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神様の物語  作者: 華四季
第1章 幼少期 〈種〉
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神様と油断できない神梛(本能)

「何故?どうしてこうなったんだろう······」

ルピナスは荷物をまとめながら静に、誰にも聞こえない声で呟いた。

「ルピナス君、荷物まとめるの手伝おうか?」

「いや、大丈夫です!」

孤児院のお姉さんが壁からひょっこりと頭を出して聞いてきたが、ルピナスは全力で即答する。

「そう?でも、手が止まってるよ。」

「大丈夫ですから」

「本当に大丈夫?大変なら手伝うよ」

「ありがとうございます。でも、大丈夫です」

「分かった。手伝ってほしかったら呼んでね。」

どうやら一歩もひこうとしないルピナスに諦めたようだ。

(他人に自分の物を触られるのってあんまり好きじゃないんだよね)

ルピナスが荷物をまとめることになった事の発端は24時間前、つまり1日前の出来事だ。突如現れた神梛 出雲と名乗る男によってルピナスが神梛 出雲に引き取られる方向で話はあり得ない速度でトントン拍子に進んでいき、今の状態となった。この話にルピナスの拒否権は無かった·······いや、最初はあったがルピナス自身の先を考えずに放った言葉により相手に隙を見せてしまい神梛 出雲に消去去れてしまったのだ。

(うぅ、あの時『どっちでもいい』何てことを言わなければ、会って1週間もたたない人に引き取られる事も無かったのに)

ルピナスが苦虫を潰したような顔で自らが犯してしまった言葉の過ちを思い出していると、部屋に一人の男が入ってきた。

「か、神梛さん」

「こんにちは。ルピナス君」

部屋に入ってきたのはルピナスの隙をつき、拒否権を容易くゴミ箱に捨て、話をトントン拍子に進めていった本人神梛 出雲だった。

「まだ、迎えの時間ではないですよね」

「そうだね。まだ迎えの時間ではないけど、早くルピナス君に会いたくて早めに来たんだ。施設の人もOKくれたから安心していいよ。」

「へ、へぇー。そうか。」

(この人苦手だな。なに考えてるかさっぱり分からないからなぁ。それに、油断したら何かされそうな雰囲気放ってるし。その『何か』ってのは自分でもよくわからないけど。とにかく、油断できない人だ!本能がそう言ってる!間違いない······たぶん)


ルピナスが色々な考えを巡らせているとあっという間に時間は過ぎ、ルピナスが引き取られる時刻になった。

「神梛さん、ルピナス君をよろしくお願いします。」

「任せてください。」

「何だか、神梛さんなら安心出来ます。」

「ありがとうございます」

(孤児院の人達は何でこんなにこの人を信用してるのかな?)

ルピナスが考えているうちにまた話は進み

「じゃあ、さようなら。ルピナス君。」

「え、あっ。さようなら。」

そしてルピナスは神梛 出雲に車にのせられ、孤児院を後にした。

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