赤い夜道
黒い朝焼けと青い夕景が名札をぶら下げて、緋く染まる夜の空に旅をした。
なにかがズレてしまったみたいだ。ひとつずつ。
トクンと音をたてて、またひとつ歪みだす。
背中に挿した赤い花を、今度はどこへ飾ろうか。
街並みは藍色に起き上がって、僕は一人、赤く眠った。
見れないんだ、空を。
何色か、どんな模様か。
僕はまたひとつ、隣へ歪む。
もう一度ズレてくれたら、なにかが変わるのかな。なんて。
他人任せの願掛けを、空に伝えた。
愛しみさえ伝える相手を間違えたみたいに。
――廻る。
痩せて、痩せて、僕の中身はだんだんとなくなっていってしまった。
細くなる自分の四肢が、僕を支えられなくなって、また、僕は横になる。
曲がっているでしょう。色々が。
世界も、壁も、歪んでしまえばいいのに。
とうに願った夢を紡ぐ。
僕の空はあと一度、歪んだみたいだ。
次は一体。何処が。
見慣れない空に僕は歌う。見飽きたいでしょう?
Twitter:@dakusanno