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地の上

作者: 高橋 心
掲載日:2026/01/29

 七人の犠牲者を出したところで、其の猟奇殺人犯は官憲に拿捕された。というよりも彼の犯行はそれにて完結であったらしい。

 「あの七人は捧げた。三日もすれば降臨、いや、お目覚めになるのだ。」

 男は妄言をただただ繰り返しているように見えた。無神論者の官憲には何のことかさっぱりで、独房に蹴り入れて終いにするのだった。



 次の日、町は艦の底のような分厚い黒雲に覆われ、激雨は人々を孤立させた。会話のままならない程の雨は町の歴史上、未だかつて無い出来事で、何かの前兆のように見る他無かった。

 また次の日、今度は青白い雷が激しく地面を蹴っていた。なお続く雨音は、今や甲高い赤児の泣き声のようにも聞こえ始めていたのだった。そこで、官憲の頭には男の言葉が過った。明日が男の言った日である。その日、官憲は数珠を付けたまま軍刀を抱え、丸くなって眠りについた。



 結局翌日、町には何事も無かったかのように暖かい風が吹いていた。官憲は安堵した。その様子が私には酷く滑稽に見えたので、官憲を摘んで掌に乗せると、彼は顔を歪めた後、自分で腹を切り裂いた。私は遂にそれを払い落とした。




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