表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/77

52:死神さんの文化祭の質問

「俺の能力ってなんなんだよ……」

「アンタの?」


 ヒョウライはくすりと笑った。怪我でもしてなければ、大笑いしているだろう。


「あんた、本当に自分の能力が分かってないんだ」

「……くっ」

「さっき、発動してたじゃない」

「さっき?」


 ヒョウライの視線が移動する。俺も、ヒョウライの視線に合わせて動かした。そこにはさっき落ちてきたバスケットゴールがあった。


「あんたの能力は“武器化(チェス)”よ」

「チェス……?」

「そう。アンタは身の回りにある全てのものを武器にできるの。あんたの想像力次第で。でも、限度があって、鉛筆はナイフにしかならない。鞄は盾にしかならないと、ちゃんと決まりがあるらしいの。バスケットゴールみたいな大きなものは大概大きな岩ってとこかしら」

「岩? それって武器なのか?」

「さあ? あんたの判断だもの。あたしが知るわけないわ。ちなみに、発動方法も自分で考える事ね。あたしは武器化なんて能力持ったものないし」


 武器化……か。それって本当に強いのだろうか。


「ほら、二つめ!」

「あ、ああ……。お前、なんでそんなに詳しいんだ」

「え?」

「俺が能力を発動したのは5回くらいじゃないのか? アイリスだって、俺の能力を知らなかった。なのに、たった5回見ただけで、お前は俺の能力を判断したのか?」

「……そうね。あたしは5回見ただけで、あんたの能力が分かったわ。でも、あんたの能力については昔から知っていたのよ。あんたと同じ能力を持っていた奴がいるんだから」

「俺と同じ能力……?」

「ええ。これ以上は言わないわ」


 ヒョウライは少し、にやりと笑った。

 

「ちっ……。じゃあ、三つ目。お前達は何故俺を狙う?」

「はぁ? それはそちらの死神さんに聞いたんじゃないの?」

「ああ、聞いた。俺の能力はどちらかが俺の能力を持つ事で、相手の勢力を滅ぼせるとかそんなもんだろ?」

「知ってるじゃない」

「でも、前戦った天使は自分個人の恨みで俺を殺そうとしていた。お前もそうなんじゃないか?」

「……そうよ。あたしは、なんの命令も受けていないわ。天使全員って言っていいほど、あたしら天使はあんたに恨みがあるのよ」

「俺に?」


 俺は、天使などという非常識な生き物を前の天使の戦いの時しか見たことがない。恨みを買われることなんかしただろうか。


「あんた、覚えてないの?」

「……ああ」

「でも、残念。あたしは教えることが出来ないの。あたしも、あの時の現場を見たことがないからね。はい、質問タイム終了。あたしは帰らせてもらうから」

「あ、おい待て!」


 消えかかっているヒョウライに飛びつこうとするアイリスを抑える。


「陽向?」

「いいから、行かせろ」


 アイリスは俺の一言で仕方なく、おとなしくなった。俺はじっと天使が消えるのを見ていた。


 天使が消えるのと同じに、パッとたくさんの学生が現れた。みんな忙しそうにしている。バスケットゴールは既に戻っていた。 

一ヶ月くらいの更新です。これからも、頑張ります!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ