09 能力検証
私専用装備――ウィッチドレス【Witch Dress】
月額制のVRMMORPGでありながら、運営が“課金”による個人の専用装備を販売するという暴挙による逸品です。
ゲーム内には防具だけでも百種以上あるのですが、やはりレベルと性能面で定番というものが有りまして、装備の見た目と性能をカスタマイズ出来ると言うことで、例え課金でも廃プレイヤー達の期待は高まりました。
でも、実際に課金して装備を得たのは全体の1~2割ほどですかね。
その理由としてはまず一つ目に、高い。月額利用料の半年分とかふざけています。
二つ目の理由が、性能が微妙。ゲームバランスを崩すような性能は得られないので、複数の性能を取ろうとすると既存装備より微妙になる。
三つ目に、リアルマネーだけでなくゲーム内貨幣も必要になる。
色を変えるだけでも100クレジット掛かります。ちなみにゲームの食事が一回5~10クレジットなので、どれだけ高いか分かってもらえるでしょうか。
なので、せっかく装備を課金しても、基本形状を組み合わせての多少の変更で済ませる人が多く、ゲーム内では、ごく一部の廃プレイヤー以外はおしゃれ着に使っている程度だったのです。
……私ですか? ガッツリやりましたよ。
この【Witch Dress】の装備に注ぎ込んだゲーム内通貨は、1億クレジットを超えています。性能的には色々と制約がありましたが、
頭【使用MP軽減25%】魔法に使うMP消費を減らします。
胴【MP回復上昇40%】MPの自然回復率が上昇します。
腰【属性魔法防御30%】被魔法攻撃のダメージを減らします。
腕【ステータス上昇5%】能力値を5%底上げします。
足【物理属性耐性50%】自然の炎・冷気・雷に耐性を付けます。
杖【属性効果上昇15%】属性魔法の威力を上げて、敵のレジスト率を下げます。
と、ソロ向きな魔法戦装備となりました。魔法防御とMP回復は重ね掛け出来れば良かったのですが、仕様により出来ませんでした。例えば魔法防御10%と20%の装備を同時に装備すると、高いほうの20%が最大値になるのです。
ちなみに同じような“専用装備”をあと二つほど作っています。まぁ、どれも完全な趣味装備なんですけど。
実は二日も徹夜でカスタマイズしていたせいで色々やらかしました。
濃い赤のベルベット地に黒い薔薇と茨の刺繍はともかく、ミニドレスのスカート短すぎました。いえ、腿の半ばくらいまではあるんですけど、ふわりとヒラヒラ広がる仕様にしたのでヒール付き膝上ブーツなのに太股がチラチラ見えるのです。
しかも腰装備が、黒のガーターベルトと黒の柄ストッキングって何なんでしょうね。なんと言いますか、当時は厨二病真っ盛りだったので良く覚えていません。
何故か一式の隠し効果で、異性に対して命中+10。魅力上昇5%が付いていましたが、こんな見栄え重視した装備とキャラのおかげで、沢山の知らない男性プレイヤーから『スクショ撮って良いですか?』と何回聞かれたことか……。
まあそんな愚痴はさておきまして。
おはようございます、キャロルです。
あのあと私は、押っ取り刀で駆けつけてきた兵士達に保護されました。隊長は横柄でしたが、若い兵士は平民だったのか意外と同情的でしたね。
最悪の場合はそのまま殺される可能性も考えましたけど、良くも悪くも隊長は辺境伯の意向を無視してまで私に危害を加える根性がなかったようです。
お父様は私が戻ってきて嫌なのか、商品が戻ったことが嬉しいのか微妙な顔をしていましたけど、問題はお母様のほうでした。
『ロルフは!? ロルフはどうなったのっ!? あなたの呪いを掛けたのねっ、忌々しい汚れた血がっ!』
とか半狂乱で騒いだせいで、お母様は保養地でしばらく療養することになりました。
お母様が問題を起こしたので私に問題が起きた訳ではないのですが、あえて問題があるとすれば、他の使用人まで私を怖がる人が出てきたくらいでしょうか。
『呪いの魔女』だそうですよ? 我ながら否定出来ません。
お兄様のディルクは、お母様が少しおかしくなって涙目になりながらも私を睨んでいましたけど、メイヤ達が気にしちゃいけないと言うので、気にしません。
ですが、そのせいでまたお父様から嫌味を戴いて、私の引っ越しの日程が早まっちゃいました。
もしかして、『三歳児に嫌味とか大人げない』とか言ったのが聞こえましたか?
私の新しい住処は、お城から30分ほど歩いた森の中にある小さなお屋敷です。小さな、と言っても今までのお城と比べてなので10部屋はあります。
「……趣がありますね」
「あい」
メイヤさん、素直に“寂れた”とか言ってもいいのですよ?
ここは先々代の当主が隠居した後に使っていたらしく、その方が亡くなって以来、特に手入れもしてなかったそうです。
お掃除や引っ越しは平民の使用人さん達が手伝ってくれました。私も少し手伝いましたよ。こっそりあの天蓋付きふかふかベッドを運んでみたのです。
こんな非力な三歳がどうやって?と思うかも知れませんが、なんと【カバン】にすっぽり入っちゃったんですよ。
あの執事が持っていた短剣、家紋付きだったから持って帰ろうと思って、ふと思い付いて入れてみたら収納出来たので、他のも入ると思ったのです。
メイヤ達はいつの間にか置いてあったベッドに不思議そうにしていましたけど、私が普通にしていたのでうやむやになりました。
それにしてもお屋敷はボロっちいです。カーペットは色褪せて、壁にも染みがありました。もしもし誰か埋まってますか?
でも良いこともありました。一番良かったのはあの意地悪メイドのイラリアが私担当から外れたことですが、それよりも私をお世話する人に、メイヤ達だけでなく、メイヤの夫でマイアの父親である料理人さんも来てくれたのです。
ある意味窓際に左遷ですけど。
それと二階の空っぽの本棚の裏に小部屋があって、そこが先々代当主の隠し部屋で沢山の本が隠してありました。
半分は成人向けだったことは目を逸らして、傷んでいる本もありましたが、十数冊はまだ読める本だったので、メイヤに文字を教えてもらいながら読んで貰っています。
生まれてから三年で言葉は勝手に覚えましたが、文字はまだなのです。
初級っぽい魔導書もありましたけど、そちらは文字を覚えてからにしましょう。
私が魔法を使えなかったのは、呪文の言語が私とは違っていたからでした。
執事が使っていたあの意味不明な言語の詠唱は、どうやら精霊が使う自然に対して命令する為の言語で、それを人にも発音出来るように劣化させたものなんだそうです。
執事の【ファイアアロー】の詠唱を聞いた時、私がゲームで覚えていた同じ魔法の呪文が『知っている言語』で書き換えられて浮かび上がってきたのですよ。
たぶん私にプレイヤーキャラクターが統合されたからだと思いますが、ゲームの呪文はゲーム内の言語になっていたので、この世界の呪文を聴いてその部分に変換されたのだと思います。
そうなると一度は詠唱を聴かないと他の呪文も使えないのかも。本を読むだけで済めば良いのですけど。
あと私が一式装備を着けたことで身体が大きくなったのは、ゲームの装備はある程度体型による自動調整がされるのですが、それがバグって、キャロルの中にあるプレイヤーキャラクターが表側に出てきた感じでしょうか。
あの時は調子に乗って魔力をスッカラカンにしてしまいましたが、私が元に戻ったのは基礎体力が無くなったからだと思います。
三歳児の基礎体力では、キャラクターの身体を長時間維持できなかったのでしょう。
しかし、子供から大人になって魔法を使うとか、昔の“魔女ッコ”ですか?
実を言うとアレ、結構危険な状況でした。
あの時の私って、プレイヤーキャラの身体能力はありましたが、HPとMPが三歳児のキャロル程度しかない瀕死の状態だったんです。
今後もあの力に頼るとしたら、変身時間の延長を考えないといけませんね。
MMORPGでも乙女ゲームでも、キャラクターに“普通の生活”は必要なかったので気にしていませんでしたが、普通に暮らすようになって色々と分かってきました。
住む場所が小さくなってお手洗いも近くなったので、オマルも卒業です。
この世界のおトイレって半水洗なんですよ。何故に半分なのかと言いますと、使用後に“生活魔術”を使って自分で流すのです。
それがどこに流れていくかというと、地下の小部屋に品種改良されたスライムが飼われていまして、色々と処理してくれるそうです。
しばらく誰も使ってなかったのでスライムも干涸らびていましたけど、水を与えたら復活しました。元気ですね。
お台所の火や照明は『魔石』を動力とした『魔道具』を使っていました。生活魔術でも似たようなことは出来ますが、ずっと魔術を使うのは疲れますから。
なんと冷蔵庫や冷暖房も魔道具で何とかなるみたい。普通に便利です。
ゲームでは魔物を倒すと出てくる“魔石”を街で換金していましたが、こんな所に使われていたのですね。電池みたいです。
私もお手洗いの為に生活魔術を習いました。これはゲームにはなかった魔術なので、結構面白かったです。
生活魔術は私が使っていたような【属性魔法】ではなく、無属性になるそうです。
この世界では誰でも魔力は持っていて、属性魔術が使えない一般の人でも、無属性の生活魔術なら誰でも使えるみたいですよ。ゲームでの無属性魔法は【戦技】と身体強化系くらいだったので驚きです。
メイヤ達が知っていた生活魔術は四つで、
魔力を流している間、ライター程度の火を付ける【着火】。
魔力を流している間、水道のように水を使える【流水】。
ロウソク程度の明かりを15分くらい灯す【灯火】。
魔力を流している間、触れた部分だけ綺麗になる【洗浄】です。
アウトドアに便利そう。火とか水とか属性っぽいですが、この程度の魔力なら属性はいらないって事ですか?
それではたっぷりお昼寝もしましたし、夜中になりましたので、能力の検証に移りましょう。
「Setup【Witch Dress】」
この世界の言語ではない“命令文”を口にすると、魔女のドレスが一式で装備されて、私の身体が三歳児からプレイヤーキャラクターである15歳くらいの姿に変わる。
「問題ありませんね」
バグも連続で使用出来れば仕様と同じです。
前回は余裕がなくて検証出来ませんでしたが、冷静に自分の内側に意識を向けると、確かにHPもMPも下がっているのが分かりました。
さすがにゲームみたいに数値では分かりませんが、だいたいの感覚です。
私は窓を静かに開け、窓枠に指を掛けてするりと外に出る。
筋力も問題ありません。指先だけで身体を支えられます。でも力加減の練習は必要ですね。指で摘まんだ窓枠が少し潰れてしまいました。
誰にも見つからないように森の中に移動しながら、ここで少々ステータスのお復習いをしておきましょう。
一般的な人族の初期ステータスですが――
【人族・レベル1】ヤングアダルト(二十代) HP100 MP50
【筋力50】【耐久50】【敏捷45】【魔法力40】【魅力40】
男女の差もありますが、人族のプレイヤーはこんな感じでした。
そして私の、VRMMORPGでの最終ステータスは――
【ハーフエルフ・レベル95】ティーン(十代) HP340 MP520
【筋力225】【耐久170】【敏捷240】【魔法力250】【魅力205】
こう見ると凄く上がっているように感じますけど、レベル95ですよ。レベルによるステータスアップって、1レベルに“1”しか上がらないんですよ。
上がっている数値の大部分はスキル上昇分のボーナス値ですね。
攻撃力と防御力は、該当技能でスキル1ごとに1%上昇します。
MPもレベルの割りに低いように見えますけど、該当スキル2ごとに消費MPが1%軽減されるので、最大のスキル100で50%軽減出来る。
私は前衛だとスキル90の【射撃】が最高値なので、【身体強化ランク4】まで使用出来ます。ランク4は80%上昇だから、筋力だと最大405にまでなっちゃうので、こんな腕の細さで、パワーが一般人の10倍近くあるのです。
……これって、プレイヤーの身体じゃないとムキムキになっていたのでしょうか? それとも、技能と魔力が結びついて上昇するから、外見は変わらないのかな?
問題は、現実の一般人は“何レベル相当”の強さがあるかですかね? あの執事でどのくらいの強さなのでしょうか?
それはともかく屋敷から離れたので、本日の目的でした【種族アビリティー】を使用しましょう。
「…………」
コマンドにする必要も無く、HPとMPがもの凄い早さで回復していきます。
エルフ系種族アビリティー【生命の息吹】です。
効果は一日一回だけ、大気や自然から“氣”を吸収して、体力と魔力を回復する。
使えて良かったです……。これが使えなかったら、これからの行動に差し支えるところでした。基礎体力は三歳児のままでしょうが、だいぶ身体が楽になった気がしますから、この状態での活動限界も増えているかも。
戦闘さえしなければ、もっと活動時間が増えるかもしれません。
でも、HPは回復しましたが油断はいけません。この世界はゲームではなく現実なのです。油断して急所を刺されればあの執事のように即死もあり得ますから。
「Set【Hermes】」
私の手に金色のナイフ――【ヘルメスの短剣】が現れる。
メデューサの首をちょん切った伝説の武器ですが、何故か【調理スキル+5】の見た目そのまま『文化包丁』です。お肉は食材しか切りません。
でもこれ、ゲームでは『伝説の殺人鬼』を倒すと落とすんですよね。別に深い意味はありませんけど。
「はっ」
ナイフを軽く振るうと、樹の幹が特に抵抗もなくざっくりと斬れる。
これ、切れ味良すぎです。基本の攻撃力はそんなに高くないのに。ゲームのアイテムだからでしょうか?
それよりも他の武器をこの装備で上手く使えるか試してみましょう。
「Set【Break Revolver】」
今度は私の手に真っ黒な大型拳銃――【ブレイクリボルバー】が装備される。
両手で使うライフルじゃなくて拳銃だから、左手にヘルメスの短剣が残ったままですけど、とりあえず今回は両手撃ちしたいのでナイフはカバンに仕舞います。
「………」
右手で銃を構え左手をグリップの底に添え、10メートルくらい離れた場所から適当な樹木に狙いを付ける。
ドォンッ、ドォンッ、ドォンッ、ドォンッ。
静かな森に響く銃声に森から小鳥さん達が飛び出していく。ごめんなさい。
最初の時は室内で静まりかえっていたので大きく響きましたが、実際、それほど煩くはありません。そう言えば、火薬を使っていないのに何で音が出るのでしょう? 大人の事情ですか?
四発撃ちましたが、樹の幹に掠ったのが1発だけでした。VR内だと補正があるからそこそこ当たりましたけど……これは要練習です。射撃命中効果の指輪はカバンに持っていましたっけ?
――カチッ。
「あら」
弾切れです。6発撃てますが、そう言えば二回撃ってから銃弾を装填していませんでした。私はカバンからとりあえず銃弾を全部出してみる。
「……あれ?」
木箱に入った銃弾が沢山出てきました。全部持ち歩いていたのでしょうか?
今ある銃弾は、【銅弾】が1200強。【銀弾】が300弱くらいですね。今回お出掛けしたのは、検証もありますけど、銃弾を作る鉱石と魔石も欲しかったんです。
一応、銃弾は作れますよ。その為だけに鍛冶スキルも40まで上げましたから。
とりあえずはすぐに無くなる数ではないですが、油断は出来ません。なにしろレベル上げで銃を使うと、このくらいすぐに消費しちゃうんです。
私はリボルバーのシリンダー部分を開けて銅弾を込めていく。さすがに一発ずつ込めるライフルより時間が掛かります。大変面倒くさいです。
気を取り直して斬馬刀を試してみましょう。
「Set【Ridill】」
取り出した巨大な斬馬刀を振り回す。今の身長が確か160センチ+ヒール5センチのはずですが、180センチを超えるリジルでもあまり問題は無さそうです。
大きく振り回した時、少し身体が流されるかな? でもこれなら【剣舞】も使えそうです。
「………」
リジルを片手で構えて、もう片方の手を刀身の半ばほどに添える。
そのまま刀身から腰に巻き付けるように手を放して回転させ、私自身もリジルと一緒に回転しながら前に飛び出し、掴んだリジルで敵の虚を衝くように片手で振り抜く。
ズパンッ!!
五メートル以上離れた間合いを一瞬で詰めて、大きめの樹木が竹を切るようにあっさりと斬り飛ばされた。
私の戦闘技能は、スキル90の【射撃】と70の【剣舞】です。
【剣舞】は『刀剣』を扱える複合技能で、両手剣、片手剣、短剣が使えるのですが、結構面倒な制限があるのです。
一般的な【片手剣】スキルの攻撃力計算値は、
〈筋力値100%+敏捷値50%〉÷4+〈武器スキル×1%〉
【剣舞】スキルの場合は、
〈筋力値50%+敏捷値50%+魅力値50%〉÷4+〈武器スキル×1%〉
これが何を意味するのかと言いますと、決められた数百のダンスパターンの組み合わせで踊らないと、魅力値ボーナスが攻撃力に乗らないんですよ。
一応効率的なダンスは攻略サイトに載っていましたが、効率を求めると盆踊りみたいになるんですよね……。格好悪い。
だから複合スキルでありながら使い手がほとんど居なかったのですが、私は【剣舞】と相性のいい片手剣を止め、長剣を使って回転することで綺麗に踊りながら最高威力を出せるダンスを構成したのです。
まぁ、魅力値が高いハーフエルフだからですけど。
身体の周りでリジルを回転させながらバック転を決める。……これってスカートの中が丸見えですね。見せパンですけど、いつも【剣舞】の時は腰装備だけ専用のスパッツにしていたんですが、どうしましょ?
まぁ、仕方ない、諦めましょう。生き残ることが先決です。
「……ふわぁ」
動いていたら眠くなってきました。
この姿になってからまだ3~4時間程度でしょうか? 前回よりも遙かに時間は延びていますが、今日は余裕を持って大人しく帰りましょう。
そんな感じで朝はお勉強をして、お昼から夕方までお昼寝して、夜に戦闘技能の検証をしていると一ヶ月が経ちました。
この世界の時間概念は地球と違って、1日25時間の350日で一年だそうです。計算するとほぼ地球の一年と変わりませんね。一時間はどちらも多分同じです。
この一ヶ月、私は前世よりも快適でしたが、私のお世話をしているメイヤさんご一家は大変だったかと思います。
「キャロルお嬢様、読書中失礼いたします。マイア、すぐにお嬢様を二階のお部屋にお連れして」
「えっ、お母さん、どうしたの?」
リビングで最近読めるようになってきた『初級魔術入門』を読んでいると、顔色の悪いメイヤが現れて、マイアが思わず普通の口調になる。
「マイア、お仕事中は名前で呼びなさい。お嬢様、イラリア様がお越しになりました。お嬢様は会わないほうが宜しいかと」
「あい」
あの意地悪メイドのイラリアが現れたそうです。アレほど私を避けていたのに、どういう心境の変化でしょう?
この世界の魔法は、精霊の言語を劣化させた特殊言語を用いていますが、キャロルが使っているコマンドや魔法は『英語』になります。この世界の住人では理解できません。
次回、イラリアの意地悪と、冒険者ギルド。