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第2話 始めまして

第2話!

栞、遂に喋る!

藍人「......え?」

僕は突然の事で唖然のしてしまった。だって、誰かと一緒なんて言ってなかったのに。しかもよりによって、今を輝く有名グループのリーダーで、たった今僕とクラスメイトになった人となんて聞いたら唖然もするだろう。

監督「まぁ、何も言わずにこうなってしまったことには申し訳なさを感じている。だが、先方からの要望が強くてな。断るに断れなかったんだ。」

この人も苦労してるんだな。そこそこの役職に着いた人は部下の育成と上司の機嫌取りが求められるため、辛い立場なのである。

藍人「....まぁ、決まっちゃったことはしょうがないですし、わかりましたよ。」

監督「感謝する。お礼と言ってはなんだが、ここは俺が奢る。好きなのを食え。」

そう言って、監督はメニュー表を出してきた。別にお腹が空いている訳では無いが、貰えるものは貰っとこう。

監督「にしても、随分変わったな。俺も一瞬気づかなかったぞ」

そう、僕は今変装をしている。当然だ。高校に俳優がいるなんて知られたら、今の栞さんのように囲まれるに決まっている。僕はあくまで、普通の高校生活を望んでいる。俳優はあくまで裏の顔。知られる訳にはいかないのだ。

藍人「監督でも騙されるのなら、他の生徒には絶対バレないですね。」

監督「だろうな。にしても、あの夢咲栞と同じ高校に入るとはな。アイドルグループとしてはもちろん、個人での人気もある。事実、1人でテレビのゲストを勝ち取るんだからな。」

確かに。ここ最近の彼女の人気はすごい。だが、それは一つの不安要素を生み出す。

...まぁ僕には関係の無い話だがな。

藍人「ご馳走様でした。」

監督「おう、じゃあまた連絡するわ。」

昼食を食べ終わり、監督は会計を済ませ帰って行った。

藍人「...はぁ、どうしたもんかな。」

僕は歩きながら、番組について考えていた。僕は中学校にろくに行けてなかったので、同年代の女性との関わりも少ない。故に、どんな会話をすればいいのかなんて分かりもしなかった。

藍人「....これも学びと思って頑張るか。」

眩しい晴天の空を見上げ、僕はそう思った。







翌日、僕はまた同じ格好で学校へ向かった。校門へ着くと、何人もの生徒が列となって待ち構えていた。

生徒達「栞さん!おはようございます!」

栞「おはよう。みんなどうしたの?こんなところで。」

藍人「(....いやもう半分宗教じゃねぇか。)」

人気なのは知ってるが、ここまでとは。

藍人「(番組に出た時絶対叩かれるな。)」

僕はそう思いながら、裏口へと向かった。

教室に入るが、皆栞さんの元へ向かったのだろうか。教室に生徒は1人もいなかった。

僕は席に着き、また本を読んでいた時。

?「あの、ちょっといいですか?」

後ろから声をかけられた。しかも、その声は聞き覚えがある。間違いない。でもなんでここに?

藍人「はい。なんですか。」

僕はそう言って後ろを向いた。そして、僕の予感は的中する。

栞「はじめまして。私は夢咲栞って言うの。」

彼女はそう言って優しい笑顔を見せた。

いや、どうやってあの人数を振り切ったんだ?

藍人「あ、どうも。僕は月下総司(つきしたそうじ)です。」

月下総司は僕の学校での名前だ。

栞「月下くんか。よろしくね。」

そう言って、栞さんはまた笑顔を見せた。

藍人「それで、僕に何か用ですか?」

栞「ああ、そうそう。月下くん、その本好きなの?」

藍人「まぁ、作者さんが好きでよく読んでます。」

栞「そうなんだ!私もその人の作品よく読んでてさ。最近はみんなYouTubeとかしか見ないから話が合う人いなくて。」

今名前を知ったばかりの相手によくここまで話せるものだ。

藍人「そういえば、あの生徒達をよく振り切れましたね。」

栞「あぁ、皆にはお手洗いに行くと伝えたんだよ。私アイドルだから流石に着いてくる人はいなかったよ。」

まぁ、現役アイドルのトイレについて行く奴は余程のバカぐらいしかいないからな。そう言われてしまえば断れないだろう。

栞「でも、そろそろ戻らないと怪しまれちゃうかな。じゃあまたね。」

そう言って彼女はわざわざバックをもって戻って行った。本当に苦労してるのだろうな。

しかし、今話した男が今後の番組で共演するとは思ってないだろうな。





昼休みになり、僕は屋上に来ていた。ここは景色もよく、風も吹いていて心地いい。そんな昼食を楽しんでいた時、

藍人「(....誰か来る!?)」

僕は誰かが階段を登る音を聞いて、すぐに身を隠した。

藍人「(誰だ?)」

僕は恐る恐る気づかれない程度に覗くと、

栞「はぁ、疲れた。みんなしつこすぎなのよ全く。」

そこには栞さんがいた。話を聞いた感じ、周りの生徒を振り切ってここまで来たと言った感じか。

栞「この時間はいいわ。私の趣味に集中できるし。」

趣味か。アイドルの趣味を見るなんて、随分と悪い事をしている気がする。なんだかすごい罪悪感が僕を襲った。

栞「はぁー。やっぱり素敵ー!」

はて、何か見ているのだろうか。

だが、次の瞬間、僕は2日連続耳を疑うことになった。

栞「やっぱり皇さんかっこいいー。今度一緒にお仕事出来るなんて、今でも信じられない!」

彼女は確かにそう言ったのだった。

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