1_5親父さんは逝ってしまいました
あちこち血がついてたり、調度品が壊れてたり、お抱えの闇医者が走り回ってたりと後始末が大変そうだけど、とりあえず見なかったことにして親父の気が変わらないうちに予定を早めて話しをつけとくことにした。
「命がいくつあっても足りないんで予定通り婚約解消したまま自由で良いですか?」
「その前にお前の格好は最近の流行りか?」
そういやサングラスに右が破れた長袖に手袋、ちょっとした不審者だ。
「たまに潜入で使う小道具ですよ特徴覚えられなきゃちょっと服や髪型変えるだけでつぶしが効きますから、ほらさっきまで三千院のお嬢さんがヤンチャしてたでしょ?」
「ありゃ化物だな。ちょっと前までは普通だと思ってたけど猫被ってたかもな。」
「家を抜けなかったらゴリラと結婚させられてたと思うと恐ろしいです」
「ところで抜けた後はどうすんだ?ここの家は看板掲げてるからここで生活してたら組のもんだと思われるぞ」
「とりあえず大学の寮にでも住む予定です、寮の契約書の保証人のサインだけお願いします。」
そう言いながら用意してたパンフレットと、契約書類を出す。
あんな化物がまたカチコミしてくるかもしれん場所はさっさと引っ越すに限る。
怪我人を大量に出し、一時的に藤夕組が弱体化している事を野心を持つ他の組が知れば抗争が起きるかもしれないが、家の恥となる出来事を三千院家はわざわざ表には出さないだろう。このまましばらく構成員が回復するまで大人しくしてれば特に問題はないだろう
そんな事を思ってた時期がありました。
数日後。。。
「ボス、儀式の間がダンジョンで行けなくなりました。」
それを聞いた親父は魂が抜けたようになにやらぶつぶつ呟きながら白眼むいていた。(南無)
兄弟の誰かが継いでくれると油断してたけど成人の儀式弟達が受けられないなら戻されたりしないよな?
とはいえ(厨二ルックだけど)目立ちたくない俺は今注目を集めるダンジョンに行くのはあまり気乗りしない。
そういうのは他の英雄願望のある人にお任せしよう。
とりあえずせっかく自由になったんだから
とはいえ神託で世界規模のピンチが少しずつ迫ってるらしいので何かあってからでも手札と情報が入るように仲間探しだけはしとこうと思う。
一番探しやすいのは黒服やら入れ墨入れてるいかにもな奴らだが、むさ苦しい奴らよりも可愛いコスプレさんや眼帯さん達から探そうと思った俺はきっと悪くないと思う。