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第8話 地下鉄

 そこはさっきとは真逆で地下鉄だった。地下鉄の駅に人が十数人いる。そして翔子達と戦っている。これは刀の方が良さそうだ。刀を抜くがどれが敵だ? さっきのビルでは一人だったが、今度は何人もいるし、誰もが人間にしか見えない。だが……翔子達と戦っているのを見ても逃げないどころか近づいてる。ここにいる奴らが全部そうなのか?


「樹! 何しに来たの?」


 ヒナタが俺に声をかける。できれば完治してから戦いたかったんだけど。でも戦ってるのが女の子三人だ。高みの見物ってわけにはもちろんいかない。まあ、三人ともすごい強いんだけどな。

 俺に声をかけたんでヒナタ達を囲んでいた奴らのうちの何人かは俺に向かって来た。まあ、これで敵かどうかわかりやすくなったんだけど。刀でこっちに向いた異様な人型の生物を切っていく。後ろ姿は人間だったが正面を向くと異形な姿だった。

 博士の作った腕輪の力も本物だ。俺は武術なんて何一つ身につけてない。なのに、凄い速さで向かってくる敵を持っている刀で切りつけて行く。この博士の知識は他に応用できないのか?




 ひとしきり切り裂いたんで、そこには翔子達と俺とが残った。そう言えばさっきから電車どころか人も一人も来ない。だけど、地下鉄が荒れてるようには思えない。同じだと言い切れる。俺の世界の地下鉄だと。

 一応確認の為に刀を直して探知機で確認する。点滅は全て消えていた。ちなみにさっきと同じで青色の血だ。さっきの少女の化け物と同じ生き物ってことなんだろうか? それにしても誰もいない地下鉄って気味が悪い。

 まあ、すでに人型の切られたり撃たれた死骸が、青色に染められて、そこかしこに転がっているんで、それだけで気味が悪いんだけど。

 俺はまた爪なのかなんなのか尖った例の銀色の腕で胸が切れてるんだけど。これ母さんになんて言えばいいんだ。血みどろで肩の胸も腹も服が切れてるのに傷が全くないなんて。最悪だ……が、チャンスか? また草介博士のところでと言えば……なんとかなるのか? 母親に頼ってこの状況から逃げ出そうとするヒーロー……あり得ない。




「樹! 帰るよ。みんなが戻ってくる。樹のことはもう少し後で言う事になってるから」


 ヒナタはやたらと命令口調なんだが。『樹』とはどういう関係だったんだ? まあ、こっちの俺がヒナタとどういう関係だろうと、俺には関係ないんだけど。


「樹? 痛いの?」


 翔子が駆け寄って来る。


「違う。大丈夫だ。戻るぞ!」

「う、うん」


 翔子はまたメガネを触ると翔子が消える。


「じゃあ、あっちで」


 レイナも青色のボタンを押したんだろう消える。


「じゃあな」


 このまま元いた世界に帰り……は、マズイか。胸の傷がヤバイな。間違いなく通報される。

 青のボタンを押す。ああ、えぐられるー! 毎度毎度ムカつく!

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