第二章 俺たちは、変わってみせる!
セリーナは、フレイアの大地に戻ると、戦友たちの墓を訪れた。彼女は涙を流しながら、彼らのために祈りを捧げた。彼女の心には、戦いの中で失った友情や愛情が重くのしかかっていた。彼女は、もう二度と剣を取ることはないと誓ったが、その誓いが果たされることはなかった。
バルドは、テラノスの城で策略を練ることに没頭したが、心の奥底では戦争の終わりを望んでいた。彼は、民の苦しみを目の当たりにし、かつての栄光が今はただの虚しさであることを理解した。彼は、王国を再建するための新たな道を模索し始めた。
数年後、三つの王国は依然として互いに敵対していたが、戦争の影響で民は疲弊し、生活は困窮していた。ある日、アリオス、セリーナ、バルドはそれぞれの王国の民からの呼びかけを受け、再び集まることになった。彼らは、戦争の終息を求める民の声を無視できなくなっていた。
会議の場で、三人は互いに向き合った。アリオスが口を開く。「私たちは、戦争によって何を得たのか。失ったものの大きさを考えれば、もはや戦いを続ける理由はないはずだ。」彼の言葉は、重く静まり返った会議室に響いた。
セリーナは頷きながら続けた。「私たちの民は、戦争の犠牲になっている。彼らは私たちのために戦っているのではなく、私たちが戦争を続けることで苦しんでいる。私たちがこの状況を変えなければ、未来はない。」
バルドは、彼らの言葉に耳を傾けながら、心の中で葛藤していた。彼は策略家としての誇りを持っていたが、今はその誇りが無意味であることを理解していた。「私たちが手を取り合うことで、初めて新たな道を切り開けるかもしれない。私たちの王国を再建するためには、敵同士ではなく、協力者として立ち上がる必要がある。」
三人は互いに目を見交わし、長年の敵対関係を超えて、共通の目的に向かう決意を固めた。彼らは、戦争の終息を宣言し、和平のための条約を結ぶことを決めた。これにより、三つの王国は新たな時代の幕開けを迎えることとなった。