第14話:別れ
慌ただしく人が行きかう街。
モン・スピードが起こるとなってから、未だに気が抜けない。
それは、街の人だけじゃない。
冒険者の中でもそうだった。
「……新魔王は頼んだ」
「わかっているよ。君も無事で」
冒険者ギルドの中で交わしたのは互いに一言だった。
俺も、ティールもその一言で十分だった。
一度は亀裂の入った仲、それを修復することができた。
そして、俺たちのやらねばならないことは他にある。
「レナ、私たち頑張ってくるから。そっちも頑張ってね!」
「わかったわ。そっちもね」
「もちろんよ。次会う時は、ちゃんと彼を紹介してね?」
「ちょ、ちょっと!」
……どうやら女性陣は何かの話題で盛り上がっているようだ。
ここからでは彼をどうとか聞こえてくるが、ティールと共に首をかしげていた。
レナは、俺たちと残ることになった。
思うところがあるのと、もう神聖国に戻りたくないそうだ。
それは、わからなくもない。
俺も、あの国に戻ることはできればしたくない。
この国の良さを知ってしまえば余計にそう感じてしまうのだ。
「ねぇ、ハイル。私頑張るから。だから私を……」
「……どうした?」
レナは俺に何かを伝えようとしていた。
こちらに来てからも会話は少なかった。
それを心配しているのだろうか?
「私を……もう一度信じて?」
「――わかった。もう一度レナの事を信じるよ」
彼女は、やっと前に進めたのかもしれない。
いや、みんなやっと前に進み始めたのだ。
俺も彼女も、勇者たちだって。
続
次の更新は来週金曜日です。
これにて第二章は終わりになりますが暫くは閑話を入れて第三章へと入ってく予定です。




