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【読者地図】創作エッセイ―読み手と書き手の共犯関係の向こう側―「なぜ、その物語は届かないのか」  作者: Taku
読者編:『なぜ、その物語は届かないのか ―受容の地図―』

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第5話 【共犯関係】共犯から「共創」へ――読み終えた後の関係性

共犯関係は時に一過性で終わる。


読み終えたら、その関係はそこで解消される。しかし、本の中で起こった「共犯」の記憶は、読者の人生の中で生き続ける。


『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)を読んだ後、無性に誰かに優しくなりたくなった経験はないだろうか。『新世界より』(貴志祐介)を読んだ後、社会の在り方について考え込んでしまったことはないだろうか。


それは、共犯から「共創」へと関係が変わった証拠だ。書き手はもうそこにいない。でも、書き手の残した言葉は、あなたの中で生き続けている。あなたはその言葉を、自分のものにした。自分の経験と重ね、自分の言葉で語り直せるようになった。これが「共創」の状態である。


この「共創」への移行には、時間がかかることもある。すぐに変化を実感できないこともある。でも、ふとした瞬間に「あの言葉がずっと頭から離れない」と気づく。それが共創の始まりだ。


読後に感じるあの虚無感や喪失感の正体は、実は「共犯から共創への移行に伴う一時的な混乱」なのかもしれない。物語が終わり、あなたは現実に戻らなければならない。しかし、その「嘘」の中で、あなたは本当の自分を見つけたかもしれない。そのギャップに戸惑うから、虚無を感じる。この混乱は決して悪いことではない。むしろ、それだけ深く物語と共犯した証拠なのだ。


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