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第5話 不運ちゃんとなかよし大作戦。前編

ぢゅらおです。

大晦日まであと1日ですね。

明日までの宿題があるのを今思い出しました。

明日の僕がどうにかしてくれるでしょう。

「・・・なぁ、防人さきと...さすがにあれ怒りすぎだと思うよな?」

「先生プンプンだったよな...」

「そんなにかわいい感じだったか...?」


僕と瑚白こはくはその後先生に生徒指導室まで引っ張られ、次の授業時間が終わるまでずっと怒られた。


怒られている間、椅子に座らせてくれなかったのでもうクタクタだ。スタミナという概念さえ知らなそうな瑚白もさすがに足をポンポンと軽く叩いている。


「ところで防人の喋り方ってさ」

「・・・喋り方?」

「そうそう。〜ざます、〜じゃい、みたいな喋り方」

「そんな風に喋った覚えないが」

「詳しく言うと、俺以外と喋っている時の喋り方な」

「最初からそう言え...まぁ、言いたいのは敬語っぽいってことか?」

「そう! なんかそっちの喋り方だとなんか防人が優等生っぽく見えるんだよな。俺的には今みたいなタメ語の方が良いと思うぞ? 他の人にもな」

「うーん...別に構わないんだけど、親しくない人から急にタメ語使われるの嫌じゃない?」

「そうかぁ?・・・」


僕らがダラダラとゆったりと喋りながら教室に向かっている最中、教室ではホームルームが始まっていてクラスの役割を決めている最中だった。


「──────じゃあとりあえずまずはクラス委員からだな。やりたいやついるかー? いるなら他薦でもいいぞー」

「・・・先生、私でよければぜひ立候補したいのですが...」


教室の隅の方から若干籠り気味に手を挙げる姿があった。


「お! 神見しんみか! 先生は構わんぞ〜。じゃ、あと1人だなぁ〜出来れば男子だと助かるぞー」

「先生、私が一緒にやりたい人でもいいですか?」

「確かに、その方が神見がやりやすいならそれの方が良いかもな。よし! 誰だ?」

「では私からはぜひ...」


すぅっと息を大きく吸い込むと同時に教室の後ろの扉がガラッと開く。


「先生ー森成もりなりと今井ただいま帰りましたぁー」

「森成くんですっ!!!」

「──────?」


僕達が教室に入った時、神見さんが大声で僕の名前を呼んでいた。もちろん話の全容を掴んでない僕にとって神見さんが名前を呼んでいる理由は分からなかったが、そこは先程獲得した場を読む力。それを可能な限り発揮したいと思う。


「はいっ! 僕が森成です!」

「森成くん! ちょうど良いところに来てくれました! 何かとは言いませんが、とりあえず「喜んで引き受けます」と言ってくれませんか!」

「未成熟ながらこの森成...喜んでお引き受け致します!」


体育祭の宣誓のポーズで告げた僕だったが、ふと少し前思ったことを思い出してみる。


場を読む力...? 僕、いつ場を読む力なんて獲得した? 


その疑問をますます濃くするように教室からはボソボソとクラスメイトが喋り合う声が聞こえる。


あぁ...どうやら僕の高校生活開始2日目で終わってしまったらしい。とりあえず人生やり直しボタンを探す旅にでも出ようか。


「・・・森成くんって」


1番近くにいた女子の声に耳を注意深く傾ける。


「結構そっち系のキャラだったんだ...ぐへへ」


・・・ぐへへ?


「森成くん、結構可愛い...」

「私ずっと思ってたんだけどさ、「僕」って言ってるの可愛いよね?」

「お、それ俺も思ってた」

「女子の会話に入って来ないでよ。顔面チンパンジー」

「あ? やんのかこら? おらおら?」


あの情報が多くて何も処理できないのですけど、このクラスってさっきまで仲良かったですよね? 何があったんですか。


「・・・おほんっ」


担任の先生がわざとらしく咳払いをするとざわついていた教室の空気はシーンとした。


「じゃあ、とりあえず森成はやってくれるんだな?」

「もう言ってしまったのでやりますけど、僕が何をやろうとしてるのか聞いてもいいですか?」

「それはだな──────」

「それはですね! クラス委員ですっ!」


先生が答えるよりも先に食らいつくように我先にと神見さんは答えた。


なるほど...つまり僕は知らない間に勝手にクラスのトップに押し上げられていたということか。もうここまで来てしまったことだ。取り消しは出来ないだろうしそれはいいのだが、さっきから女子に「顔面チンパンジー」と言われた男子がずっと男泣きしているの誰が慰めてやれない?


「分かりました...僕なんかでよければ精一杯頑張ってみます」

「よっしゃ! じゃあクラス委員は神見と森成に決定!! みんな拍手!」


パチパチパチとクラスメイトが拍手をしている中で教室の中に1歩入った僕とは違い、教室と廊下の間を跨ぐ形で半身のみ教室に見せていた男は僕のすぐ横でハンカチを取り出して泣いていた。


「・・・瑚白どうした?」

「息子がっ・・・ここまで成長してくれたことに感動してさっ・・・」

「いや母親か」


こうして僕と神見さんはこの1年2組をクラスの長としてまとめることになったのだが、これがまた一筋縄で行かないことをこの時の僕はまだ知らなかった──────


※※※※※※


「じゃこれで今日の学校は終わりだが、神見と森成。教卓の上に置いてある物を後で職員室に持ってきてくれ。・・・あーあと軽くでいいから掃除も頼む」

「はいっ!」

「わかりました」


僕達が返事をしたのを先生は確認すると、号令をかけてホームルームを終わらせた。2組の生徒はそれぞれ各々のメンバーと軽く団欒したのち、それぞれの家へと帰って行った。


「へい! 森成くん」

「あの...僕を機械を呼ぶ時みたいに呼ぶのやめませんか?」

「私はつい最近気付いたのですよ」

「僕達出会って2日目ですもんね」

「森成くんはまだ私に対して全てを見せてませんよね?」

「?」

「私は見てしまったのです...私の口から言ってもいいですが、森成くんの口から言った方がいいと私は思いますけどね?」

「・・・言っても怒らないと約束してくれますか?」

「そんなことで私は怒りません。さぁ・・・」

「・・・頭の上に朝からずっと花びら乗ってます...」


僕は朝からずっと気付いていたが、あえて触れなかったことに触れることにした。もしかするとこれが一部の女子で流行っているファッションだったら申し訳ないからだ。


「なぁ!? い、いつからですか!?」

「え、今日の最初...から?」

「気付いてるなら言ってくださいよぉ!」

「いやだってファッションかもしれないと思ったので」

「どんなファッションですか! 何人ですか私は!」

「あの、なんかすいません」


ですよね。ファッションな訳ないですよね。いくら僕でもまだそこまでの常識は持ってることは確認できたし、まぁこれはこれで得したか。


僕はほうきを右手で持ちながらペコっと謝ると、神見さんは持っていたちりとりで僕の頭を目掛けて大きく振りかぶった──────


と思ったらポケットから真新しい大きめのハンカチを取り出して僕の頭の上に置くと、その上からちりとりをやさーしく押し当てた。


「これで許しますっ」

「・・・僕誰でも1人くらいには嫌われているっていう説推してたんですけど、神見さんのことを嫌いな人はおそらく1人もいないですね」


頭の上に置かれたハンカチを丁寧に折っていると、神見さんは少し意識が遠くに飛んでいる様だった。


「神見さん?」

「へっ? あ、森成くん」

「はい。森成です」

「・・・掃除終わりましたよねはい終わりです私は前にあるゴミを集めて捨ててくるので森成くんは教室の隅で自分の犯した罪を数えててください! あ、ハンカチありがとうございます」

「りょ、了解です」


神見さんは今までのおっとりボイスからは考えられない早口を披露するとせっせと持っていたちりとりでゴミを拾い、廊下にあるゴミ箱にゴミを捨てに行ってしまった。


教室に残された僕は帰りの準備も終わっているので、とりあえず言われた通り犯した罪を数えることにしよう。


・・・教室の隅で罪を数えろってどういうこと? え? 何かの隠語?


そうして僕はバックの中にある携帯へと手を伸ばすのだった。

ぢゅらおです。

突然ですが皆さん好きな行事ありますか?

もちろん学校の行事でもいいですし、家庭独自の行事でもいいです。

ちなみに僕は家で行う家族総出のアニメ鑑賞会が好きで、思い出としては家族で見たアニメにハマったお父さんがその後原作のマンガを全巻揃えてお母さんに怒られていたことですね。

ぜひ皆さんのエピソードも教えてください!

では次の話で会いましょう!

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