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奇妙な出土品
発掘現場への移動中、大介はふと、父から聞いた不気味な話を思い出していた。
先週、父親が興奮混じりに語っていた、ある出土品のことだ。
「そういえば、生きたまま埋葬されたかもしれない人骨が見つかったって言ってたな・・・」
「えっ!生きたまま埋められたかもしれない人骨?」敬斗は一瞬、その話に驚きを隠せない。
「それってどういう状況?」
「詳細はまだ分かってない・・けど、高位の僧侶かもしれないって話だけは聞いたな」大介は敬斗の反応を楽しみながら説明する。
「どうした、怖くなった?行くのやめるか?」大介はからかうように言う。
「偉い人の骨なら何かお宝があるかも」敬斗は大介をさえぎるように答える。
「呪いのアイテムかも知れないぞ?」
「呪いのアイテム・・・」
傍らの竹林を吹き抜ける風が二人の言葉を運び去る。
二人は、異様な出土品に対する興味と不安で満ちていた。
それは同時に、不安を和らげる、奇妙な冒険への期待感をもたらしていた。