるからね。」
仕事上、見た目に気を使わないとやってけないからね。
颯太「なぁ、なんかゲームないのか?」
藍人「ここはネカフェじゃない!全く....」
そうして僕は何かないかと漁ってみる。
藍人「ボードゲームがあったよ。人生ゲームとか。」
蓮「いいな、面白そう!」
海斗「女子2人はやる?」
智穂「やるー!」
栞「私もー。」
颯太「ほら、総司もやるぞ。」
総司「あ、いや。僕はその前に...」
その時、玄関の扉が開く。
鈴「た、ただいまー。」
栞「鈴さん!?大丈夫ですか?」
鈴「だいじょばないよ!早くお風呂入らせて!」
藍人「とっくに湧いてるよ。ほら行った行った。」
姉さんが濡れた服のまま風呂場の方へ向かう。
海斗「あれが総司くんのお姉さん?美人だね。」
蓮「というか、帰ってくるタイミングわかってたのか?」
藍人「さっき姉さんから帰る連絡きてたんだ。だからそろそろかなって。」
智穂「流石家族ね。」
颯太「よし、とりあえず始めようぜ!」
藍人「唐突だな。姉さんが風呂から出たらまた抜けるからな。」
蓮「総司...お前まさか!」
藍人「姉さんの分のご飯を作るんだよ!」
蓮「あ、そういうこと。」
栞「よーし、じゃあ始めるよー!」
その後、僕らは日をまたぐまで遊び尽くしたのだった。
そして1週間がたち、とうとう2学期が始まった。
藍人「で、宿題は終わったの?」
颯太「おう!お陰様でなでな。」
海斗「あの時はどうなるかと思ったよ。」
藍人「コツコツやることの大切さがわかったでしょ?」
海斗「まぁな。」
そんな会話をしていると、先生が入ってきた。
先生「ほら、お前ら席につけー。」
その言葉と共に、栞さんの周りにいた生徒が席につく。
先生「よし。じゃあこの時間は文化祭の企画について話し合うぞー。」
次回
文化祭編開幕!