8/40
No,0008 最強
あれから一年の月日が過ぎた。
俺は、もう、最強と言っていいほどの力を手に入れた。
進化の最終地点にあったチカラ、ベクトルコントロール。
熱、電子、分子、粒子……の、全ての向きを操れるチカラだ。
このチカラを手に入れるためだけに俺は今まで頑張ってきた。
そして、今日、ついに天界へと行く日が来たのだ。
しかし、俺の予想以上に、天使達は弱かった。
俺が強くなりすぎたのだ。
そして、天使の王である、奴の元へたどり着いた。
「な………」
そして言葉を失った。
なぜなら、天使王の契約者が
「なんで緋聖がここにいるんだよ!!」
俺の姉だったから。
「別に貴方だけが契約したんじゃないんだよ
私だって契約したのよ!」
つまり、俺の姉をこの手で滅ぼさなきゃならない。
他に道があるのか?
姉を救う方法が。
「……………………」
俺は無言で姉を倒した。
契約を解除するという方法で。
ベクトルコントロールをして、契約前の姉に戻しただけだったのだが、
そこまで出来れば、もう、十分だった。
残るは、天使王のみ。
「………」
俺は腕を振った。
ただ、それだけのことで、天使王の全てが、終わった。