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ようこそこの悪辣非道な異世界へ  作者: 上原シオン
[0.スタートアップ]
1/16

プロローグ

「ごめんなあ。君は死んでしまった」


 真っ暗闇の中で声が聞こえる。

 ここは、どこだ? さっきまで通学電車に揺られて、居眠りしていたはずなのだけれど。


「このまま君の魂を混沌の淵に還してもいいんだけど、さすがに不憫すぎるからね。新しい生活を用意してあげることもできる。どうする?」


 生き返らせてはくれないのか。

 それならもう、答えは決まってるじゃないか。


「本当? ――よかった! 君に目をつけて正解だった! 言っとくけど、いまさら転生したくないなんて言っても無駄だからね」


 ふとその瞬間、ものすごく嫌な予感がした。

 例えるなら、よくわからない書類にサインしてしまったとか、気づかぬうちに借金の連帯保証人にされていたとか、そういった類の悪寒。


 言質を取られた。

 あれ? なんかこれ、ヤバいのでは?


「これから君を送り込む世界は、滅茶苦茶シビアで悪ののさばる殺伐とした――じゃなかった、刺激的で素敵な毎日をいくらでも送れるんだ! 日常に退屈してた君にはぴったりでしょ」


 おいなんかヤベーの聞こえたぞ。


「あと、これは餞別。向こうの言語のプリインストールと、多少のお金。それに君の適応力を高めておいた。これでも応援してるからさ、せいぜいボクを楽しませてよね」


 それを最後に、声は遠ざかっていった。

 いや楽しませてよねじゃねえよ……。

 なんかくれたのはありがたいけど、聞いた感じどうせ大した能力じゃないんだろ。知ってる。


 織田雄二。有名人と一文字違いということ以外、特に取り柄もないただの高校生。

 異世界に、キター! ……いやアホ言ってる場合じゃない。

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