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12.友人キャラとして 【1】


「あぁ、眠い……」


何故か昨日、チョコを食べ終えてすぐに寝てしまった俺は、今日は休みだというのに珍しく朝早く起きた。

少し体がかったるいが、多分、寝起きだからだろう。


そう結論付けて、リビングに行くと母さんの姿はないので、どうやらこの家にいるのは、俺一人みたいだ。


因みに、何で休みかと言うと、今日まで入試の都合で学校に入れないのである。


「ピーンポーン!」


テーブルの上に置いてあったサンドイッチを食べようとしたときに突然、インターホンの音が鳴った。


配達員が来たのかと思い俺は、インターホンのカメラで外を見る。


「やっほ~!彩人!一緒に勉強しよ?」


……えっと、何でここに、理香がいるんだ?

しかも、一緒に勉強?そんな約束した覚えないんだけど……


とりあえず俺は、不審者ではないのでドアを開け理香に会いに行く。


「あれ、理香がいた気がするんだけど……」


ドアを開けたら、理香がいるはずなのに誰も玄関前にはいなかった。

あれ?と思い、外に出てあたりを探そうとしたときに突然、ドアの後ろから急に出てきた。


「わぁ!彩人!おはよう!」


「うぉ……って、何してんだよ理香」


驚いてしまったが、間抜けなところは見せたくないので、すぐに冷静さを取り戻す。


そんな俺の反応を見て、理香は満足したのか「クスクス」と笑ってきた。


「あはは、久しぶりに彩人をからかいたくなっちゃったんだ!ごめんね!?」


いたずらが成功して、喜ぶ無邪気な子供の様に理香は俺の顔に近づいて、謝ってくる。


「それはもういいから、朝早くからどうしたの?」


「え?勉強しに来たんだよ?」


理香は、当然のように教材がたくさん入っているのであろうバッグを持ち上げて言ってくる。


「いや、そんな約束した覚えはないんだけど……」


昨日のことを思い出すが、今日勉強する約束をした覚えはない。


「うん、してないもん!だから、一緒に勉強しよ?って誘いに来たんだよ?」


勉強を一緒にすることは別に構わないが、俺はそれよりも確認しておきたいことがあった。


「それはいいんだけどさ……因みに、他に誰を誘う予定なの?」


まさか、二人で勉強をするはずがないとは思いながらも可能性は否定できないので一応聞く。

もし、仮に、二人きりでやる場合、俺と一緒に何かする暇があったら樹との仲をより一層深めた方が良いと思うんだけど……


「え?私と彩人の、二人だけだよ?」


俺の質問を疑問に思ったのか、理香は首をかしげながら当然のように言ってきた。


『はぁ……』と心の中で深い溜息を吐く。

何で、樹じゃなくて俺を誘うんだよ……

何でだよ。もう、分かんねぇよ。


理香が、樹のことを好きなことを俺は知っている。

だからこそ、応援しようと決めたのに。

理香は、樹に告白したはずなのに、今日も平然と俺の目の前に現れて、仲良く遊ぼうとする。


その理香の行動を俺は、期待していた。もしかして、両想いなんじゃないかと。

でも、答えは違った。

理香には、樹という好きな人がいた。


それなのに、今日も理香は俺に近づいてくる。また、勘違いしそうになるくらいに。

昨日だって、俺の分はいらないのに完成度の高いチョコをくれたし……


俯いて、考え事をしていると理香は、心配そうに俺を見つめていた。


「どうしたの?大丈夫?」


「あぁ……何でもないよ」


自分でも、具合悪いのが分かった。

きっと、最近考え事をしすぎたからだろう。


俺の言葉を聞いてもなお、心配そうに俺を見つめる理香。


「ちょっと、おでこ触るね」


そう言って、理香は、俺のおでこを触ってくる。


「あつい!ほ、本当に大丈夫?横になった方が良いよ……」


もしかして俺は、風邪でもひいたのだろうか。

まぁ、数日寝てれば治るとは思うけど。


「うん、そうするよ、だからごめん、今日の勉強会は中止にしてくれないか?」


「それは、もちろんそうするけど、彩人以外に、この家にいるの?」


家の中が暗く、物音が一切しないからか理香は、家の中を少し覗き見してから聞いてきた。


「いや、誰もいないけど……」


「それなら、私が看病するよ!」


内心嬉しいが、これを受け入れてはいけない気がした。

ただでさえ、理香との関係に困っているのに、看病までしてもらうと、もう、この気持ちに嘘を吐くことができなくってしまう気がした。


「いや、それは、大丈夫だよ……」


「大丈夫じゃないよ!困ったときは助け合いなんだよ?頼りないのかも知れないけどさ、もう少し私を頼ってよ」


頼りないと思わせてしまっていることに、少しだけ悲しくなった。

即座にそれを否定する。


「頼りないって思ったことなんてないよ……」


「じゃあ、私が看病するから、それでいいよね?」


これは、幼馴染としてであって、決して他意はない。

そう心の中で言い続けて、俺は、頷く。


「うん、それなら、お願いしようかな」


自分は、本当にどうしようもないと思う。

理香に、幼馴染以上に見てもらえなくて当たり前だ。


諦めると決めたのに、未練がまだあって。

本当は、全然、諦めきれていないのだから。


一応、言っておきますとエタってないです。

そして、1週間近く空けてしまい、すみませんでした。

エタっている訳ではないので、間に合うか分かりませんが明日も投稿します。


最後に、よろしければ、ブックマークとポイント評価をよろしくお願いします。



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― 新着の感想 ―
[気になる点]  コメディ要素全くない点……  ラブコメ……なんですよね?
[気になる点] 結局更新しないんですか?
[一言] 更新頑張ってください!
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