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第11話 ラップバトル1 ―機材展開―

 バトルセンター2号館。


 バトルルーム13番室。


 試験以来の来訪。真っ白な空間で玄咲とアルルは相対する。シャルナは部屋の隅でクロウからもらったお菓子をつまんでいる。ポリポリしたチョコスナック棒を齧っている。今は試験中ではないので部外者の立ち入りに制限はない。


 玄咲のカードケースにはカードショップで補充したカードが10枚ほど入っている。アルル相手に有効だと判断したカードばかりだ。ただ、いずれも安物。《《用》》が足せればそれでいい――そんな意図で選んだカード達だった。もちろんそのチョイスはアルルには伏せてある。


「じゃ、早速やろっか! 武装解放アムドライブ――」


 アルルがカードケースから1枚のカードを取り出し、勢いよく叫ぶ。


携帯楽団ポケット・セットビビッド・ビート!」


 カードが光り、アルルの手に取っ手付きのラジオカセットに酷似したADが展開された。アルルはそれを床に置いてさらにカードケースから1枚のカードを取り出す。シャルナが少し大きめの声で玄咲に問うてくる。玄咲も大声で言い返す。


「あれ、使わないの?」


「あのADはバトル用じゃない。バトル・ビート用なんだ」


「?? どういう意味?」


「あれは携帯化するためにADにしたただの音響機器。ママに作って貰ったんだ。安かったよ。100万マニーくらいかな」


「ひゃく、まっ……!?」


「にしても君、よく知ってたね。まぁ、公の場で使わない訳じゃないし、サイファーで使ってる所を見たのかな?」


「そんな感じだ」


 玄咲は適当に嘘をついた。


「ふーん、ま、いいや。じゃ、今度こそ本当にバトル用のADを展開するよ」


 アルルはカードをホームランバッタ―よろしく天井に向けて詠唱した。


「武装解放――天歌刻韻ライムドライブライブ・マイク!」


 アルルの手に金色のマイクが顕現した。


 金一色。ともすれば下品に落ちそうな色遣い。しかし、センスのいいデザインが、豪奢な意匠が、何よりそれを持つアルルのオーラがゴールデンマイクを品を落とさず輝かせていた。サンダージョーが持ったらナックルと同じくらい気持ち悪く見えただろうなと玄咲は思った。


「さぁ、続けて――武装解放! シンプル・マイク!」


 アルルがさらにカードケースから1枚のカードを取り出し武装解放する。一般人なら所持しているだけで凄いと言われる程高価な武装解放機能搭載型ADを、戦闘用以外の用途でアルルは何枚も所持している。


(流石金持ち。嫌味すら置き去りにする金の使い方だ……)


「そりゃ」


「む」


 パシ。


 玄咲は投げ渡されたシンプル・マイクを受け取った。スピーカーいらずの音響AD。黒いマイク。それをじっと見つめて、アルルに尋ねる。


「やっぱり、こっちもやるのか?」


「うん! 本当君、なんか僕に詳しいね。もしかして僕のファン?」


「……まぁ、その表現も間違ってないかな」


「そうなの? えへへ。嬉しいなぁ。じゃあ、ファンサービスも兼ねて、本気でやらせてもらうね!」


 アルルはライブ・マイクを玄咲に向けて宣言した。



「カードバトルの前哨戦に、まずはラップバトルだ!」



「……なんで?」


 部屋の隅でシャルナが首を傾げた。

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