妹 一華
一番嫌なことが起きた。一華が部屋に入ってきて、僕とミカが一緒にいるところを見られてしまった。
きっと明日には、『修司と猫耳メイドの女の子が付き合っていた』という噂が流れて、友達からいじられ、女子から避けられる、最悪の学校生活が始まるだろう。
次に『おにーちゃん何してたのかな?』と冷たい笑顔で言われるに違いない。
「あなた、名前は?」
…違ったか。
そういえば一華はさっき『私の好きな猫耳メイドの少女がいる』と言っていた。好きだから僕のことは見逃してくれるのかな。
「私の名前はミカ。あなたは?」
「私は一華だよ。よろしくね!」
何故かわからないが、僕と話している時と、一華と話している時とでは言動が違う気がする。
僕と話している時は仕事ができる女という感じがするが、一華と話している時は優しいお姉さんという感じがする。
「それは当たり前です。ご主人様に気安く話しかけるのはダメだとコメが言ってました」
…また考えを読まれてしまっていたか……
「……!この家に入ろうとしている女性がいます。あなたたちの母だと思います」
「音も何もしていないのにわかるのか?」
「はい。これは私の持っている能力の一つ『探索』ですね」
…二つも能力を持っていたのか……
「私の持っている能力はまだたくさんありますよ。これはほんの一部にすぎません」
……まだあるのか………
どうも、古寺 咲夜です。
次回は、お母さん回かな?