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13 荒野のエレクトロワーム退治 前編

 放電を終え、地面に潜ろうとするエレクトロワームに向かってコウジロが何かを投げつけて叫ぶ。


「お前ら!耳塞げ!」


 投げられた物体はエレクトロワームの頭に当たる寸前で凄まじい衝撃を放ちながら耳を(つんざ)く轟音が鳴り響く。

 頭部付近でそれを聞いたからか、大きくエレクトロワームが仰けぞりチャンスと言わんばかりにコウジロや他の開拓者が一斉に射撃を開始した。

 勿論彼らの放った弾は先ほどの大きな光を放ち強力な電磁波によって無効化する電磁障壁(フォースフィールド)とやらによって弾かれてるが、それでもたまに電磁障壁を突破してエレクトロワームに嫌がらせ程度ダメージを与えているように見えた。


 一度は地面に潜ろうとしたエレクトロワームだったが流石にほぼ無効化するとはいえ鬱陶しいと思ったのか、潜るのをやめ口?にバチバチと電気を貯めている。

 ……どうやら竜のように口から何かを放つようだ。


 流石に竜のブレスほど強力とは思えないが流石にこんな何もない場所でブレスを喰らえば全滅間違いなしなので、まだ銃を無効化する光は弱まっていないが闘気を込めた銃弾を撃つ。


 今までよりも大きな光を放つが、無効化まではいかずにエレクトロワームの顔に銃弾が当たる。

 銃弾が当たって少しよろけたエレクトロワームが、こちらにブレスというにはあまりにも集束された光の玉を放った。


「何とか間一髪避けきれたわ……」


 エレクトロワームの口から放たれる光の玉が当たった地面は灰になっていた。

 何て恐ろしい火力なの……避けられたから良かったけど当たっていたらと思うとぞっとするわね……


「おい!無事か!?」


 後ろの方からコウジロの声がする。

 直前でこっちに狙いを変えたおかげでコウジロ達は無事だったようだ。


「よくあのビームを避けれたな……しかし、やはりあの電磁障壁が厄介だな……まぁでもこのまま打ち続ければそのうちあの電磁障壁も剝がれるか?」


 確かに私が闘気を込めた銃弾を撃った後のあいつのふぉーすふぃるど、明らかに光が小さくなってるしこのまま戦えばそのうち倒せるかもしれないわね。

 ただ、一つ懸念がある。

 厳密には今出来たと言っていいかもしれない。


「……実はこの拳銃結構酷使しちゃって限界が近いのよね。後二発撃てるかどうか……コウジロ、あなた何でもいいから何か武器になりそうなもの持ってないかしら?」


「う~ん、あるにはあるが……間違いなくDSL程の火力も出ねえし使ってる特殊弾も使えないと思うぜ?」


「別に弾が打てれば何でもいいわよ」


「何か策があるんだな?そういう事なら……このデマッシャー製の拳銃DHCA(ディハーシア)をやるよ。DSLには劣るがそれでもそこそこの威力がある」


 弾さえ打てれば闘気を纏わせてそれなりにダメージを与えられると思うのでありがたく使わせてもらう事にする。


「それにしても、本当にこれ勝算あるのか?もう既にアイツに敵認定されてるだろうから今から逃げるのは無理だろうし……はぁ、他の連中に何か指示する事とかはあるか?」


「特にないわね、出来れば地面に潜らせると対処が大変だから……って思ってたら潜っちゃったわね」


 話をしている間に、エレクトロワームは地面に潜っていってしまった。

 早速渡された拳銃を奴に試し打ちしてみた。

 闘気を纏わせていないのもあるがこのでぃはーしあ?とかいう拳銃は今まで使っていたでーえすえる?と比べて大分反動が小さい。

 勿論奴の電磁障壁を破る事は出来ずに弾は消滅していた。


「このまま見逃してくれたらいいんだけど……まぁそんなはずないわよねッ!」


「嬢ちゃん!気をつけろ!」


 地面の中へ潜ったエレクトロワームが足元から出てくる。

 間一髪の所で回避し闘気で強化して銃弾を放つ、この貰った拳銃は反動が軽めで一度に複数の弾を連射できた。

 パパパン!と発射されたされた銃弾は電磁障壁(フォースフィールド)を貫通はしたが、当たり所が悪く弾かれてしまった。



「───うーん、これじゃ攻撃できないわね」


 何度も地面から飛び出しては潜ってを繰り返しているせいで中々攻撃タイミングが無いし辺りの地面も穴だらけでボコボコだ。


「ねえ、さっきの大きな音がするやつもう無いの?」


「悪いがあれは今回一つしか持ってきてない念の為のとっておきだ。もう無い」


 結構な距離でも中々の威力と音がしたし相応に高かったのだろう。

 しかしさっきまでは飛び出しては潜ってを繰り返していたが、何故か急に一切動きが無くなった。

 地面の下は探知能力が効きづらいのよね……と思っていたら大きな違和感と共に全身がブワッと何かを感じ取る。


「全員この穴の周りから逃げ───!!」


 コウジロ言った時には既に遅く、穴から、いや地面全体から放電が漏れ始め、周り一帯を崩壊させながら雷が荒れ狂った。

 崩壊した地面は下へ下へ、落ちていく……地下の大きな空洞のようなしかし人工的に作られた巨大な地下の空間へ落ちていく。


「───ッ!……まさかさっきの行動はここら一帯纏めて落とす為だったの!?」


 闘気を纏っているとはいえこの高度から落ちると流石にまずい。

 痺れてうまく受け身が取れずに派手に床に体を打ち付けてしまった。


「ぐ、かはっ……ハァ……なんだここは……!?まさかこんなでかい地下遺跡が埋まってたなんて、こんな状況じゃなけりゃ飛び跳ねて喜ぶ所なんだがなッ!」


 コウジロは何とか無事らしく声を荒げたが、他の連中はどうやら皆同様に痺れたままうまく受け身を取れず何人かは運よく足等を犠牲にし生き残れてはいたがほとんど潰れていた……

 どうやらここも何かの遺跡らしい。周りを見渡すと大きな壁に扉とその手前に砦でよく見かけた大きなバリスタのような……しかしバリスタではなく弾が無い三本の大きな棒が付いた謎の装置が見える。


「アレは!……嬢ちゃん、もしかしたらあのエレクトロワーム倒せるかもしれねぇ……少し時間稼げるか?」


「さっきからやたらと私の方ばっか狙ってきてるみたいだし、頑張れば10分位耐えてみせるわ」


 それ以上は魔力が持たないかもしれない。


「へへっ頼もしいな……あのタイプの電磁砲は初めて見たが恐らくかなり古い型だからセキュリティも甘いはず……使えたら奴に致命傷を与える事が出来そうだ!」


 どうやらあそこに見えるバリスタもどきはかなりの威力を持つ兵器のようだ。

 電磁砲と呼んだ兵器の元へコウジロと数人が走っていく。


 ……もちろん私は時間稼ぎ程度で終わらせる訳は無い……よしよし、うまく扱えそうだ。

 でも少し魔力消費量が多いな……後はうまく奴の弱点が探れればいいんだけど……

 放電の時に見えた針が立ち上がった所の根本の青く光っていた部分、あそこは恐らく発電するための器官だろう……びいむを撃っていた時も装甲の溝が青く光ってたし、うまく当てれれば暴発する可能性がある。


「どちらにせよ、ここに落としたのは失敗だったわね?明らかに地面が硬くて潜れそうにないじゃないの。これなら別に時間稼ぎする必要も無さそ……うわぁ意外と地上で動くのも早い!?」


 蛇のように体をくねらせながら地面を揺らしてこちらへエレクトロワームが向かってきた。

 てっきり潜らないと移動できないと思ってたけど全然地上でも動けるのね!?

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