表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/34

26.恋する気持ちに、気付いてしまった。

1話と2話の内容を結構変えて26話を書いたので、再度1話と2話を読んでから26話を読んでくださると嬉しいです。


迷惑かけてすみません。


多分、1話と2話を読まずに26話を読むと内容がごっちゃになって理解できなくなると思います。


俺は彩人の隣にいつもいるあの子を、最初はただの友達だと思っていた。

姉に散々な目にあわされ続けてきた俺は、小学生の頃から女性が苦手になっていた。


そんな俺は、今まで恋をしたことがなかった。


女性なんて、みんな姉みたいに面倒な生き物だと思っていたから。

だから俺は、気づけなかったんだ。この気持ちに……


***


今通っている高校を志望校に決めた理由は、彩人の志望校だったからだ。

そして俺は、塾で一生懸命勉強をし志望校に合格した。


その頃には、理香とも自然に話せるようになっていた。

人生で、これほど気兼ねなく話せる異性の友達は理香が初めてで、仲良くなったのを自覚して少しの間は、何を話せばいいのか分からなくなっていた。


それでも、彩人と理香と話すあの時間は、とても楽しかった。


そして季節は流れ、クリスマスが近づく12月の下旬。俺は、理香に突然ファミレスに呼ばれ、頼まれごとをされた。


「あのさ、樹くん……彩人にさ、クリスマスに何が欲しいか聞いて欲しいんだ……」


理香は、恥ずかしそうに体をモジモジさせる。


「どうして……?」


幼馴染なら、そんな隠しあってプレゼントを贈る必要はないのに、何故彩人にバレないように行動するのか俺は疑問に思った。


すると、理香は恥ずかしそうに顔を苺のように真っ赤にして言った。


「そ、それは……彩人のことが、好き…だから……」


「へぇ~、そうだったんだね、気づかなかったよ」


俺は、そこで初めて理香が彩人の事を好きだと知った。

そんな事実を知った瞬間、何故か俺の胸がチクっと痛み、苦しくなった。

でも、その理由はよく分からないままだった。


異性の友達に頼られることが嬉しかった俺は、理香に協力し、彩人の欲しいプレゼントを聞き出して理香に伝える。


結果、理香のクリスマスプレゼント作戦は大成功を収めた。


それからも俺は、ちょくちょく相談に乗り、理香の恋を応援する日が続いた。


そんなある日の朝。席に座っていた俺は、その日も同じように理香に話しかけられた。

いつも天真爛漫な理香が、真面目な顔になっているときは、大抵彩人のことについてだった。


だから、その日も、彩人の事なのだろうと予想して、理香が話し始めるのを待つ。


すると、理香はあの日のように、顔を苺のように真っ赤にして、勇気を振り絞るように言った。


「じ、実はさ、今日、彩人に告白しようと思うんだよね……!」


それを聞いて、俺はまた胸が苦しくなる。

それは、あの時感じたものの何倍も苦しくて、痛かった。


この痛みの正体がわからず、苦しい俺は下を向いて黙ってしまう。

すると、理香は、俺のことを心配してくれた。


「だ、大丈夫?え、えっと……保健室行く?」


そう聞かれた途端、胸の痛みは徐々に和らいでいった。

「ふぅ~」と深呼吸をしたのち、顔を上げる。


「ご、ごめん大丈夫だよ……それで、告白するの?」


告白という言葉を言った瞬間、また痛くなったが、話の続きが知りたい俺は、この痛みを我慢する。


「う、うん!そうなんだよね……!それでさ、樹くんにお願いがあって……」


「お願いってなに……?」


「えっと……その…こ、告白の練習相手になって欲しいんだ」


…………告白の練習相手

色々疑問に思った俺は、理香に聞く。


「告白の練習をするの?」


告白に練習なんてあるのだろうか。

告白したことないから、俺には分からないけど。


『告白』という言葉を聞いてか、理香は肩をビクッとさせる。


「うん……その、告白台詞とかたくさん考えたんだけど、まだこれっ!ていうものがなくて……だから、恋愛経験豊富そうな樹くんと考えたいなって……あと、失敗したくないから……」


俺は、それを聞いて少しばかし考え事する。

告白されたことは、今まで何回もあるが、彼女がいたことは一度もない。

でも、友達の頼みごとを聞かない訳にもいかないし、告白台詞なら、一緒に考えられそうな気がするので、俺は了承する。


「いいよ、一緒に考えようか」


「本当に!?ありがとう!」


そう言って、理香は朝のチャイムが鳴ったので自分の席へと向かった。


***


そして、放課後を迎え教室には俺と理香の二人きりだった。


「こんなセリフなんてどうかな?」


そう言って、理香は紙に書いて俺に見せてからジッとその文字を見つめる。

きっと、告白している自分を想像しているのだろう。

そして、それを二人で話し合い没にするか採用するか決める。

そんな時間が楽しすぎて、残り時間は三十分となっていた。


この場を彩人に見られるといけないので、そろそろ告白台詞を決めないといけない。

すると、理香は「これにしよう!」と言って紙に書いて見せてくる。


「結局、シンプルにするんだね」


「うん、その方が、この気持ちが伝わると思って……」


告白台詞が決まったので、俺は帰り支度をする。

この間もずっと胸は痛む。どうしたらこの痛みはなくなるのかそう考えていると、理香が俺の名前を呼んだ。


「あ、あのさ、樹くん、最後にさ、本番さながらの告白練習したいんだけど、いいかな……?」


「本番さながらの……?」


「うん、その、イメージ通りに行くか心配で……」


時間はあと三十分弱。

まぁ、彩人が来るまで結構時間も残ってるし、いいか……


「分かったよ、やってみよ」


そういうと、理香は目を輝かせて、こちらを見てきた。


「ありがとう樹くん!それじゃあ、言うね!?」


俺は理香が告白してくるのを待つ。

その瞬間、今までの告白とは違う、言葉に形容できない不思議な気持ちになった。

そして、また胸が痛む。


「……彩人のことが………ず、ずっと前から好きでした!私と付き合ってください!」




その瞬間、胸が締め付けられるような感覚になり苦しくなり俺は、気づいてしまった。

俺が今まで、気づいたことのない気持ちに。

ずっと、胸が痛かったその正体に。


「理香が俺の事を好き……」


『彩人のことが』と言っていたのに、一瞬真に受けてしまった。

もう、これは…………


そして理香は、俺が理香に抱いちゃいけない気持ちに気付いてしまったことに気付かず、告白練習を続ける。


その後、俺は何て言って彩人役を演じきったのか分からない。

それくらい、俺は動揺してしまった。


まさか、俺が理香に恋をするなんて、思ってもいなかったから。


***


それから俺は、ある決意をした。

それは、諦めるということ。

今更、告白なんてできないし、フラれるくらいなら、友達のままでいたいから。


この気持ちにも、蓋をするつもりでいた。

なのに、告白練習をした次の日、理香が彩人に告白していないと知って、内心喜んでしまった。


それからというもの、決意とは裏腹に、つい理香の事を見てしまう。


こんな中途半端な気持ちを抱えてしまっていると、いつの間にか、この気持ちを抑えるのが難しいくらい膨張してしまった。


だけど、俺は告白なんてしない。

……好きだけど。理香は、彩人の事が好きだから……

そして、彩人も理香のことが……きっと。

だから俺は、告白をしない。


…………でも、彩人と理香の恋の応援もしない。


二人は、両想いだから。

きっと、二人は無事付き合うことになると思うから。


こんな気持ちを抱えているのに、潔く諦めて理香と彩人の応援なんて、できるはずがないだろ?


因みに、言っておきますと樹は理香と彩人、お互いが両想いなのに勘違いしてすれ違ってしまっていることに気付いていません。


頭がごちゃごちゃになるような話を書いてすみません。


27話は、英語テストの結果を書くので、次回も読んでくださると嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 樹の気持ちが変わってるんだな… 今日良い事あるぜじゃなくなってるのかな?
2020/10/25 02:09 退会済み
管理
[一言] 復活してた 次回の更新楽しみにしてます
[一言] 相変わらず心理描写が上手いなぁ... 特に、多分意識的に使っている。というよりは、半分無意識で使っていると思うんだけど、倒置法が切なさを増幅させてて... 理香&彩人プラス樹のデートの様子を…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ