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01:死神さんが襲う!

「え? どなたですか?」


 そこにいたのは一人の少女。慎重は145センチあるかないかくらいの小柄な子。ロリ受けしそうだ。


 ノースリーブの白い清楚なワンピース。胸元に黒いフリルの付いた大きなリボンにワンピースの裾に小さなフリルがついただけの素っ気無い格好の少女は、何故か裸足で、黒髪のツインテールを揺らしていた。どこか、目がうつろな少女は機械のような口調で呟くように言った。


「アイリス=リバール。スペード隊。に最も危険な影響を及ぼすジョーカーの篠塚陽向を確認」


 スペード? ジョーカー? 何言ってんだ、こいつ。しかも、何か俺の名前知ってたし、最近引越してきた変わったご近所か? しかも何気呼び捨てかよ。


「ディーラー様のめいにより、ジョーカーの排除を行う」


 俺があっけに取られていると、少女の手が急に白く輝き始めた。


 少女の手から現れたのは彼女よりも大きなL字型の鎌だった。


 な、鎌?


 少女が身構えてから、鎌を振りかぶった。


「ぶわっ!」


 急なことに間抜けな声をあげて俺は尻餅をついた。股の間に床に鎌がざくりとささる。


「き、ききききき君、落ち着きたまえ!」


 俺は慌てて言った。彼女は平然と鎌を抜いた。どちらかというと俺のほうが慌てている。そりゃ、目の前で俺を殺すように鎌を振られたら誰でもびびるだろう。


「君ではない、アイリス=リバールだ」

「おっと、それはそれは、失礼しました」


 軽くお辞儀をする。


 って、そうじゃねぇ――――!


「あ、アイリスさん? でしたっけ? ともかく、その物騒なものをひとまず置こうか。ってか、床、弁償しろよ――ぬおう」


 少女――アイリスさんがもう一度今度は横に鎌を振り上げた俺は、マ○リックスのように顔を背けて避ける。我ながらすごい運動神経だ。誰か、褒めてくれ。


 びびりすぎて、息が切れ、鼓動が早くなる。もう、さすがに避けられねーぞ!


 アイリスさんが鎌を振り上げた。とっさに目を瞑る。


 ――――ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォ。


 激しい音とともに急に、大きく体が揺れた。アイリスさんも体制を崩す。


 な、何が起きているんだ!? 地震!?


 下を見ると、なんと、床が盛り上がっていた。砂の山ができていくようにどんどん床が盛り上がり、俺は転げ落ちて、盛り上がっていない床に後頭部をぶつけた。痛ぇ。


「な、なんなんだよ!」


 俺は大きく怒鳴った。何が起きている!?


 しばらくすると、床はじょじょに戻っていった。そして、何事もなかったように、いつもの家の床になった。


 アイリスさんは時間が止まったようにしばらく目を見開いたまま動かなかったが、急に目を閉じてこちらに向かって倒れてきた。

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