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16.友人キャラとして 【5】


「あっ!熱さまシートあった~!」


彩人の家をくまなく探した結果、大きめのケースの中に入っていた。

それを私は、一枚だけ取ってお盆の上にお水入りのコップと一緒に乗せて、二階に持っていく。


「彩人~!やっと見つかったよ!……って、あれ?」


もしかしたら、見つけ出した私のことを褒めてくれると思い、ルンルン気分で部屋を開けると、そこには熟睡中の彩人がいた。


「もう、一生懸命探してきたのに……」


「でも、やっぱり可愛いな……!彩人の寝顔……」


心地よさそうに寝ている彩人に熱さまシートを張ると、起きてしまいそうなので、お盆を机の上に置いて、私はゆっくりと彩人が起きないように、床に座る。

そして、そっと静かに頭を撫でる。


「彩人……好きだよ!」


彩人が寝ていたからよかったものの、私は、無意識に告白をしてしまった。

でも、そうなるくらい今の私は、彩人のことで頭がいっぱいなのだ。


「ねぇ、彩人!さっきさ、一番大切な存在って言ってくれてありがとうね!」


あの時の言葉を私は、この先、絶対に忘れられないと思う。

私との関係をそこまで大切に思っていてくれたことが、とっても嬉しかった。


「私も、彩人が一番大切だよ!」


彩人は私が困ったときや助けてほしくなった時、いつも必ずそばにいてくれた。

そんな彩人に私は、いつの間にか恋をしてしまったのだ。


彩人に振り向いて欲しくって、色々頑張ったんだけどな……


そんな私でも、一つ心に決めていることがある。


それは、彩人の恋を優先するということだ。

つまり、彩人に私以外の好きな人ができたら………諦めるということ。


そんな事を考えていると、胸が急に締め付けられた。

勿論、私のこの気持ちは本物だ!

だけど、それよりも、私の気持ちよりも、彩人の恋を応援したいから……

だからきっと、彩人に私以外の彼女ができたら、私は彩人と……距離を置くと思う。


「ねぇ彩人、覚えてる?この手紙……!」


私は、ベッドの近くに置いてあるリュックの中から、一枚の紙を取り出す。


そこには、幼い字でこう書かれている。


『ぼくは、おとなになったらりかちゃんとけっこんします あめみや あやと』


この紙は、私が小さい頃彩人に書いてもらった婚姻届けだ。

それを、今も私は、大切に保管していた。


この紙さ、私が頼み込んで書いてもらったんだよね……

あの時私、書いてもらえた事が嬉しすぎて、お母さんに自慢とかしちゃったりしてさ!

『私と彩人は、将来結婚するんだ!』って本気で思ってたのに……


私ね!彩人のことたくさん知ってるから分かるんだよ!?


「彩人……本当は、好きな女の子いるんだよね?」


彩人言ったよね?『好きな人はいないよ』って、でも、あんなに目を泳がせながら言われるとさ。


好きな人いるんだなって分かっちゃうよ!


「私は、幼馴染以上になれないのかな?」


「彩人の彼女さんには、なれないのかな……?」


一生懸命堪えていた涙が零れる。


「私は、彩人のお嫁さんに……なれないのかな?」


『俺と理香がそんな関係になるわけない』って、言ってたけどさ。


私は………なりたいよ。

彼女さんにもなりたいし、お嫁さんにだってなりたい……!

欲張りって思うかもしれないけど、私、本当に、彩人のことが……好き……なんだよ!


彩人が、私以外の誰かと付き合ったりするところなんて、想像したくない。


私、諦めるとかしたくないよ!だってさ、まだ好きな人が私の可能性だってあるんだもん!

彩人の反応からすると、一パーセントにも満たない可能性だけどさ!私は、信じたいんだよ!


私と、彩人が、両想いの可能性をさ!


ふと彩人を見ると、彩人は仰向けで寝ていた。

そんな姿を見て、ゆっくり私は、仰向けで寝ている彩人に顔を近づける。


そして、私は………キスをする。


でも、それは……唇じゃなくて、おでこに。


「彩人がさ、本当に、私のことが好きじゃなくて、他の誰かを好きになったら、私は応援するよ!?

だからさ、まだ、好きでいてもいいよね!?」


彩人の口から私以外に好きな人がいると言ったら私は、諦めるつもりでいる。

だけど、彩人に好きな人がいることがほぼ確実なだけで!まだ、私の可能性もあるから!


だから、このキスは、予約。

次キスするときは、唇。そして、その時は、彩人と付き合えるようになったとき!


「彩人は!私の事だけ見てればいいんだからねっ!」


そう呟いて、うつ伏せの状態で、私も眠ってしまった。


お久しぶりです。大変遅れてしまい申し訳ございません。


完結させるつもりでいますので、今後とも、この作品をよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
[一言]  あー……ヒロインが受け付けられない。これほど想っているなら告白する土壇場5分前まで練習させるのもわからんし、その後チョコにしろデートにしろおかしい態度なのにヒロインも勘違いさせたなんちゃっ…
[一言] 切ない。勘違いしてるだけ。しかもお互いが相手を思ってだから特に。でも理香ちゃんが多少なりとも希望をもってて諦める気がないなら大丈夫だね。あと必要なのは踏み出す勇気。がんばれ。
[良い点] 更新待ってました(●´ω`●)次回も楽しみに待ってます(゜∀゜*)(*゜∀゜)
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