なぜメンズの服の色は少ないのか?
励と言う女と聖護と言う青年が現代のメンズの服の色の少なさについて話す。二人が行き着いた結論とは?
春過ぎの日差しが強く初夏を感じさせる日、麦わら帽子にサングラス、足元はビーサンの女がビル街の道を歩いていた。人々はその少し季節が早すぎるような格好の女に視線を向けた。
女は、視線などもろともせずペタペタと音を立てながら歩きカフェに入った。
「いらっしゃいませ」
「待ち合わせなんですが」
店員には目もくれずキョロキョロと店内を見渡し、窓側の席に座った銀髪の男に目を向けた。
「聖護さんお待たせしました」
女に聖悟さんと呼ばれた男は、女より年齢が5歳前後上の顔が整った男だった。
「久しぶりぶりだね、励。遅かったけどこの店は初めてだったかな」
「いえ、ただただ外が暑かったもので。お待たせしてすみません」
励と呼ばれた女は聖悟の前にサングラスと帽子を外しながら座った。彼女の耳元の髪が肌にくっついていた。
「ケーキは、何にするんだい?」
励は、聖悟が自分に見えるように見せたメニューを受け取った。
「じゃあ、四種のフルーツゼリーにしようかな」
店員がお手拭きと水を持ってきた。
「すみません、注文いいですか?」
「はい、ご注文をお伺いいたします」
「四種のフルーツゼリーを1つ、以上でお願いします」
「お飲み物はよろしいでしょうか?」
「大丈夫です」
「ご注文は以上でよろしいでしょうか」
「はい…」
「後、紅茶をお願いします」
「かしこまりました。少々お待ちください」
そう言うと、店員は戻っていった。
「そんなに、待たせちゃいました?」
「そんなんでもないよ。ここの紅茶美味しいからさ」
励は、メニューをかたしながら外に目を向けた。
「どうでもいい話なんですが、最近服を買おうと思った時にレディースと比べてメンズの服の色が少ないなと思ったんですよね」
「気にしたことがないけど、そうかもしれないな」
「デザインも少ない気もするですよね」
「君は、なんでだと思うんだい?」
「前に一番上の姉と話していたんですが、男の人が着ている服をよく見て見ると黒、青、白、灰色、紺といったぐらいの色しかないんですよね。後、ベージュとかもありますけど」
店員が先に四種のフルーツゼリーを持ってきた。励は、上に乗ったミントを先に取ると一口目を食べた。
「自分的には多分、メンズのところにピンクとか水色とか置いてあっても買う人少ないからだと思うんですよね」
「僕は、需要より男性はこうあるべきと社会が決めつけてるような気がするな」
「例えば?」
「そうだな、色的だとピンクはあまり男性は着るものじゃないって社会が思ってるからそもそも作らないって感じかな」
「どちらかというと、女性がよく着る色ですよね。インタレスティングだと思うのは、男の人が発色のいいピンクの服を着るだけで少しオカマの人っぽく見えるんですよね」
紅茶が聖悟に運ばれてきた。彼は、運ばれてきた紅茶をじっくりと味わう。励の方は、外を見ていた。
「ピンクとか黄色とか男の人が着ない色は、幼く見えるんじゃないですかね。女の人が着ると少し若く見えるのが違いですかね」
「なかなか、興味深い考察だ」
励は、聖悟の方に視線を戻した。
「男性社会では、昔から威厳があるように見えることが重要視されてきましたから。幼く見せるのは、利益をさほど産みません。しばしば、弱く見えることもあります。女性社会で重要視されるのは、若くて美しいことですけど」
「男性的には若いということは、頼りなくいや、弱く見られがちだなからね」
「まぁ、確かにデザイナーの人達は男性に頼がいのある威厳満ちた風に男性がえるように、さっき上げた色をメンズ服に採用するのかもしれません。動物にとって弱く見える群れの長は命取りになりかねませんし。まぁ最近は、髭を剃ることを選ぶ人の方が多いですけど」
「皮肉だな…」
励は、ニッコリと笑った。
二人は、話を完結させると残っていた紅茶やゼリーに手をのばした。
「聖悟さんはこの後どうするんですか?」
「春の陽気を楽しみながらブラブラするよ」
「いいですね。タンポポの綿毛を拭きながら春の風を楽しみたいものです」
「君も来るかい?」
「いえ、この後しゃべり場に戻らないといけませんので」
励は、ゼリーを食べ終えた。
「良かったらきませんか?出会い作りにでも…」
「前にも言ったがそれは遠慮しとくよ。僕は、君と話したいんであって興味のない人に時間を割くぐらいなら一人の時間を楽しむさ」
聖悟は、紅茶の最後の一口を飲み終えた。
「そうですか…面白いのに…」
励は、最初に出された水を飲み終えると財布からお金を出した。聖悟もつられて出す。
二人は会計を済ませ外に出た。励は、麦わら帽子とサングラスをまた身につけた。
「君は、そっち方面だったよね。僕は、こっちなんだ」
「はい、そうです。いつでも連絡してくれれば行きますんで連絡してくださいね。では、また」
そう言うと、励はまたビーサンをペタペタ鳴らしながら帰っていった。
では、また。
次の話でお会いできると嬉しいです。