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第17話 死闘

 着いた場所は一目でわかるエジプト……遠目に見えるピラミッドで気づいた。いや、そもそも街並みが違うけど。とにかく、もうすでに翔子達が戦ってる音がする。敵は人種関係ないみたいだな。だから気づかなかった。最初も日本人の少女のようだったし。アジアって人口多いんだな。なんて変なところで感心してる場合じゃない。銃を取り出し翔子達がいない方角に向かって撃つ。


 ギューン

 ドゴーン


 ギューン

 ドゴーン


 ギューン

 ドゴーン


 ギューン

 ドゴーン


 いろんな思いがうごめく心を俺は銃に込める。こうするしかないんだ。敵なんだ。悪なんだと。


 ギューン

 ドゴーン


 ギューン

 ドゴーン


 ギューン

 ドゴーン


 だいぶ敵がまばらになって来た。それと同時に建物も破壊されていく。

 しまった! 来る! 銃をしまってる時間がない銃を落として刀を取り出す。銃は重たい音を立てて砂の地面に叩きつけられたようだ。ああ、また博士に悲しい目で見られそうだ。だが、そんなこと言ってられない、俺は刀を持って身構える。


 ブシュ


 *


 ハアハア


 背中の傷はもう治っているだろう。俺の傷の回復には安静なんて関係ないようだ。また抉られた脇腹のほうに気が取られているからかもしれないが。全く酷いヒーローだよ。毎度毎度……。

 まだ終わってはいない。目の前の奴から切って行く。


 ブシュ


 *



 ハアハア


 息も上がって全くだよ。


 筋トレする時間も与えられないとは。あとどれだけ戦えって言うんだ。とりあえずあと目の前の数匹だ。俺の意識持ってくれよ! 俺は駆け出す。


 ブシュ


 ブシュ


 *


 ハアハア


 ハアハア……バタン………



「樹!? 大丈夫?」


 翔子の声でなんとか意識が戻った。俺はうつ伏せに倒れていた。


「ああ、終わったか?」


 終わってなければこんな風に翔子が声をかけないか……。


「うん。樹、戻すね」


 翔子は俺の探知機を取り出した。あ!


「翔子、銃……あの辺に」


 ガラガラ


 なんとか動いた左手で銃を落とした地点を指す。


「うん。わかった私が持って帰るね」

「ヒナタは?」


 さっきから翔子の気配しかない。


「ヒナタも怪我したから先に帰したよ」

「そうか……」


 ヒナタ……翔子に帰してもらわなければならないほどの怪我ってことだよな? 大丈夫なのか? 俺の状態から人のことは言えないんだけど。倒れ混んで右手は多分なくなっているような気がするんだが。感覚があるが立ち上がろうと力を込めても上半身は左側しか浮き上がらない。しかも首は曲がったまま左側を向いてるから確認もできない。なんでこんな遠い砂漠の街中でこんなことになるんだろう。と、翔子が青のボタンを押してくれたんだろう右側がえぐられる感覚に襲われる。



 博士の部屋に戻った。

 誰かが博士の部屋にさっきの状態と同じくうつ伏せに倒れている俺のもとにかけてきた。


「樹! 大丈夫?」


 翔子だった。俺のすぐ後で戻ってきたのか。


「ああ、でも……少し寝る。来たら起こして」


 返事も聞かずに目をつぶった。どうせ今は立つこともできない。役立たずだ……。あ、ヒナタは大丈夫かな……俺は酷い疲れに身を任せ眠りの中に落ちて行った。


***


「樹! 樹!」


 翔子……じゃない。レイナの声だ。

 目を開けるとプールで眠っていたレイナが膝をついて目の前に俺を覗き込むようにいた。すぐにレイナの負傷していた腕を見る。博士……すごい技術だよ。傷はかすかにあるものの、そこに傷があったと思わなければそうは見えないぐらいに傷口は薄くなっている。……ってことは三人とも身体中傷まみれなのかもな。

 右側の感覚を確かめる為に起き上がってみる。右側に少し沈むがなんとか座り込めた。首を戻そうと両手で挟むが上手くいかない右手を左前に差し出す。うわ、ないな手首までは眠ってる間に回復したんだろう。やっぱりそうだったんだ。さっきは起き上がれないはずだ。左腕しかなかったんだから。今度は手首で首を戻す。


 バキバキ


 ようやく前が見える。博士は部屋の中にはいない。治療中なのか……それとも修理中なのか。

 翔子がいない……さっきはかすれる視界でしか見えてなかった。翔子も負傷したのか!?


 ゴキゴキ


 首を左右に振って首の位置を戻しがてら動かす。変な感じだ。テレビでよく観るマッサージだと言って首の音を鳴らしまくられてるあんな感じだ。まあ、痛みは全くないんだけど。そうしているうちに首は治ったようだ。もう音がしなくなって自由に動かせる。




「翔子は? ヒナタも大丈夫なのか?」

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