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13:ジョーカさんは迷惑してます

「ちょっと待ったぁ!」


 教室中に甲高く響く声。俺はアイリスに巻きつかれたまま、男子は両腕をあげ、俺を襲おうとしたまま止まって声の主を見る。


「大丈夫か! 陽向!」

「うげっ。ま、真琴」


 入ってきたのは、藤原真琴である。察しの通り、深琴先輩の妹で、俺と同学年だった。(クラスは違うが)ショートの髪で細いスタイル。運動神経抜群で、勉強はダメな、似ても似つかない姉妹だ。


 深琴先輩が、俺を気に入ってるのだから、姉思いの真琴が俺を放って置くはずが無い。俺は真琴に忠誠心みたいなのを誓われたのを記憶の隅で覚えている。どうせなら、敵視してもらったほうが楽だった。


 真琴がしっしと、男子を払いのけ、俺を何故か、抱き上げる。いわゆるお姫様だっこ。


「大丈夫か! 陽向!」

「それはさっき聞いた! 降ろせ、離せ、馬鹿やろう!」

「えー。仕方がない。本当は、頬ずりでもしたかったんだが」

「は、早く降ろせ!」


 ゆっくりと降ろされ、地面に足がついた瞬間、俺は即座に智也の後ろに隠れた。


「こ、怖い……」

「よしよし。よく頑張った」


 智也が溜息をついて、俺を撫でる。

 真琴は、すごくいい奴だが、行き過ぎなのだ。過去にトラウマだって残っている。


「ふむ。お前、誰だ」


 アイリスが俺をよりも背の高い真琴を見上げる。真琴は、きっとアイリスを睨んだ。


「お前こそ誰だ。僕は陽向のパートナーになる女だ!」

「むむ。陽向のパートナーか。あたしは、陽向の従妹にあたるものである」

「何! 陽向の従妹だとっ。ふざけるな!」

「いや、今、ジャンプ同棲中だ」


 いや、某番組みたいなこと言うな。誤解を招くだろう。色々な意味で。

 俺は智也の後ろに隠れながら、叫んだ。

 

「真琴! お前は早く帰れ! もう、チャイム鳴るから。しっしっ。悪霊退散!」

「そこまで言うのか」


 智也が呟く。うるさい、あいつに遠慮などいらんっ。


「ぼ、僕を捨てていくのか、陽向よ! あんなことした中じゃないか!」

「してねーって言ってるだろっ。何で、そんなこと言う奴らばかりなんだよ!」

「嘘ではないだろ! 現に僕は、陽向の裸を――」

「だ――――――っ。それは禁句だぁ!」


 真琴が大変なことを言い始める。それは、俺のトラウマだった。


「おい、篠塚(陽向)(ひな)!それはどういう意味だ!」


 あー、もう、話ややこしくしてっ。


「仕方ない、陽向の頼みだ。僕は帰るとしよう。あ、そうだ。姉上が呼んでいたぞ?」

「な、この状態で行くのか! 今こそ、助けが必要だ!」


 俺の声を聞かずに去っていく真琴。くっそ、大事な時にほんと役に立たないよっ。


 俺はこの世の人間とは思えないほどの速さで、教室を出た。ちょうど、教室に入ろうとする先生とすれ違う。


「おい、篠塚。席に着け! どこに行く!」

「すんません。ちょいと、保健室に行ってきます!」


 背を向けて走る。そのまま、教室に入ろうとした先生が、


「おい、席に着――悪かった。今日は自習だ」


 と言ってドアを閉めたのが虚しく廊下に響いた。

 

久々の投稿。。。←またかよっ


いやー、もうすぐ、10月ですねー。受験生なのにいいのか!!

といことで、ますます更新率が低くなりそう。。。

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