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稲穂ゆれる空の向こうに  作者: 塵芥
邂逅_かいこう_
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プロローグ


紺碧(こんぺき)に晴れ渡る空が次第に黄昏(たそがれ)を帯び、うっすらと(うろこ)(くも)を漂わせはじめると・・・・


真っ赤に燃える夕陽に照らされて、空は茜色に染まる。

金色(こんじき)の稲穂が(こうべ)を垂れ、風そよぐたびにさわさわと揺れて、小波(さざなみ)のように波紋して大きなうねりを見せてくれる。


赤とんぼが空に飛びかい乱舞している。


稜線を織り成す里山を背に、懐かしくも美しい日本の原風景が広がっていた。


僕の記憶に残る水彩画のような想い出。


よくは覚えていないけど、何故だか不思議なくらいに、あの光景が瞼に焼きついている。

昔話に出てくるような、温かで、ほんわりとした想い出。


僕の傍らにいたのは、お父さんとお母さんとおばあちゃん。

あの日の僕は何歳だったのだろう?

多分・・・三歳前後だろうか。

他には誰か居たのかな?


覚えていない。


覚えているのは、とても満たされていたということ。

悲しくもないのに目頭が熱くなり、泣き出したいくらいに胸がキュンと苦しいのに、それでいて心地よくて優しくて・・・・


自然の懐に抱かれ、目には見えない何かに(まも)られているような、そんな夢心地の中に微睡(まどろ)んでいた。


蒼い空が茜色に染まる自然の美しさに、小さかった僕は、ただただ素直に感動していたんだ。


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