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2話


 俺は学校を後にして、学校の最寄り駅と俺の家の最寄り駅のちょうど中間にあるショッピングモールに訪れていた。


 普通のカレーの材料を買うだけなら家の近くのスーパーでいいが、今日は時間もあるし少し凝ったものを作ろううと思う。

 

 基本的なスパイスは家にもストックしているが、俺ほしいのは少しマニアックな奴だ。普通のスーパーだとどうしても売っていない。だから、専門店のはいっいているここにやってきた。


 今日は平日だが同じ高校生だったり、お昼時ということでサラリーマンもそこそこいて人は休日ほどではないがにぎやかだ。


 早速、買い物をと言いたいところだが、今の時刻はあと少しで午後十二時だ。流石に買い物をする前に何か食べて腹ごしらえをしておきたい。

 

 俺は飲食店が揃っている階に向かった。


 俺はショートカットとして中央にある広場を歩いていると、前を歩く人達が何かを避けるように歩いているのに気が付いた。

 

 俺は何があったのか気になって、他の人と同じようによけずにそちらに歩いて行った。近づいて行くと男女そ姿が目に入った。


 女性一人に対して男性側は三人もいるこれは確実にナンパだと思われる。避けて歩くのも納得だ。誰だって好き好んで関わりたいとは普通思わないはずだから。


 俺も正直関わりたくないと思ってそのまま歩き出そうとすると、男三人が邪魔で良く見えていなかった女性の姿が見えて俺の足は止まってしまった。

 

 なぜなら、そのナンパされている女性が七瀬 心愛だったからだ。制服を着ているし、女性と言うには幼い顔つきだ。なんで気づかなかったんだろう。


 ここで無視して去るのは、気持ち的に耐えられないものがある。七瀬とは普段関わりがあるわけではないが、クラスメイトがあんな目にあっていて助けないのは人としてどうかと思う。


 俺は暴力沙汰は嫌だなと思いながらそちらに足を向けた。と言っても七瀬が居るのは俺の反対側だから回り込まないといけなかったけど。


「すいません。人の彼女に何か用ですか」


 七瀬には悪いが彼氏のふりをして話しかけた。彼氏彼女の関係ぐらいじゃないと離れたないような気がしたからだ。あきらめてくれない様な気もするけど。


「あ!なんだお前は」


 見るからに柄の悪そうな男三人組。遠目ではわからなかっただ近くで見ると同じ高校生の様だった。勿論、制服を着ている訳ではないし、派手な服装をしている。


「何ってこの人の彼氏ですが、早く彼女から離れてください」


 俺は七瀬を守るように間に入って説得を試みるが多分ためだ。誰が見てもどんどん怒りが増しているように見える。


「この野郎!なめてんじゃねーぞ」

「なめてなんかないですよ。それよりも早くどこかに行ってくれませんか迷惑なんですけど」


 俺が少し挑発気味に言うと我慢の限界が来たのか、俺に殴りかかってきた。見るからに強そうな感じだったが実際はそこまででもないようだ。大振りで隙だらけのパンチ。

 

 俺は難無くそのパンチを受け止めて、そのまま関節技を決める。父さんから基本的には沙夜を守るためだが護身術を叩き込まれてて助かった。


 相手が喧嘩が強かったら七瀬をも守りながら戦うのは大変だったから本当にそこまで強くなくて助かった。

 

「まだやりますか?俺的にはこれ以上問題にしたくないんですけど」

「くそっ!‥‥‥わかった諦める。だからそいつを放してくれ」

 

 そうリーダーであろう男はそう言った。今俺がお差つけている奴よりは明らかに強いだろし賢そうだ。

 

「わかりました」


 俺は押さえつけていた力を緩め男を解放する。


「二度と彼女に絡まないでくださいね」

「クッソ!覚えてろよ」


 悪役じみた言葉を吐いて男達は去っていった。ここで去ってくれなかった本気でどうしようか悩んでいたがそうならなくて良かった。そうなったら確実に三人は病院送りになる気がするけど。

 

 男達が完全にいなくなると周りにいる人たちは俺に称賛の言葉をくれた。誰かが警察をすでに呼んでいたらしくその中に警察官の姿もある。


 事情を聴きたいようだったが、七瀬は俺の背中にしがみついて震えていたとても話せるようすではなかった。俺は学校名と自分の名前を教えて事情を話すのはまた後日と言うことですぐに開放してもらった。


 それからどうしようかと考えてがいまだに震えている七瀬を置き去りにする気持ちもわかず、落ち着かせるためにも人の少ないところへ聞くことにした。


「七瀬、大丈夫だったか」


 広場の端にあるベンチに腰を掛けてできるだけ優しい口調で七瀬に話しかけた。


「もう大丈夫‥‥‥真田君だよね、助けてくれてありがとう」

「別にクラスメイトが困ってたら助けるのは当然だから」


 俺がそう言うと驚いらような表情を向けられて俺は困惑した。何か変なことでも言っただろうか。


「俺、変な事でもしたかな?」

「あっごめん、違うの。ただ私を変な目で見ないんだなって思っただけ」


 七瀬の話を聞くと、いつも絡んでくる男子生徒は視線や態度が下心丸出しで嫌気さしていたらしい。対して俺は全くそんな素振りが無かったから驚いたらしい。確かに、七瀬とかかわっているほとんどの男子生徒は下心丸出しだからそう思われてもしょうがないかもしれない。


「人気者も案外大変なんだな」

「気遣いありがとう。もうとっくに慣れちゃったけどね」


 そう笑いながら七瀬は、早速よりは落ち着いたようだった。落ち着いた所で俺は気になっていた質問をしてみることにした。


「七瀬はここに何しに来たんだ」


 俺がそう聞くと七瀬はハッとした様子で考え込むような仕草をした。それだけの事だが美少女がするととても絵になる。俺は見とれそうになるのを必死にこらえた。


「真田君はもうお昼は食べたの」

「まだだけどそれがそうかした」

「その、助けてくれたお礼にお昼を一緒にどうかな」


 そう上目遣いで言われては七瀬に興味がないと言っても断るのは難しいぐらいの破壊力だった。七瀬に食事に誘われてこの上目遣い、取り巻きの男子達からしたら嬉しすぎて気絶するやつとかいそうだな。

 

「俺で良ければいいよ」

「ありがとう」


 そう笑顔で笑いかけてくる。沙夜のおかげ美少女にある程度耐性のある俺だから何とも思わないものの普通だったら惚れてしまうであろうそんな笑顔だった。美人って恐ろしい。

 

 それから、七瀬の案内で移動を始めた。数分間歩いただけでかなりの視線を感じた。すれ違う人は絶対に一瞬顔を向けるし、遠目で見ている人も結構いる。

 

 別に慣れているから問題ないんだけど。涼や沙夜と一緒に歩いているといつもこんな感じで視線を向けられるから正直、慣れ切っている。

 

 涼や沙夜と歩いている時もいつも思っているが容姿がいいって結構大変なんだよな。


 俺が隣を歩いているにも関わらず七瀬に話しかけようとしている奴がいたから、こっちに話しかけようとしたタイミングで俺が話を振って全て潰してやった。悔しそう去っていく姿はなかなか面白かった。


 そして、俺が連れてこられたのはパスタをメインで出すレストランだつた。俺も何回か来たことがある。最近は外食をしないから行っていないがかなり美味しかった記憶がある。

 

 店内に入ると席に案内されるわけだが、店員はどうもたどたどしかった。


 ちなみに涼や沙夜も同じような感じである。だから、俺もこの光景というか反応には慣れ切っている。七瀬も当然だが表情を崩してはいないがしいて言うなまたかみたいな雰囲気はあった。


 席に着いて注文をしてからはお互いに無言で時間が流れて行った。気まずいという雰囲気ではなかったのだが、話す話題が無かったと言ったらいいかもしれない。なんせお互いにまともに話をするのは今日が初めてなのだら会話の内容も限られてくる。


 それに、さっき結構話しちゃったからなどうしよう。

 俺がどうしようか考えていると料理が運ばれてきた。普通に助かる。


「それじゃあ、食べるか」

「うん。いただきます」

「いただきます」


 七瀬に続いて俺も手を合わせて挨拶をして食べ始めた。


 

 


 

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