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32.彩人は誰にも……


理香は俺の袖を引っ張りながら新しい教室へと向かう。

自分でも歩けるし恥ずかしいので「離して」と言ったが、理香は小声で『やったぁ……!同じクラスだぁ!』と呟き俺の声なんて聞こえていなかった。


そんな理香についていくと、急に理香が立ち止まった。

どうやら、新しい教室に着いたみたいだ。


「彩人、新しい教室ってここだよね?」


「うん、確かここだったはず……」


「そ、それじゃあ、開けるよ!」


「う、うん」


新クラスが楽しみなようで、理香は期待に満ちた表情で教室のドアを開ける。

開けてからすぐ、理香は「あっ!沙希ちゃんだぁ!」と言って走り出してしまった。


「わ~、沙希ちゃん!同じクラスなんだね!」


「うん、同じクラスなんて久しぶりだよね……って、何であんたそんなにテンション高いの!?」


理香は嬉しそうにその『沙希ちゃん?』という人に抱き着いた。

『沙希ちゃん?』は理香のハイテンションについていけないようで、驚いていた。


新クラスで理香の友達ということは、いつか関わる事になるのだろうと思い軽く挨拶をしに行く。


「えっと……初めまして、雨宮彩人って言います」


「……えっ、君があの彩人くん?」


自己紹介をしただけなのに、何故かめちゃくちゃ驚かれた。

えっ、もしかして、有名な不良生徒とかで一躍有名になってるの?


俺が一人で考え事をしていると、理香は嬉しそうに俺の顔を見てきた。


「あのね、この子は高峰 沙希ちゃん!私の中学校の時からの友達だよ!」


そう言われて、昔理香が俺と同じクラスに一回だけなれなかったときに「新しい友達ができたんだ!」と嬉しそうに俺に報告してきたのを思い出した。


あっ、多分だけどその時の新しい友達がこの高峰さん?なのかな……?


「あっ、今言われちゃったけど私は高峰沙希ね、よろしく」


「……うん、よろしく」


俺が返事をすると、高峰さんは「へぇ~この人が……」と言って俺の顔をジッと見てきた。


「よく理香から聞いてたけど君が彩人くんなんだね……へぇ~」


「えっ、理香から?」


理香が俺の事を他の人に話すなんて思いもしなかったので、驚いて理香の方を見ると理香は恥ずかしそうに顔を赤くしていた。


「うぅ~~~!!沙希ちゃん!」


理香は、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして高峰さんの名前を呼んだ。


理香のこの反応からして、本当に俺の事を言っていたのだろう。

えっ、内容が滅茶苦茶気になるんだけど……

何を話したんだ?もしかして、俺に対しての愚痴とか……?

いや、まさかそんなわけ……じゃあ、何を言ったんだ?


俺が、ネガティブに色々考えていると高峰さんは面白そうにクスッと笑った。


「理香がなんて言ってたか知りたい?」


「うん、知りたい」


気になったので素直に答えると、高峰さんは理香の方を見てニヤけた。


「沙希ちゃん、絶対言っちゃダメ!」


「え~、言いたいなぁ……」


「ダメなものはダメ!」


「も~、分かったよ~」


どうやら、教えてはくれないみたいだ。

本当に、俺のことについて理香は何と言っていたのだろうか……


まぁ、本人が言わないでって顔を真っ赤にして言ってるし、よく考えなくても理香は人の悪口とか言わない性格だから理香の事を信じてこれ以上聞くのはやめようかな。


軽い挨拶も終わったので、自分の席が書かれている紙の置いてある教卓前に行こうとすると、高峰さんが俺に話しかけてきた。


「理香から色々聞いてたけど、君って想像以上にイケメンさんなんだね」


お世辞でもそんな事言われたことがないので、高峰さんを二度見した。


「えっ、俺が……?」


人違いなのではと思ったが、今の会話の流れで急に他の人が出てくるとは思えないので多分、俺の事なんだろう……


「うん、理香にその彩人って人はどんな顔なの?って何度か聞いたんだけど、理香が彩人は誰にも渡したくなんんんんん!」


あと少しの所で顔をさらに真っ赤にした理香が高峰さんの口を塞いで聞けなかった。

残念に思っていると、理香が恥ずかしそうにしながらも鋭い目つきで俺の事を見てきた。


「き、きききき聞こえてないよね!?」


聞こえてたらよかったんだけど、あんまり聞こえてなかったんだよな……


「うん、誰にも……の所からはあんまりうまく聞こえなかったよ」


俺が正直に答えると、理香は安心したのか「はぁ……」と安堵にも近いため息を吐いた。


「ふぅ……危なかった……」


そんな理香を見て、高峰さんは面白そうに笑っていた。


「理香ごめんね、もうからかわないし言わないから!」


「約束だよ!?絶対に言わないでね!」


理香が真っ赤な顔のまま高峰さんに言う。


「うん、約束ね」


高峰さんは素直に返事はするものの、理香の反応を面白がって「あははっ」と笑っていた。

それに対して理香は頬を膨らませた。


「もう!絶対だからね!?」


そんな会話を聞いていると、そろそろ席に着かなければいけない時間になったので高峰さんの席から離れて教卓前に行く。


何となくだけど、今年も高校生活を楽しめそうな気がした。


まさかの二日連続投稿!

自分でもこんなにポイント評価していただけると思っていなかったので、嬉しすぎて書いちゃいました!


ポイント評価してくださった方!ありがとうございます!


因みに、高峰さんはヒロインでもサブヒロインでもないので安心?してください。理香の友達です。


最後に、よろしければ、ブックマークとポイント評価をよろしくお願いします。

今日みたいにモチベーションが上がるので!

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