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魔王、クエストに向かう 異世界九十三日目

予告なく修正することがあります。

 一夜明けてニーナ達はいつもの様に早朝から剣術の練習をして、宿屋の離れでカインの作った朝食を食べた。そして、食べ終えたニーナとティアは鼻を膨らませて、カインとアデルを期待に満ちた目で見詰めていた。


「カイン。ダンジョンは全三階層で、ゴブリン主体の初級になったのでしょ。何故、もう一度、行く必要が有るのかしら。」

「魔王城に保存系の魔法が施されていたようだ。辿り着く道がなくったはずが、再接続されていた。しかも、今度は三階層に階段まで出来ていた。」

「今の私に術式の解除は難しいわね。」

「駄龍に帰って来るように伝えた。今日の昼ごろには来る筈だ。」


 カインがダンジョンの点検に行った際、下へと続く階段を発見した。長い階段を降りると、魔王城へと辿り着いた。そして、そこには凶悪なモンスターが再配置されていたのだった。その全てを単独で討伐し、カインは拳ぐらいの魔石を数十個も獲得していた。


「魔石やドロップアイテムは後々換金するとして、のじゃ姫達の装備を出してあげて。この二カ月の特訓で、結構レベルも上がったから中級装備ぐらいがいいわね。」

「うにょ、新装備なのじゃ。」

「ん、わくわく。」


 アデルの言葉に喜ぶニーナとティア。ギルスとエレンも平静を装っているが、頭の上の耳が小刻みに揺れていた。


「この町の武器屋には鉄製以上の武器は無いし、革鎧も低級な素材の物しか無かった。サイズ未調整の物も手持ちに無かったから、全員分を俺が作った。」


 マジックバッグから出された革の鎧を見て、アデルが目を大きく見開いた。感嘆の溜息を吐いて、目を輝かせるニーナ達。


「幾ら何でもドラゴンスキンは駄目でしょ。」

「偽装を施してある。鑑定してもクレージーボアの革で、防御力も鉄の鎧程度にしてある。」

「あら、本当ね。看破スキルでも同じね。実際はオリハルコンに匹敵する防御力に、各種耐性を兼ね備えた伝説級の逸品よ。」

「アンダーアーマーはクロススライム製だ。ミリアンはメイド服なので、ヘルタラテクトの糸で編んである。」


 早速、装備しようと服を脱ぎ始めたニーナとティアが、慌てたミリアンとエレンに羽交い絞めにされていた。同じく服を脱ぎかけたギルスは、アデルの綺麗な回し蹴りで床に沈んだ。

 次にカインは数種類の武器を、テーブルに並び始めた。


「ギルスには天狼丸に加えて、魔槍ブリューナク改、エレンは魔弓、星矢天弓と如意棒改。ティアにはタイタンハンマーと魔盾、ジーシールド。ミリアンはナイフ希望と言う事で、適性のあるアクアエッジとウィンドエッジだ。そして、のじゃ姫にはこのレイピア、スカーレットだ。」


 ニーナ達は武器を手に取って、軽く振ると満足気に頷いた。そして、輝いた眼差しで、アデルを見詰めた。


「はいはい、早くクエストに行きたいって、目で訴えるのは止めてくれるかな。」


 降参したと言わんばかりに、手を振るアデルの金色の眼が妖しい光を放つ。新しい装備に浮かれているニーナ達。


「伝説級どころか神話級が入っているわよ。スカーレットって燃焼と言う概念を具現化したレイピアよ。炎属性に適正があるのじゃ姫が使えば、貴方の腕を切り落とす事も可能よ。」

「ティアのフレイルは伝説級だが、あの盾はロマンがあるだろ。」


 ティアの持つ盾は身長より少し短く、覗き窓があり中央に金色の十文字がある赤い盾だった。満足気に話すカインを、アデルは溜息を吐いて無言で答えた。

 その後、数十本のナイフを出して、全員が選び終えた時にドアが鳴った。カインがドアを開けると、絶世の美女たるアンジュが、落ち着きのない目を周囲に向けながら立っていた。


「あの呼び出し方には断固、抗議します。パスを構築しますので、今後は念話で呼びかけて下さい。」

「カイン、どんな呼び出し方をしたのかしら。」

「こいつの聴覚神経を受信機に直結した。このマイクから話しかけると、頭の中に俺の声が響く。」

「落雷より大音量なの・・・ですよ。」

「まだ、迷走中ね。パスは私にも繋いで。少しは、貴方の助けになると思うわ。」


 アデルはアンジュに魔王城に施されている魔法の解除を依頼した。アンジュは暫く考え込むと、カインの鯉口を切る音に首を激しく縦に振った。暫く、喜劇の様なやり取りを終えると、カインはアンジュを引き摺ってダンジョンへと向かった。


「さて、私達はクエストを終わらせに行くとしましょうか。」

「アデル様。少し目の輝きが違うように思えるのですが。」

「ミリアンは聡いかしら(小声)。牛に豚と鶏を狩りに行くわよ。」

「うにょ、クエストはゴブリン調査と薬草採取なのじゃ。」


 アデルが先頭に立ち、ニーナ達は町から遠くない森に到着した。森の外縁で薬草はすぐに見つかり、クエストには充分すぎる量を採取することが出来た。ニーナ達は更に森の中へと足を向け、ゴブリンの存在を探した。

 突如、甲高い悲鳴の様な音が響き渡ると、白い物体がニーナ達の前に飛び出した。それは鶏と言うには大きく、大人と変わらない体躯を持っていた。そして、太く筋肉質な足を持ち、鋭い眼光でニーナ達を睨み付けていた。


「さあ、鶏の出現よ。ギルス、エレン。確実に仕留めて。」

「なあ、アデル。これはモンスターだろう。」


 ギルスの言葉が終わらない内に、巨大鶏がエレンに近づいて独楽の様に回った。僅かに身体を反らせたエレンは、通り過ぎた鶏の足を見届けた。エレンが前へ出ようと瞬間、アデルの声が突き刺さる。


「エレン!もう一方が来る。」


 踏み込もうとした身体を、エレンは歯を食い縛って止めた。踏み込んでいればエレンの顔が有ったであろう空間に、独楽の様に回った巨大鶏の逆の足が通り過ぎた。

 エレンは息を吐くと、持っていた如意棒改を腰だめに構えた。


「アデル。感謝する。少し、侮っていたようだ。所詮は鶏と。これはこれは狩ってみたくなる獲物だ。」


 中性的で美しいと言えるエレンに顔に、獰猛な肉食獣の笑みが広がる。何かを感じたかの様に、巨大鶏が数歩下がった。

 翼を広げて滑空しながら、連続で蹴りを放つ巨大鶏。如意棒改で同じく、連撃を放って迎撃するエレン。エレンの横薙ぎに振った棒を避ける巨大鶏は、距離を詰めてその強靭な足で蹴りを放つ。巨大鶏を外れた如意棒改は、一本の木に当たり木端微塵に砕いて見せた。反動を利用したエレンの一撃は、見事に巨大鶏の頭を砕く事に成功した。


「うにょっ!エレンが討伐したのじゃ。」

空♂:投稿を忘れていた。

ア♀:以前も時折、あったわね。

空♂:うにゅ、連日の猛暑によれよれなのだ。

ア♀:それでも、始めたのだから続けて、終わらせる事。

空♂:勿論なのだ。まだまだ、続きます。

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