表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

これが悪役令嬢・・?

「な、なにをするのだ! 父上にも殴られたことないのに・・」

「そうですか・・では、また歯を食いしばってください!」


尻もちをつき腰を抜かしたままの状態で、フェルナルドは上擦った声で怒鳴り返すが、全く迫力や威厳といったものは感じられなかった。

対するアメリアは、絶対零度の微笑みを浮かべたまま、右手をぐうの形に固く握ると、


――ぐごぅぶ!


また強烈な音が、王宮のホールに響いたのだ。

フェルナンドは再び床にみっともなく倒れたのだ。左の頬も腫れあがり今度は、鼻血まで出ている。


「二度も殴るなんて・・このままで済むと思うなよ。お前など不敬に値する!!」


「言いたいことはそれだけですか・・・散々身勝手な振る舞いをしておきながら何もわかっていないなんて、貴方にとって私は一体何だったのですか・・・。

私は王宮からの命令で好きでもない貴方と・・それでも伴侶となるのだから懸命に好きになろうと努力して一緒にいたのに・・馬鹿にするのもいい加減にしてください。婚約破棄するならもっと早くできなかったんですか!!」


そういうと、アメリアはさらに殴りつけたのだ。


近くでは、メリーナが顔を真っ青にしながら震えていた。

こんなの・・私が思い描いていたシナリオじゃないわ。もう、めちゃくちゃよ。なんなの、あの女・・


さっきまでは、幸福の絶頂にいたはずなのにどうしたことか・・幸せな気分は綺麗さっぱり消し飛んでしまったのだ。

 このままでは計画が狂ってしまう。当初の予定ではこの女を蹴り落して、私が第二王子フェルナンドの婚約者になる予定だったのに・・このままでは、騒ぎを起こしたとして馬鹿王子ごと私も処罰の対象になる可能性もでてくる。


すぐ近くではフェルナンドがボコボコにされ、虫のように這いずりながらメリーナに助けを求めてきたが、

ししっと野良犬を追い払うように断固として助けを拒否する。


結局アメリアは衛兵達に取り押さえられるまで、フェルナンドをタコ殴りにしたのだった。


後に世に貴族の間ではアメリアは悪役令嬢と呼ばれたが、民の間では、王族にたてついた痛快な貴族令嬢の話として有名な語り草となるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ