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彼方へ紡ぐ  作者: 流優
魔法学園
16/256

本編開始《1》

 新章開始!


  感想等ありがとう、ありがとう!


 ――朝。


「兄さん、早く。遅刻するよ」


「わかってるって、ちょっと待て」


 俺は通学用のバッグを手に取り、玄関へと向かう。


「それじゃあ、父さん、母さん、行ってきます」


「行って来ます」


「あぁ、頑張ってこい」


「フフ、いってらっしゃい、二人とも。頑張ってね」


 両親に見送られ、俺とユヅキは家を出た。




 ダンジョンを攻略してから四年。


 両親は死ななかった。


 世界の強制力は、働かなかった。


 街は平穏そのもの、問題らしい問題もなし。


 仕掛けを行った者を俺は捕らえられていないので、元の計画を遂行すべくどこかで暗躍しているんじゃ――と思ったのだが、どうやらそれは、後日『看板の無い店』の例の二人が対処してくれていたらしい。それを受けて、敵は計画を修正したのだろう。


 ゲームのストーリーは変えられる。それを確信することが出来た。


 ただ、ここからはある程度本来の流れに沿って動こうと考えている。


 俺の持っている知識が、無駄になる可能性があるからだ。


 どの時期に何のイベントが発生し、どういう対処をすれば正解なのか、それがあやふやになるのはマズい。


 勿論両親の死のように、事前にどうにかしなければならないものは予め取り除くつもりだが、そういう取り返しが付かないイベント以外に関しては、なるべくそのままで進めようと考えている。


 だからこの三年間、俺はただ自らを鍛え続ける日々を送り――とうとう、今日を迎えた。


 この国『ヴァーミリア王国』において最大の魔法学園であり、本編の舞台となる場所――『ヴァーミリア王立魔法学園』。


 この世界の中心(・・・・・・・)、とでも言うべき場所。


 その、入学式に参加するため、俺達は今、魔法列車に乗っていた。


「ねぇ兄さん、結局ステータス、教えてくれないの? 私のは見たくせに」


「そりゃ、お前が相談乗ってって言うからだろ?」


「じゃあ、兄さんの相談に妹が乗ってあげる。だから携帯端末見せて」


「嫌だ」


「ぶー」


 唇を尖らせる妹。


 成長し、いつからか俺のことを「おにぃ」ではなく「兄さん」と呼ぶようになったユヅキだが……ぶっちゃけ、性格はあまり変わっていない。


 今も変わらず、可愛い妹である。


 ちなみにユヅキの言うステータスとは、学園が一人一台与えている携帯端末にて確認可能な、個々の『レベル』、『クラス』、『スキル』のことである。


 能力値までは表示されないが、個人の戦闘力と言うべきものは全てそれで確認出来るのだ。


 この携帯端末、機能はほぼ前世のスマホと一緒で、さらに学園支給のものなので、授業の日程やその日の通達事項なんかが送られてきたり、学園の施設の使用申請を行ったり出来るようになっている。


 そう言えば、ゲームでも携帯端末自体は支給されてたっけか。メニューを開く時に、携帯端末を見るモーションがあったような無かったような……流石にちょっとうろ覚えだが。


 まあとにかく、どういう原理かは知らないが、これを持って己の魔力を流し込めば、その時点でのステータスが確認出来るという非常に便利なシロモノである。


 実際、世界でもかなり最先端な技術らしい。


 重要なのは、このステータス、計測しても学園にデータが送信される訳ではないようで――いや、基本的には学園と共有されるし、その方が色んなサポートを受けられて有利であるようだが、個人が共有を拒否すれば送信されないようになっている。


 完全なスタンドアローンのデータにしておくことが可能なのだ。


 クラスやスキルの中には、現代であっても秘匿しなければならない、人に知られる訳にはいかないものがあったりする。


 ユニーククラスとかユニークスキルとかが、モロにそれだな。と言っても、そもそも一度も観測されていないようなスキルとかだと、流石に表示されないようだが。


 そこがゲームとは違う点だな。多分、登場キャラの何人かのクラスは表示されていないだろうし、登録されていないスキルもあることだろう。


 ヴァーミリア王立魔法学園は世界でも有数の魔法学園であり、それ故様々な国から学生が入学してくるため――具体的に言うと王族(・・)とかが普通に入学してくるため、その点はかなり厳密に管理しているらしい。それがバレたから戦争、みたいな事態を回避するためだ。


 なお、俺はそういうものに幾つか心当たりがある。うっかり口にしないよう気を付けねば。


 そして俺は、家族にステータスを教えていなければ、学園へのステータスのデータ転送も行っていない。


 これを……人に知られる訳には、いかないからだ。


 俺は、ユヅキにバレないようこっそりとアプリの一つを起動し、現在の己のステータスを確認する。

 

 ちなみに、新入生の平均レベルは『10』。スキルは、五つ持っていたら優秀といったところらしい。


 上級生だと、二年生の平均レベルが『18』辺り、三年生で『25』辺り。スキルは、十~十五辺り持ってたら優秀とか。


 まあ、スキルは数あれば良いってもんでもないから、あくまで参考の数だな、これは。


 仮にレベルが『35』もあれば相当に強い方らしく、軍とかなら一線級の精鋭扱いであるそうだが……。




 名:ヒナタ=アルヴァー

 Lv:67

 クラス:魔剣士


 魔法スキル

 ・『トーチ』

 ・『ファイアーボール』

 ・『ウォーターランス』

 ・『スタンショット』

 ・『アースウォール』

 ・『ファイアーストーム』

 ・『ウォーターバリア』

 ・『アースインパクト』

 ・『エアカッター』

 ・『クリムゾンブラスト』

 ・『フレアショット』

 ・『スターストライク』

 ・『エクスプロージョン』

 ・『インフェルノ』

 ・『ヒール』

 ・『ハイヒール』

 ・『エクストラヒール』

 ・『魔力譲渡』


 武器スキル

 ・『回転斬り』

 ・『強撃』

 ・『二連斬り』

 ・『三連斬り』

 ・『螺旋撃』

 ・『桜花雪月』

 ・『風閃刃』

 ・『流水刃』

 ・『炎獄刃』

 ・『波動刃』

 ・『龍斬り』

 ・『華刃八斬』

 ・『牙須斬』

 ・『滅空の太刀』

 ・『霧の太刀』

 ・『居合』

 ・『無閃』

 ・『魔刃』

 ・『魔刃砲』

 ・『連撃槍』

 ・『一閃突き』

 ・『貫き矢』

 ・『二連矢』

 ・『速射』

 ・『狙撃』

 ・『連弾』

 ・『魔弾』

 ・『魔砲』




 ……うん、やっぱりこれ、人に見せらんないわ。

 蒼焔スキルはまた次回に。


 スキルは「あっ、これ足りてねぇや!」と思ったら後で増やす可能性アリ。「あっ、これカッコイイや!」で思い付いて増やす可能性もアリ。

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― 新着の感想 ―
一番身近で相性が最適なダンジョン消滅させちゃったわけだけどどうやってレベリングしてたのかな
[一言] まあ、スキルなんてなんぼあってもいいですから
[一言] 空いてるスキルを埋めるトロコンあるある
感想一覧
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