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魔王、更に討伐する 異世界百八日目

予告なく修正することがあります。

 ニーナ達は焼き尽くされたトレントの焦げ跡へと近づいた。そこにはバレーボール程の紫色の石が落ちていた。透き通った石の中心に真紅と黄金の輝きが見て取れ、濃い紫のくすみの様なものが輝きにまとわりついていた。深い紫の石を持ち上げたアデルは、静かに口元を綻ばせた。

 焦げ跡に覗いていた木をカインが引っ張ると、大人一人で抱えきれない大きな箱が姿を現した。暫く、箱を触っていたカインは、動きを止めると一歩だけ下がった。大きな箱を見て目を輝かせていたニーナが、ゆっくりと箱に近づいてカインとアデルを見た。


「これは大きな宝箱なのじゃ。」

「カインが調べたわ。罠の類はない。開けて良いわよ。」


 頷くカインを見たニーナは、満面の笑みを浮かべて大きな箱を開けた。中には無数の剣や槍、防具が隙間なく収められていた。武器や防具に黄金の輝きが無い代わりに、赤茶の染みを着けていた。それはつい最近まで誰かが使っていた事を物語っていた。


「うにょ、お宝ではなかったのじゃ。小汚い武器と防具なのじゃ。」

「その染みは血痕よ。モンスターが集めたとは思えないわね。」

「それ一個だけではなさそうだ。ギルス。」

「おう。」


 ニーナの落胆した感想に、アデルが物騒な答えを出した。エレンが辺りを見私から、ギルスの名を呼んだ。短く答えたギルスは、近くの木箱を掘りだした。ニーナがカインを見ると、不貞腐れた表情で森の一角を見詰めながら小さく頷いた。最終的にニーナ達は四つの木箱を掘りだして、中身は最初の箱と同じく血に染まった武器と防具だった。


「むう。」


 ティアが唸るように一言を漏らすと、カインと同じ方向に首を巡らした。ミリアンも静かにカインが見る森の一角に、立ち上がって視線を向けた。

 カインの視線の先から人影が現れると、ようやくギルスとエレンも視線を向けた。ニーナは現れた人影を見て首を傾げ、アデルは水稲の蓋を開けてゆっくりと口を付けた。


「あらら、モンスターを倒してしまったかよ。俺達の金づるをどうしてくれんだ。」

「あれが貴方達にどうにかできるとは思わないのだけど。」

「その通りだ。俺達じゃ討伐は出来ねえ。だがな、あれを大人しくさせる方法を知っている。」


 森から出て来た出てきた男はアデルに答えると、腰のパウチから拳大の赤い果実を取り出した。巨大なナンテンの実に似た果実を、男は片手で器用に投げて掴んでを繰り返した。


「こいつは何処の森にでもある果実だ。不味すぎて人も獣、鳥も食わない。だが、こいつをあのモンスターに投げ込むと、暫く動かなくなる。そして、あのモンスターに返り討ちにされた奴等の装備を戴いたというわけだ。お前達は俺達の大事な金づるを討伐したってことだ。」

「そうだな。男二人はいらねえな。女は・・・こいつは上玉だぜ。高く売れそうだ。」

「売る前に楽しめそうだ。」


 何時の間にか森から出て来た男達は二十人以上に増えていた。口々に好き勝手に言葉を吐き出しては、厭らしい笑みを浮かべてニーナ達を睨んだ。


「俺達は犯罪者じゃない、俺達を殺せばお前達は犯罪者になる。」

「まっ、こっちは二十人以上。子ども七人でどうにか出来るもんじゃねえ。」


 男達は見るに堪えない笑みを浮かべて、ゆっくりとニーナ達に近づいた。無表情で立っているニーナ達を、怯えて動けないとでも思っているかの様に。


「カイン。ここはダンジョン・エリアよ。ルールは唯一つ。即ち・・・」

「弱肉強食。」

「けっ、気付いたかよ。で、どうすんだ。この人数の差を・・・」


 男は最後まで口にする事は出来なかった。無造作に近づいたカインは、抜いたナイフを男に下顎に突き入れた。カインは右手のナイフを顎から抜きながら、左手に持ったナイフを横に薙いだ。別の男の喉に赤い筋が走ると同時に、更に後ろの男の額に右のナイフを突き入れる。顎から貫かれた男が崩れ落ちる前に、四人目の男がカインの回し蹴りで吹き飛ぶ。二人目の喉から血が吹き出すと同時に、五人目の男の首が有り得ない方向に曲がった。六人目と七人目の男に首に、カインのナイフが吸い込まれる。


「な、何が起こった。」

「貴方達。あのモンスターを討伐出来ないのでしょ。なのにどうして、あれを討伐出来るカインに勝てると思ったの。」


 狼狽えた男達はアデルの言葉にやっと、腰の武器を抜いて構えてカインを見た。カインの近くにいた男は、ナイフを額に受けて動かなくなった。


「ピキーィィィィィィィィィン!」


 辺りに澄んだ音が鳴り響くと、カインの手に薄紫に輝く一振りがあった。


「行こうか。盗賊ども。」


 カインが走り出すと同時に、ギルスとエレンも武器を手に走り出した。姿を消したティアが盗賊の一人の後ろに現れると、手にしたモーニングスターを頭へと叩き付けた。ギルスは刀を長槍に持ち替え、立ち止まったエレンの薙刀が数回の回転を見せた。数人の男が手首を切り落とされ、怪鳥の様な叫び声をあげた。一直線に駆け抜けたギルスの後には、片腕を吹き飛ばされてのたうち回る数人が転がっていた。


「なっ、何が起こっている。」

「あら、言ってなかったかしら。私達、白銀等級よ。」

「は、白銀だと。まっ、まさか。スターライト騎士団に勝ったパーティーがいると・・・。」

「それ、私達の事かもね。あら、もう手遅れかしら。」


 カインの踊っているような動きに合わせて、周囲を死の銀光がを舞い踊った。最期の男が心臓を貫かれて動きを止めた時、初めに斬られた男の胴体が地面に落ちた。


「ちっ、ちくしょう。お前だけでも道連れにしていやる。」

「あら、私も白銀等級なのよ。」


 神速で抜かれたアデルのレイピアが、男の首筋に一閃を滑らせた。レイピアを収めたアデルが、一切の興味を失ったのか歩き始めた。ニーナ達と合流したアデルの後ろで、男の首が胴体に別れを告げた。


「うにゃ~。カインとアデルは簡単に殺し過ぎなのじゃ。」

「仕方ないでしょ。殺さなければ殺される。」

「ギルスとエレンは殺していないのじゃ。」


 ギルスの槍を受けた男達は肩から下を吹き飛ばされ、エレンの薙刀は男達の手首を切り落としていた。


「ティアも殺していたわ。」

「ん、叩いたら死んだ。不本意。」

「そりゃ、そんなモーニングスターで殴れば、即死確定だろ。確信犯だよな。」


 アデルの言葉にティアが答えると、カインが呆れた様な口調で言った。モーニングスターを腰のパウチに収納したティアは、肩から下を失った男達を引き摺って一か所に集めた。ギルスとエレンも手伝って、トレントがいた場所に男達を集めた。


「うにゅう、二十人以上いたのに、五人しかいないのじゃ。」

「三人は瀕死ね。肩を吹き飛ばされて、ショック死しないのは称賛ものよね。で、どうするのかしら。」

「うにゅう、そうなのじゃ。次の村で引き渡すのじゃ。」

「三人はもたんぞ。ここで縛り上げて、次の村で衛兵に伝言を頼むのが良いだろう。」


 話し合っていたカインの、情容赦の無い言葉に男達は喚き始めた。ダンジョンにはモンスターが存在する。そんな危険な場所で身動きが取れない状態で放置されれば、死の未来以外想像できないのは当然と言えた。


「うにゅ、カインの案に賛成なのじゃ。」

空♂:やっと、投稿するのだ。

ア♀:今年はぐうたらマイペース路線なのかしら?

空♂:もうすぐ、まとまった莫大な金が手に入るから、それからは頻繁に投稿するのだ。

ア♀:まとまったお金。それって、宝くじと言うものかしら?

空♂:ふっふっふ!十億なのだ。

ア♀:当たったのかしら?

空♂:ふっ!まだまだ、続けます。

(ピキーィィィィィィィィィン!)

ア♀:まだまだ、続けさせます。


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