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15 街へ帰還!

「……きろ。お~い、もう着いたぞ?いい加減起きろ~!」


 ……誰かが私を呼ぶ声がする。

 眠い目をこすり体を起こすと見覚えのない男……いや、コイツは……輸送車で絡んできたり電磁砲を撃ってエレクトロワームを倒したコウジロだ。


「ふわあ……ギルドの人来たの?ってあれ?ここ輸送車の上じゃない。しかももう街についてるし……もしかして今までのは長い夢だったの?」


 もしかしたらこれも夢で本当は勇者に倒されてなかったりする?


「何寝ぼけてんだ?ギルド職員が来た後の後処理を全部俺が任された時点で特にお前はする事が無いと思ったから親切に輸送車まで運んでゆっくり休ませてやったんだぜ?」


「あ~、そうなの。お気遣い感謝するわ」


「良いって事よ、それよりマオウ、お前これからどっか行く予定あるのか?特にないなら良い所連れてってやるよ。中層区域のビルで美味しい飯が食えるから奢ってやりてえんだ。報酬を分配してくれたから、ちょっとした礼だな」


 どうやらコウジロは夜ご飯を奢ってくれるらしい。

 まぁ大分お腹空いたし美味しいご飯がただで食べれるという事なので付いていかない理由はない!


「じゃあぜひ奢ってもらおうかしら!」












 ───いや~!!めっちゃ美味しかったわね!!!

 コウジロの奢りで食べた中層区域と呼ばれる壁付近にあるビルと呼ばれるガラスが多く使われてる塔が立ち並ぶ場所で食べた食事は、転生前と合わせてもかなり上位の料理で、どれもこれもとても美味しかった。

 これが技術の進歩って訳ね~~!!!転生してから一番それを実感できたわぁ!!

 ちょっと注文して食いすぎたからコウジロは少し複雑そうな顔をしていたが「いや、今回の報酬の方が大分デカいと思うから気にしてねぇ!」と言っていたので多分大丈夫なのだろう。

 奢ってくれるって言ってたもの。いっぱい食べなきゃ損よね


 それよりさっさとギルドに行ってこの虎の腕換金してもらおうかしらね。

 そこそこのお金になったらDSLの代わりになる銃でも買おうかしら?どんな銃があるかミスズさんに聞きに行こ。






 ───結論から言うと、めっちゃ稼げた。

 どうやら前回少し売った旧文明の薬はかなり高位の物で何でも旧文明の技術の結晶というナノマシンとかいうので体を治す薬で、端的に言えば小さな機械が体を治してくれるらしいんだが……どうやら今の技術ではナノマシンは作れても体の中に役目を終えたナノマシンが残留してしまい、定期的に除去する必要があるらしい。


 後、買取によって開拓者ランクが14まで上がったらしい。

 ランクが上がると銃や弾薬等が相応に割り引かれたり色んな特典があるみたい。


 ちなみにお金は現金ではなくじょうほうたんまつ?とやらでこうざがうんぬんふりこんでかんぬんどうたらこうたら…………と長々と説明されたがいまいちよく分からなかったので全部頷いていたらいつの間にか謎の機械を受け取っていた……ミスズさんに色々聞きに行こう。


 ちなみに既に遺跡の発見やエレクトロワームの討伐報酬の分もこうざに入っており、虎の腕はどうやら鑑定結果が出たらこうざに振り込まれるらしい……そいで買い物は情報端末とやらで決済が簡単に出来るとかなんとか。みらいのぎじゅつすげー。











「───って事なんですよ~!それで奢ってもらった料理がおいしくって~!!」


 無邪気に話すこの金髪の少女、マオウを見ながらミスズは静かに息を吐いた。


(持ってる銃がDSLだけなのにナノサイコタイガー……しかも突然変異を倒して未知の遺跡を発見して他の開拓者がいたとはいえエレクトロワームまで討伐したですって……?今日一日でそんなに……す、凄まじいわね……)


ナノサイコタイガーと言えばクロクモ街遺跡の奥の方で見かけるナノマシンによる身体拡張実験体の失敗固体で気が狂っており周りの生物を見境なく襲う恐ろしい機械獣で、エレクトロワームは東の荒野を更に奥に進むと未開拓エリアが広がっておりそこから稀にこちらの方にやって来る事があるとても危険な機械獣なハズ。

どちらも普通の子供が戦ってほとんど無傷で帰ってこれるような機械獣ではない……確かに北部の人間であればそれ位出来てもおかしくないような噂ばかり耳にするが、目の前でどれだけ料理がおいしかったか熱弁している少女からは全くそんな気がしない。やはりこの少女は北で実験体にされこちらへ逃げてきた子なのだろう。


 おまけに情報端末の使い方等が分からないので教えて欲しいというから色々教えてあげた際につい目に入ってしまった口座にはなんと約三百万弱……この子、昨日ボロ布一枚纏って開拓者登録したばかりなのよね……?


 まぁお客様としてうちにお金を運んでくれるんだったら、別に何でも構わない。そう結論付け色々考えていると、そろそろ美味しい料理の説明が三順目に入りそうなので一旦話を止めて商売の話をしてみる事にする。


「……で、強化服と壊れた銃の代わりが欲しいんでしたっけ?」


「あ、はい。出来ればどんな銃があるかとか、色々教えていただけるとありがたいです」


「分かったわ、じゃあまずは───」






 ───色々お勧めしてもらって持っているお金と相談して悩んだ結果、銃を二挺と強化服を一着、それと必要になりそうなものをいくつか買う事にした。明日届くらしい。

 残ったお金でオススメの宿に泊まる事にした。「別にうちに泊ってもいいのよ?」とミスズさんに言われたが、ちょっとミスズさんの魅力に耐えられなさそうだったからやめておいた。


 何をどうやったらあんなに色気がふりまけるのだろうか……さては魅了魔法か!?

 冗談はさておき、オススメされた宿にそろそろつくなと思っていると誰かから話しかけられた。


「お?マオウじゃねえか!元気してたか?と言っても昨日ぶりか!ははは!しかし随分とボロボロだなぁ……お前さんは確かに強かったけど命は一つしかないんだからよ、あんま無理すんなよ?」


 誰かと思ったら最初に遺跡の中で出会った感染獣から襲われてるのを救った二人……のうちの片方ナカノが話しかけてきた。


「別に無理してないから大丈夫よ、心配してくれてありがモガー!?───」


「うわああ、可愛い!アナタが私達を助けてくれたマオウって子なのね!?思ったよりずいぶんと奇麗でかわいい顔してるじゃないの!是非うちに来ないかしら!?色々お礼してあげるわ!!」


 突然大分セクシーな見た目の強化服を着た女の方、ヨウコだったっけ?がまるでぬいぐるみを抱く子供のように私に抱き上げた。

 ……胸が、でかくて!!息が……!!


「……んぷあ!ハァハァ……いえ、今から宿に泊まる予定なので今日は遠慮しておきます」


 何とか無事に開放してもらった。


「え~、そう?じゃあ仕方ないわね……私はヨウコよ、ナカノから聞いたけど昨日助けてくれたんでしょう?気絶してたからお礼言いそびれちゃってたわね。ありがとうね!!今度美味しいご飯作ってあげる!ナカノが!」


「俺かよ!……まぁ飯作る位ならいいか。俺たちはこれから大きい用事があるから大分後になると思うが楽しみにしておいてくれ!」


 昨日の礼にご飯を作ってくれるらしい、どうやらナカノはいつか店を開くのが夢で結構な腕前と組織でも評判だと。

……何か命を助けてもらったら飯を奢るみたいな決まりでもあるのか?まあただで美味しいご飯が食えるなら別に良いけど。

 それはそれとして楽しみだと思い早速いつ作ってくれるのか聞いたら、明日から組織の用事で隣の都市に行くという事で、三日後位になるとの事なので約束をして別れ、無事に宿に付いた。


 宿は丁度空いており、宿泊を申し込み無事今日寝るところが決まった。

 ミスズさんのオススメ宿というだけあり設備も十分でベッドもふかふかだった。


 ……中々濃い一日だったが、色々と知識も増え大分この世界に順応出来てきたような気がする……このままお風呂入ったら寝そうだしシャワーだけ浴びてとっととねよ。

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