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悪役令嬢ですが、断罪回避のため仲人はじめます  作者: 一ノ瀬ジェニファー


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4/12

ゲームの世界~私の推しについて~

■この作品について

・悪役令嬢転生×仲人

・ゆるコメディ成分多め


■更新

不定期

 それから三日ほど経ちすっかり元気になった私は自室で一人、紙とペンを取りだし状況を整理する。

 どうやらこのファンタジーめいた世界の言語は分かるし、文字も読めるようなのでこれが異世界チートというものだろう。

 前世の日本語もしっかり覚えていて、ためしに漢字やひらがなを書いてお父様やメイドに見せてみたが何かの記号か幼児のラクガキだと思われたし、お父様に紙に大きく書いた漢字を見せたら、

「素晴らしい! これはリディが書いたのかい? 異国のまじないみたいでカッコいいね! 私の執務室に飾らせてくれ!」

 と持っていかれてしまった。

 日本語が読めなそうなのをいいことに、本当に理解されないのか試しに難しい『鬱』という字を書いてしまった私は慌てて首を振って拒否したがお父様は、

「ふふっ! なんだ恥ずかしいのかい?」

 と、幼児との戯れと返してくれず、ちょっと難しい漢字を書いて見たかっただけで意味なんてないし、何より『鬱』の字を飾るなんて辞めてほしくて新しく『父』の字を書いて交換を手案をしたら、

「う~ん……それも素敵だけどこっちの方が模様がいっぱいでかっこいいからなぁ……じゃあそれも飾るね♡」

 と親バカのお父様の執務室には現在『父』と『鬱』の文字がなんとも豪華な額縁に入れられて飾られている。

 この世界の人達が漢字を読めないようで本当に良かった……こんなの読める人に見られたらお父様のメンタルを心配され大変なことになりそうだし……。

 

 まぁということもあり、この世界の人達が日本語を読めないのは間違いないので、私としては好都合である。

 幼女が幼い手でペンを持って真剣に文字を書く今の姿は、はたから見れば幼女が自分の世界に入っていいるようにしか見えないだろう。

 

 今日は侍女に、

「きょうはおへやでおべんきょうします! しゅうちゅうしますので!」

 と適当な事を言い、人払いを済ませペンを片手に、ここ数日で得たり確認した情報を私はひたすら書き出していく。

 

 ここ数日で改めて実感したが、間違いない。

 この世界は私が生前遊んだ乙女ゲーム、「わくドキ♡ リッチウエディング」通称、ドキウエの世界である。

 略称は何とも言えないこのゲームは、学園ものあり、魔法あり、ファンタジーありそして最後は結婚ハッピーエンドの要素てんこ盛りのゲームだった。

 ヒロインは貴族が通う魔法学校に入学後に、リッチな攻略対象と恋に落ち結婚する。

 そしてそれを邪魔する悪役令嬢こと、絶対的な悪女が今の私、リディア・ラクロワだ。

 現在の私の年齢は七歳。ゲームの舞台は五年後の魔法学園。

 

 悪役令嬢物も履修済の私だが、このままいくと魔法学校に入学し、主人公やゲームの攻略対象とのエンカウントは免れないだろう。

 ゲームのシナリオのままいくと、普通に断罪エンドで処刑されたりするし、よくある悪役令嬢もののパターンの場合はここで何故か攻略対象に好かれるのがセオリーだから、イケメン達に好かれるのは悪い気はしない……と一瞬思ったが、このドキウエはタイトルやコンセプトに反して実はけっこう重いゲームなのだ! 

 巷では、暗い過去や強い劣等感を抱く攻略対象に対して「介護」やら「カウンセリングゲー」と名高いゲームだったのである。

 正直マジでゲームの登場人物の関わりたくない。

 ただでさえ異世界で自分のことで精一杯なのに他人のメンタルケアまでするのは勘弁である。

 

 散々な言いようだが、そんなドキウェのどこが好きだったかというと、当時の私はモブキャラにドハマりしたのだ。

 その彼の名は、妖精王ルーファス 。

 彼は、モブキャラと言っても各ルートのシナリオで一瞬しか出て来ない、何ならセリフもボイス付きのは、

「オイ、人間。ここで何をしている」

 の一言しか無いが、何故が爆発的人気があったキャラで、当時の二次創作小説サイトでは彼の夢小説が量産され、私も見事にハマった。

 身長や体重以外のプロフィールは公式発表されておらず謎だけど、何故か二次創作では「甘いもの好き」や「本当は人間と仲良くなりたがっているけど受け入れられない孤高の人外」「二百年くらい生きている」とか集団幻覚ともいえるファンの間での謎の設定があったりした。

 私自身もそのルーファスが大好きで、よく夢小説や、ゲームのヒロインとの二次創作を読んだものだ。

 正直、このドキウエにハマったのは、そのルーファスの二次創作からだし、原作にめったに出てこないキャラだからこそ、俺様キャラにもスパダリにもなれるルーファス様は当時のオタク界に現れた超新星だった。

 原作では、出てきてもほぼセリフが無いキャラのくせにコラボカフェでは彼のメニューやコラボドリンクが飛ぶように売れたとか。

 ちなみにあまりに謎が多いキャラゆえにコラボカフェのメニュー考案者も困ったのか、その時メニューは「ルーファスの森のサラダ」とかいうものだった……。

 社会人だから分かる。ファンにも角が立たないようにし尚且つ原価を抑えたメニュー。担当者に拍手である。

 兎にも角にも正直、攻略対象のキャラには誰にも会いたくないけど、ルーファス様にはめっちゃ会いたい。

 決して自分と恋愛関係になってほしいというそんな感情ではなく、好きなアーティストのコンサートに行きたい的な、テーマパークでキャラクターとグリーティングしたい的なそんな感情だ。

 だってたしか凄い魔法を使うらしいし、たしか人間嫌いらしいし……いやこれは二次創作や原作かどっちの設定か忘れちゃったけど……。


 またここで他にも重要なことがある。

 それは……。

 

「私……ゲームの内容を全然覚えていない……」

 

 覚えていないというか、ゲームをほぼスキップで進めていたから見ていないというか……。

 だって私は二次創作からルーファスというキャラを知ってゲームをやり始めたので、ルーファスは『隠しキャラ』だと思ったからだ……!

 ゲームのパッケージにはルーファスは居なかったので、『これはきっと全キャラ攻略後に開放される隠しキャラがルーファス様なんだ!』と思った私は、爆速でゲームを進めていた。

 まぁ実際はルーファスは攻略対象ではなく、セリフも一言だけのモブみたいなキャラだったけど、あんなに二次創作が量産されていたからそこは仕方がないと思いたい。

 

 要するに私はルーファス様に会いたい。今はただそれだけだ。

 このドキウエの世界の舞台は学園なので、彼に会うには十年後のゲームの舞台でもある学園に通うのが一番手っ取り早いだろう。

 だけど学園に行けば攻略対象たちに遭遇する。ドキウエの重い男たちに関わるのは全力で回避したい。

 たしかゲームでルーファス様に会うには学園で年一の「境界査閲週間」という学園際的な行事に学生代表で壇上に立てば、公開の場で妖精王が一瞬だけ顕現する的な設定だったような……でもたしか会えても会話とかはできなかったような……?

 じゃあ他のルートはどうか。ゲームの王子ルートでは、エンディングの王子との結婚シーンのスチル、めっちゃ端っこにルーファス様は居たはずだ。

 ルーファスは出番が少なすぎてこのシーンはファンの間では伝説になっているのでよく覚えている。ちなみにメインはもちろんヒロインと王子の結婚シーンなので、そのシーンでのルーファスのセリフは一言もないが、二次創作では「妖精の祝福」というものを授けてくれに来てくれていた……というのがファンの中の常識である。妖精の祝福とは何かは知らないけど。

 じゃあ結婚式に呼ばれるくらいなら、妖精王であるルーファス様は王家との繋がりが?

 たしか悪役令嬢である私の家の家業ってなんか王家との関わりがあった気がする……!

 なんかゲームでは「家の力でねじ伏せてさしあげますわ!」っていうリディアのセリフもよく聞いた気がするから、この家って相当な権力者なのでは?


「実家が太いとはまさにこのことね! なら活用しなくちゃ!」

 

 思い立ったら吉日、私はさっそくお父様に聞いてみることにした。

 

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