人工知能
人工知能の研究をしている科学者がいた。
彼は、人工知能の性能アップにありとあらゆる工夫を凝らし、ついには人間と同等の機能を持つに至ったと確信した。
「さて、どうやって確認しよう」
と科学者が独りごちると、助手が言った。
「まだ、人類に解けていない難問を解かせてみればいいんじゃないですか」
「よし、それではこの問題を解かせてみよう」
コンピュータに問題を入力すると、しばらく明滅し計算を繰り返した後、答えを出力した。
――分かりません。
「一体どういうことだ」
「先生、成功したんですよ。人間と同じ結果じゃないですか」
誤字修正(20100707)