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家に帰って

面接会場から家に帰ると時刻は13時をまわっていた。

昨日の今頃と同じ考えのままなら、面接会場の近くにある寿司屋で豪遊でもしようかと思っていたが、

最早そのような考えには至らなかった。

ただ、ひたすらに、機械の様に歩を進めていた。鏡を見るとそこには、死んだ魚の目をした血色の悪い肌

の男が映っていた。


「すれ違う人達の視線を感じたのはこれのせいか・・」

そう呟くとまた涙が流れた。


 窓の外に目をやると辺りはすっかり暗くなっていた。

その間、僕は食事も採ることもなく、ただひたすら壁を見ていた。

理由なんて分からないが、じっと見続けていると自分の体から魂が抜ける様な感覚になり

この世界から逃げ出せるような気分になれた。

流石に喉の渇きを覚え、冷蔵庫に入ったミネラルウオーターを口に運んだ。

面接が終了してから初めて口にしただけあって500mlのペットボトルはあっという間に空になった。

その後は喉が渇いたら水を飲み、尿意を催せばトイレに行く、それ以外は同じ様に壁を見ていた。


世界には僕以外誰もいない、僕だけがこの世界にいない。

この世界から僕が消えても何か変わるわけではない。誰も気に留める事なく明日も人々は動き続ける。

何の為に生まれてきたんだろう。 このまま生きていて良いのだろうか。

やりたい事は見つからないな。 ワンピースの続きが読みたいくらいだな。


救いようのない自己否定的思考は次第に僕の生きるという意欲を奪っていった。

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