表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/77

26:死神さんたちの買い物 3

 ともかく、ここは一旦場所を変えたほうがいい。というか、帰りたい。だって、周りの人たちが俺らを冷たい目で見てるもん。早く移動しないと、このデパートに一生来れなくなる。


「じゃ、じゃあな真琴、智也」

「いや、待てよ」

「陽向、僕を置いていくのかい!?」


 智也と真琴が俺の腕を掴んで離そうとしない。


 ……めんどくせー奴らだ。


「俺らはもう帰るから! はい、離す! じゃあなっ!」

「離すもんかぁ! 今日のナンパは成功させるんだー!」

「離さない! 僕が妻の浮気を許すと思っているのかい」

「めんどくせーよ! ナンパは他のところでやれ! 俺は男でお前は女だ、立場逆! それから結婚した覚えもない!」


 いたたたっ。う、腕ちぎれる! 何で、こいつら離さないんだよ!


「あー、もう! いい加減離せ! 分かったから、場所を移動させろっ」

「分かったよ、全く我がままだ」

「仕方ない、それで勘弁しよう」

「お前ら何様だ。……真琴はここでお別れです。お前、深琴先輩どうすんだよ」

「そんなことを心配してくれるのか。さすが、僕の嫁だな。大丈夫だ。姉様なら自分の買い物が終わり次第、僕を置いて車でいつも帰ってしまうから」

「お前、その姉の行動について疑問に思ったことはないのか」


 深琴先輩は妹に優しくしないんだな。


 会話をやめ、俺らは近くのファミレスへと移動した。そこで、俺とアイリスと御井でオレンジ、ミナルトと智也はコーラ、真琴はメロンソーダを頼んだ。


「あー、智也のおごりだから、礼は智也に言ってくれよ?」

『ごちになりまーす』


 俺が言うと、みんな素直に智也にお礼を言った。


「何で俺!? 俺、今、金がないんだけど!」

「知ってるよ? そんなこと」

「知ってて言うのか! お前、鬼だな!」


 うるせぇ。どうせ、ナンパ成功した時、かっこつけて女子におごる予定だったんだから、金は持ってきてるだろう。


「陽向、これからどうするのだ?」


 アイリスが聞いてきて、俺は唸った。


「どうしよっか……まずは智也(こい)真琴(つら)をどうにかしんないと」

「おい、藤原はともかく、俺まで邪魔者扱いか」

「何故、桂木が俺と一緒の扱いだ」


 二人が文句を言う。俺にとってはお前ら同レベルだ。


「あの、いいんじゃないかな、桂木君達と一緒にどっか行っても」

「おお、御井! 分かってるじゃん。そこらの童顔と違って」

「さすが御井だ! そこらのと違う!」

「てめーら、喧嘩売ってんのか?」


 御井の優しさに甘える火星人二人(まこととともや)。ほんと、ムカつくな。


「おい、玲奈。こいつらなんてジョーカーと一緒に捨てちまえよ」

「てめぇも敵か、湊」


 男ってホントむかつくわ。


「分かったよ」

「おお、さすが親友! 分かってくれたか」

「それでこそ、我が嫁」

「ああ。仕方ないからな」

「そっかそっか。じゃ、さっそく――」

「おう。みんなで帰ろうぜ」


 沈黙が流れる。それでいい。一番これが妥当なんだよ。みんな幸せだっつーの。


「おい、陽向。どこか行くって話しじゃないのかよ!」

「仕方ないから、帰るんだよ。お前らがいるくらいなら、家に帰って宿題をするっつーの」

「なぁ! ひどい! こいつ、悪魔だ!」

「なんとでも言え。さ、藍、帰るぞ。湊、御井をしっかり守れよ」


 俺が合図のように言うと、アイリスとミナルトと御井が立ち上がる。智也と真琴は目を丸くしていた。


「じゃ、さよなら。お二人さん。代金よろしく」


 俺がとどめに言うと、二人はガンと音をたてて額を机にぶつけた。


「ざまあみろ」

今回は少し続編を作ってみました。

ちょっと、玲奈ちゃんと陽向がべたべたですね。。。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ