闇の館の侵入者
一日の授業が終わり、帰ろうとカバンに本を詰めようとした時に、キンコンカンコーンと放送がはいる。
その声はまさしく校長であった。
校長「〇年〇組の直人君、神路直人君。至急校長室に来るように」
と、呼び出しがあった。実体を確かめたいため、迷わずカバンを持ち校長室に向かった。
校長室までの廊下で窓から外を見ると、学校裏の屋敷の入り口に勇が居ることに気づく。
直人は叫ぶ。
直人「勇!!そこで何をしているんだ!?」
勇は聞こえなかったのか、直人に気づかず、その屋敷の中に入っていった。
心配になり、校長室に向かっていたことを忘れて、そのまま裏の屋敷に向かった。
それは、大きい大きい館であった。ふと館の入り口の階段を見ると見覚えのあるブローチを見付けた。嫌な予感がしたため急いで落ちているブローチを手に取り持ち主を確かめた。
そう・・それは直人の妹の由美子のブローチであった。
直人「なぜ?由美子のが?まさかこの館に監禁されてるのか?」
勇も何か関係者なのかと疑いをかけ、館に入ろうとするが、頑丈な扉が直人の侵入を阻んだ。
直人「勇が鍵を閉めたのか?まさか勇が由美子を誘拐した・・なぜなんだ・・。」
直人は館の扉を蹴るがビクともしない。呼び鈴も鳴らすも誰も出てこない。
焼却場に斧があるのを思い出し急いで取りに向かった。
直人「う?何か異臭が・・」
焼却場の焼却炉が異常に燃えている事に気づく。
直人「焼却炉は暑くて近づけない。」
直人はとりあえず焼却炉の横にある斧を取り行こうとするが、斧から滴り落ちる真っ赤な血が体をすくめた。
直人「こっ・・これは」
そこには数匹の斧で引き裂かれた犬と思われる肉が血と一緒に散乱していた。
直人「なっ・・なんなんだ!誰がこんなことを」
今は由美子を助けることが優先であったため、その斧を手に持ち先ほどの館に向かった。
直人は扉の鍵に斧で狙いを定め
直人「このやろぉ!!」
鍵は「ガチャ」となり、恐怖の扉が目を開けるように開いたのであった。