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24話

今回から二章です。

引き続きよろしくお願いいたします。


 十月の中頃、俺達学生にとって嫌な時期がやって来た。

 それは、もちろん中間テストだ。

 今日から始める一週間のテスト期間の後に、テスト本番が三日間ある。


 まさに、地獄の一週間と言ってもいいんじゃないだろうか。


 俺も中学の時からずっと定期テストはそこまで好きじゃなかった。

 だが今回は今までの中で、一番やりやすいテストになる気がしている。

 

 理由は簡単だ。テストがあと一週間となったところで、集まってテスト勉強をすることになったのだがそのメンバーが凄すぎる。


 全員が集まると十人で、その中の五人が定期テストで十以内に入ってるのだ。


 前回のテストで学年二百人中、一位の七瀬に二位の雛野、五位の浅海、七位の涼、九位の高島。

 それに、前回二十三位の俺に、調理実習がきっかけで仲良くなった右京、もとい駿矢は百二十位。

 あと、林さんと吉川さんがそれぞれ三十八位と七十一位だ。勿論、菜月もいる。菜月は六十位ぐらいだったはずだ。


 七瀬と関わるようになって俺の周りに人が増えた気がする。

 と、どうでもいい話は置いといてこの十人で放課後に図書館で勉強することになった。


 と言うわけで、俺達は今図書館に居るのだが周りからの視線が凄い。


 学校でもトップクラスの美少女が五人揃っていて、ついでに学校一のイケメンと言われている涼まで一緒に居るのだ。

 目立たない訳がないのだが、最近は一緒に居ても向けられる視線は減ってきていたから大丈夫だと思っていたのにこのざまだ。


 流石にここまで見られると勉強がやりにくい。


「見られると中々落ち着かないな」

「そうですね。みなさん明日から家にきて勉強しますか。そうすれば周りの目は気にする必要ないと思いますし」


 雛野の提案に全員が同意をしました。

 誰もこの環境の中で勉強したいとはやっぱり思っていなかった。


 だが、今日だけはと言うことで周りからの視線に耐えながらの勉強会となった。


「折角、十位以内に五人も入っている人が居るんだから、それ以外のぼく達が一対一で教えてもらうのはどうかな」

「あっ、俺も賛成」


 菜月の提案にすぐさま駿矢が反応する。

 続いて林さんと吉川さんの同意を示す。

 もちろん、俺もそれの意見に賛成だ。


 学年でもトップの成績を誇る人達に教えてもらえるのなら、教えてもらいたい。

 まぁ、涼は役に立たない様な気しかしていない。常人とは頭のつくりから違うから誰も説明を理解できないのだ。

 だから、中学の時から勉強を涼に教わったことはなのだが、果たして大丈夫なのだろうか。


 そんな俺の心配をよそに涼は教える側になった。別に教えるのは菜月になるのはほとんど確定だから俺に害はないだろう。


「誰が誰を教えるのか、早く決めない?」

「確かに、亜希の言う通りだわ。早く決めましょ」


 高島と浅海の言葉で、どういう組になるのか決めることになった。

 

「それなら、ボクは諒くんと組むよ!」


 俺の予想通り、菜月は強引に涼とペアを組んだ。全員が菜月と涼とバカップルぶりを知っているから誰も拒否することなく決まった。


 残りの四ペアは、成績を考慮して決めることになった。


「あっでも、心愛は真田さんを教えるのがいいと思いますよ」

「えっ?」


 雛野の言葉に俺達教えられる側は驚いているが、浅海達は誰も驚いていない。


「それはそうね。心愛、教えるのはあまり上手じゃなかったわね」


 どうやら、七瀬は涼ほどではないが、教えることがそこまでうまいというわけではないらしい。


「えーと、俺は大丈夫なのか」

「はい。心愛の教え方は基本ができていればわかるので、真田さんほどの成績なら大丈夫だと思います」


 心配はいらないらしいが、最後の思うが少し引っかかる。本当に大丈夫なのだろうか。

 だけど、俺以外は成績的に理解できないらしいからしょうがない。


「それじゃあ、よろしく。七瀬」

「私の方こそよろしくね。上手に教えられるように頑張るから!」


 言動から七瀬が張り切っていることがわかる。

 最近、七瀬は意外と天然だと知った分、その張り切った分が空回りしないか少し心配ではある。


 その他は、次に順位の高い雛野が一番下の右京を教える。次の浅海が吉川さんで、高島が林さんを教えることになった。


 ペアが決まったところで、それぞれ自分達の勉強を始めた。

 基本的には一人で進めて、分からないところがあったら自分のペアに聞いて教えてもらうみたいな感じだ。


 初めは周りからの視線で気が散ったが、進むにつれてだんだん気にならなくなってきた。


「七瀬、解き方がわからなくて教えてもらってもいいか」

「うん。いいよ。どこが分からないの」

「ここなんだが‥‥‥」


 そう言って俺は数学の問題を指さす。


「ここはね、こっちの公式を使えば解けると思うよ」

「ありがとう、助かる」

「また、分からなかったら聞いてね」


 俺が思っていたよりもずっと七瀬の教え方はわかりやすくて、俺の勉強はかなりはかどっている。そもそも、涼と同じと思ってしまったのが間違いだった。


 俺は自分の分で限界なのに、七瀬は自分の勉強をしながらも俺の方を気にしてくれているのだから本当にすごいと思う。流石は学年一位だ。


 俺達は休憩を間に挟むことなく約二時間、ひたすら勉強した。

 時間なんか忘れて没頭したため、最終下校のチャイムでやっと我に返った。 

 それぐらい、集中できて、充実した時間だった。

 今回は、前のテストよりもいい点数が取れるような気しかしていない。


 俺は、今までに味わったことのない様な手ごたえを感じいる。

 他の教えてもらった側である駿矢達も同じ気持ちではないのだろうか。


 荷物を片付けて、俺達は一緒に下駄箱絵へと向かっている。


 何故か、さっき一緒に勉強していた人同士が特に一緒に歩いているが気にしないでおこう。


「すげぇわかりやすかった。サンキューな」

「いえ、私も教え買いがあって楽しかったです。明日からもお願いします、右京さん」

 

 前からそんな楽しそうなトーンの会話が聞こえてくる。

 いつの間にか右京と雛野はかなり仲良くなっているようだ。


 雛野は他人との間に少し壁を作るような感じがあったから右京と仲良くなっていることに驚いた。


 まぁ、誰にでも気さくに話しかける右京だから、できることかもしれない。あるいは、沙夜と七瀬みたいに二人の相性が良かったのかもしれない。


「彩月と右京君仲いいね。少し意外かも」


 どうやら、七瀬も前を歩く二人の事を見ていたらしい。前に居るのだから当然か。


「確かに、意外な組み合わせだよな」


 俺と七瀬は下駄箱に着くまでずっと、楽しそうに話をしている駿矢と雛野の事を後ろから眺めていた。


 後の六人は、俺と七瀬のさらに後ろを歩いている。

 何やら楽しそうな声は聞こえてきたが、何を話していたのかはわからなかった。


「後ろも楽しそうだね」

「ん、あぁ。そう言われると賑やかだな。なんか楽しい事でもあったんじゃないのか」

「そうかもね。でも前の方が面白そうじゃない!」

「それもそうだな」


 特に興味もわかず話の内容を知ろうとは思わなかった。


 校門で解散をした俺達は同じ方向に帰る涼と菜月を含めた四人で帰路に付いた。


 帰っている間、菜月が面白そうな表情で見てきたが何かあったのだろうか。特にこれと言ったことは無いはずだが。

 

 話しかけてもニヤニヤするだけで、何も答えてくれないし、涼に聞いても困ったように笑うだけだ。


 俺と同じで七瀬もよくわかっていないらしく、不思議そうな表情をしている。


 駅で別れるまで、涼といちゃつくことも無くずっとニヤニヤしていた。

 その後、電車の中で涼に聞いてみたが全てあいまいな返事で返された。


「一体、何だったんだろうな?」

「うん、気になるね」


 涼と別れて、自分達の住むマンションまで歩きながらそんなことを話していた。

 

 お互いに心当たりがないだけに、余計に不思議な気持ちだった。


「でも、取り合えず今はテスト勉強頑張ろう!」

「それもそうだな。テストが終わってから改めて聞いても遅くはないか」


 とりあえず、さっきの一件はとりあえず保留にして勉強に集中することに決めた。無駄に変なことに頭がいって勉強に集中できなかったら元も子もない。


「改めて、これから一週間よろしくね。真田君」

「こちらこそ、よろしく」

「真田君の成績アップのために一緒に頑張ろうね」

「あぁ、頼りにしてる」


 そう言って俺達は分かれてお互いに自分の家へと帰った。


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