表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

神さま、私は罪を犯しています

作者: アーティ

かなり暗めな感じです。ご注意を。

両親が育み、あなたが与えてくださったこの命。


この命をもって、私は罪を犯しています。

生きがい。

それを失って、代わりになるものを見つけることもできず。ただ漫然と生きながらえ続ける。


それはきっと罪なのでしょう。

いつかこの罪が。

罪で無くなるためだとしても。

いつか生きがいのないこの命が。

生きがいを見つけるためなのだとしても。


生きがいのない人生など、空虚なものです。

人生の理不尽を楽しむ心の強さもなく。

人と競合することを楽しむ克己心もなく。

人の上に立つことを楽しむ野心もなく。

己の弱さを嘆き、強さを身につける気概もなく、人の上に立つ覚悟もない。


生きるということを全うと出来ていない。


だから、これは罪なのでしょう。

私は罪を犯しています。


己がいただく命を思う。私が生きるために日々糧とする命を思う。

食事のために消費した命に見合うだけの働きを、私は出来てはいないでしょう。


それでも私は死にません。

家族がいます。家族が好きです。そう言えるだけの幸福があります。

見たことのないものを見たいと思う。その気概を維持できず、いつも行動を起こさないけれど、それでも願いはある。

願いのために動いていない恥はある。心の弱さは恥でしかない。現実から何度も逃げて逃げて、ようやく生きられる程度の強さしか持たない。

それでも私は。


変わらない私と。

流れゆく現実を前に。


罪を犯し続けます。

もう少しだけ。

もう、少しだけ…。

なんども重ねて。いつまでも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ